ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

ひらきました!こくごのじかん読書会 第一回「シッダールタ」

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年明け感も落ち着いた1月の日曜日の午後、お寺の中のカフェで「シッダールタ」の読書会をひらきました。


こんな告知で募集しました>>

 

共催のオハラさんと、「こくごのじかん読書会」と名付けたのは、二人とも本好き、読書好きで、中学や高校の頃の国語の授業が大好きだったことがまずありました。そこから、こんな国語の時間があったらいいなぁ、大人になって自分の好きな国語の時間をつくってみれたらいいなぁという願いを込めました。

近さを感じながら一人ひとりがたくさん話せるようにしたい、ということで、人数もわたしたち含めて6名の小さな場にしました。

この本はもともとわたしが数年前に読んでいて好きな本だったことから、オハラさんにおすすめしてみたところ気に入ってくれて、ぜひこれでやってみたいということになりました。

全員が読了後の「もうすぐにでも話したい!」という思いを抱えて、この日を楽しみにしてくださっていたようで、場がはじまるともうずんずんといきなり深まり、様々に展開していきました。

 

いろいろな感想が出たのですが、わたしが後日ふとした瞬間に思い出したのは、こんな言葉たち。

・人は14才ぐらいになればこの社会や世界のことがほとんどわかってしまっている、悟ってしまう。そういう時期は危うくて、でもシッダールタはそこで終わらず、実際にやってみる、経験してはじめてほんとうに理解しようとしている。

・起こっていることは変わらないのに、河はただ流れているだけなのに、自分の状態によって様々に受け取る(受け取ってしまう)。

・わたしとあなたがまったく個別固有の存在であるということと、あなたがわたしでもあるということがあり、それらの間には何ら対立も矛盾もない。

・シッダールタの心を最も攪乱し正気を無くさせたのは、父でもなく師でもなく友でもなく女でもなかった。あのシッダールタでさえも。

 

必要なものが必要な分だけある。終わった後から感想がどんどんわいてくる。同じ物語を読み、それぞれに心の旅をし、ある日ある時間ある場所に集い、旅のお土産を持ち寄る。言葉を交わす、なんとか言い得ようと試みる、音になる言葉をその奥にあるものごと受け取る。

 

わたしがいて、あなたがいる。
 
この日の対話を経たことで、この「シッダールタ」という本が、一人ひとりにとってなにかしらの特別な一冊になったという感じがしました。人生のフェーズが変わるたびに読みたい。

 

ヘッセの他の著作で「デミアン」や「庭仕事の愉しみ」のおすすめもありました。「シッダールタ」での読書経験とつなげて読むとまた受け取るものが違いそうで、読むのが楽しみです。
 

会場の「赤門テラス カフェなゆた」さんは、かるたCafeで大変お世話になっていたのですが、また別の場でもお付き合いができ、こうしてあたたかく出迎えてくださっていたのがうれしかったです。

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対話の助けになればと、今回はじめてプリントを作ってみました。これがわたしにとってはすごくすごく楽しい作業でした。

わたしこういうのが好き!楽しい!自分が好きなことでみんなが喜んでくれるお仕事をこれからもやっていこう、とあらためて心に決めました。

今回もご参加いただけたこと、無事にひらいてとじられたこと、ありがとうございました。なんだかまとまらない文章になりましたが、2時間目もどうぞお楽しみに!

 

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【募集】中央区講座「ようこそ!百人一首と競技かるたの世界へ」

中央区の講座の募集がはじまっております〜!

百人一首の雅さと競技かるたのゲーム&スポーツの楽しさを2時間で一気に味わえるレアな(たぶん)講座です。和歌と女性の人生と競技かるたで、今のわたしたちにつながるこの1300年余りを一気に駆け抜けます!

対象は中央区在住・在学・在勤の方。託児もあります。

 

昨年の後半からわたしが「教える、教わる」について考えはじめるきっかけになったのがこの講座です。百人一首を窓にして、皆さんと一緒に新しい世界がひらけたらいいなと願ってます。ご参加お待ちしております!

 

お申し込みはこちら>>http://genki365.net/gnkc09/pub/sheet.php?id=10809

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ひらきました!METライブビューイング「魔笛」を観てあーだこーだ語る会

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12月の話ですが(とにかく近頃レポートが遅い...) METライブビューイング魔笛」 を観てあーだこーだ語る会をひらきました。場として募集するのは、「椿姫」以来。その間に「薔薇の騎士」を観て、もうすっかりMETライブビューイングのファン。

METライブビューイングって何なの?何がそんなにいいの?という話は、ポッドキャスト「ことほぎラジオ」第11話でも話しましたので、ご興味ある方はぜひ聞いてみてください。

 

こんな告知を出しました>>

peatix.com

 

映画館で解説・字幕付きでモーツァルトのオペラ「魔笛」を観て、そのあとみんなで近くのカフェでごはんを食べながらわいわいじっくり感想を話しあう、という会です。

 

今回も参加する皆さんに予習をお願いしました。

予習するしないの好みはあると思うのですが、この会でおすすめしているのは、事前にあらすじを頭に入れつつ、3分程度のアリア6本を複数回観て(聴いて)から当日を迎えることです。どんな場面でどんな音楽が流れるかを耳に入れておくことが、特にオペラにあまり馴染みのない方にとっては鑑賞の助けになりますし、より深くたくさんのものを受け取ることができるのではないかと思うからです。

例えて言うなら、一度通った道は、道順がわかっているから足が自然に運べて、周りの景色を楽しむ余裕が出てくる、という感じでしょうか。

 

共催のゆかこさんが、今回もまた素晴らしい予習サイトを作ってくれて、わたしはこれを元にYoutubeでいろんな音源を漁りながらみっちりと予習していきました。>>

aktennotiz.jugem.jp

 

どんな場、どんな感想が出たかについては、ゆかこさんのこれまた素晴らしすぎるレポートがありますので、ぜひぜひお読みいただきたいです!

aktennotiz.jugem.jp

 

わたしの感想としてはまず、寒く体調を崩しやすい時期にもかかわらず、全員が元気に来てくださったことがまずよかったです。これは本当によかった。

そして、シルク・ドゥ・ソレイユ感あふれる舞台衣装や演出が現代的でよかった。演出家が「ライオンキング」のJ・テイモアということで、「魔笛」のファンタジックでマジカルな世界を非常によく表現していたと思います。

十数年前にドイツで買ったMichael Sowaの"Prinz Tamino"をついに原文で理解できた!うれしかった!ということもありますた。オペラで見て筋や展開が理解できているので、挿画を楽しみながらじっくりと読むことができました。音読していても楽しかったです。

美術作品で「魔笛」が題材になっているものに出会うことがたびたびあり、一度でも観てどんなオペラなのかわかっていれば、きっとより意味が理解できるし作品を味わうことができるだろうに、と思っていたので、今回METで出会えたのはよかったです。今後のいろいろな鑑賞体験によい影響がありそうです。

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そういえば今回はドイツ語版ということで、以前少しドイツ語を勉強したことがあるわたしとしては、わかるところがある!とか、そうそう、ドイツ語独特のこのグルーヴ!などが感じられうれしかったです。歌だけではなく、セリフのような箇所もたくさんあるところが、前回の「椿姫」や「薔薇の騎士」と違うところでした。

 

 

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有名なアリアやシーンは多数あったのですが、やはり印象的だったのは夜の女王のアリア。3時間半も観ていたのに、自分の中に残っている旋律はたった4分弱の「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」しかなかったのには驚愕しました。歌手の演技力も素晴らしかった。尋常ならざる音域と不穏な歌詞にもかかわらず、不思議な明るさと開放に満ちている。怒りの炎の美しさ。そもそも怒りだけなのだろうか。元は美しく可憐な女性が般若となるほどに突き落とされた深い悲しみ?彼女のどんな物語があったのだろうか、などと想像させて、歌以外にも彼女の存在はひときわ目立っていました。(なぜかメイクが「エンドレス・ポエトリー」のステラに酷似しているのも、2017年の思い出として個人的によかった!)

 

和訳では「魔笛」なのですが、原語では"Die Zauberflöte"、英語では"The Magic Flute"、つまり「魔法の笛」というファンタジーだということ。わたしがどうもシューベルト「魔王」と混同していたらしく、得体の知れないものにひたひたと襲われる怖さをイメージしていたのですが、全然違う作品として書き換えられてよかったです。

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「パパパの二重奏」でグリコのパナップのCMを思い出したという方がいらっしゃいました。あーそうそう、あったあった、ありましたね!1988年のCMです。

youtu.be

 

* * *

オペラ自体もそうだし、このMETライブビューイングという形式が、観客が参加できる余地をたくさん作り出していてくれています。今シーズンも魅力的なラインナップが控えていますので、ぜひ足を運んでみてください。オペラのイメージが変わることでしょう!

METライブビューイング公式HP>> http://www.shochiku.co.jp/met/

 

 

ひらきました!Year-Beginning Collage〜コラージュで2018年を展望する

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年末のコラージュで一年をふりかえる"Year-End Collage"に続き、年始はリクエストにお応えして、"Year-Beginning Collage"をひらきました。(1月中旬のことでしたがようやくブログに書けました...!)

 

こんな告知でした>>

peatix.com

 

年末にタイミングが合わなかった方にお声をかけたら、あっという間に8席全部が埋まりました。毎年の常連さん、何年か越しでようやく来られたという方、切ったり貼ったり楽しい時間を過ごしたい、などなど、いろんな方がいらっしゃいました。続けているとこういう贈り物があるのだなぁと、大変ありがたく受け取りました。

 

 当日はこんな感じで進行しました>> 

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今回も、製作前の発散のためにマンダラートでのキーワード出しをして、それを元に2人1組で話を聴き合う時間を持ちました。(マンダラートとは>

http://idea-soken.com/mandal-art

年末のときは、2017年に何があったか、どんなことを思い出すかなど、時間を遡ってもう一度なぞりなおす振り返りの時間でしたが、年始は「今ここ」から2018年の先の一年を、小高い丘の上に立って広々と見渡すような気持ちでつくります。

マンダラートのテーマは、「今、気になっていること」。

気になるにはおそらく2つの意味があって、「心に引っかかっている、心配だ」と「あの人のことが気になっちゃう」という恋のようなわくわくとした感情。どちらもついつい考えてしまうこととして、キーワードを挙げてもらいました。

 

わたしの気になってること(部分)。72コ全部書けた。>>

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2人1組になって話すにあたって、何をどの順番で話そうか、キーワード同士をつなぎ、色ペンで辿ってもらいました。こうすると次に何を話すのか自分でわかっているし、目で確認できるので安心です。

この5分の聴いたり話したりの時間は本当に楽しくて、皆さんから「話したかったことを話せた!」「もうこれだけで来てよかった!」という声が聞かれました。

 

でもまだまだ終わらない、これからが楽しいコラージュの時間!

今話したことは一旦置いておいて、ふわ〜っとした自分のままで、並べてあるいろんな種類、たくさんの雑誌や紙の中から、「なんか気になる」というものを取っていきます。そして30分ほどかけて集めたら、次は切って貼り付ける時間。好きな部分を好きな形に好きな場所に、深く考えず直感でどんどん手を動かしていく。

「これを貼ろうと決めていました!」と素材を持って来てくれた方も何人も。皆さんコラージュの会を使いこなしていらっしゃる!(こういうのがうれしい...)

途中で、人が捨てた素材の中に自分にはぴったりするものを発見したり、「こんな感じかも?」と人に素材をあげてみたり(またそれが採用されたり)するのも楽しいのです。

 

そうしてできあがったものを壁に貼って少し離れて見てみると、なんと実に自分らしい世界が広がっている!全員のコラージュが並ぶのも壮観です。

 

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集中して製作したあとはラジオ体操をして身体をほぐし、おやつを食べながら発表会です。何を思い考えながら製作していたか、お気に入りはどこか、自分の印象などを話してもらい、それに対して、フィードバックや質問をしていきます。自分が表現したかったことを人が受け取ってくれていたり、自分では気づかなかったところを人が掬ってくれていたりする。お互いの言葉が刺激になったり、応援になったり、うれしさで満たされる時間です。

 

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わたしたちは時々刻々と変化していく存在だけれど、過去のこのときに自分が気になる、好き、いい感じがすると感じて留めたものは、この先時間が経ってもきっと力をくれるように思います。ずっと見えるところに貼っておいてもいいし、しまっておいてたまにふと思い返して見てみるのもいいかも。

 

2018年が終わったときに年始のコラージュを見たらどんな感じがするでしょうか。

どんな発見があるでしょうか。

わたしも楽しみにこの一年を過ごしたいと思います。

 

 会場が湯島だったので、ライトアップされた弁天堂が見えました。

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学びのシェア会に参加した話

きのうは「学びのシェア会」に参加してきました。勉強熱心な友人が発起人となり、4人のメンバーで第1回を立ち上げました。

 

告知はこんな書き出し。

 

数か月に一度、個人的に学んだことをシェアしあいませんか?

学びたいことはたくさんあるし、どれも奥深くきりがない!
しかも学ぶそばから忘れていってないか?との疑いも...。
でも学んだことは確かにあってそれを定着させたいし、さらにその学びがほかのだれかの役に立ったりしたらすごくいいんじゃないか...。

そこで、学び続ける仲間を募り、時々お互いが学んだことをシェアする場をつくればよいのでは?
と思い立ち、この度、一緒に学び合いたい皆さま(あなたです!)をお誘いしました。

 

一本ぶっとい探究テーマを持っている人は、日々多くのインプットをし、アウトプットをしています。イベントや勉強会にしょっちゅう参加しているし自分でも催しているし、多くの人に会うことから刺激を得ている。そしてそれを言語化し、書いて話して仕事や活動や暮らしの中で生かしている。その人の学びは必ずや周りの人に直接的に間接的に還元されているだろうと思う。

 

けれども、「あなたが今まで学んだことから、何を学んだかをシェアしよう」というシンプルな演題で人前で話して聞いてもらう機会というのは、多くはないのかもしれない。プライベートの場や、その人のお仕事のクライアントとして聞く話とは違う、そのための場が設置され、その中の舞台で(実際この日の会場は赤い幕付きの舞台があった)、目の前の人に対して語られることではじめて出てくるような話だったと感じました。「学んだことを生かす」、日常的にごく自然に自分とやり取りしていることを、一旦「/」を入れてPause。そこで行われていることを人に見せる、ということだったのかもしれません。

 

くどく書くと

 「学んだこと」---「(それは何か)/(それをどのように)」---「生かす」

という感じ。

 

告知には4人それぞれの発表テーマとプロフィールを載せて、さあ、どなたかピンと来てくださるといいなぁ、と待っていたら2人が参加してくださった。ありがたい。身内で場をひらくときの良さは、「あなたが話すならさぞや...!」とか「このメンバーなら間違いなく...!」な信頼と期待からはじめられところにあります。全員が何かしらのつながりをもっている場で話せるというのは、発表者もリラックスできるのでとてもありがたかったです。

 

発表しない参加者もただ聞いているだけではなく、質問したり全体で共有しながら一緒にディスカッションして、一緒に学び合う場になればいいなと願っていたけれども、実際は想像をはるかに超えてもっとエネルギッシュな時間でした。

人は人を聴き、自分の経験や学びと結びつけながら、理解しようとし、体系立てようとしているのだということが、今、まさに目の前で展開されていました。自分の中にも起こるし、同時に目の前でそのように人が動いていている!

 

なにより、普段から尊敬する友人たちの学びが自分にシェアされること、一緒にシェアされている人がいることは、とても喜びあふれる時間でした。4人の話はそれぞれ独立したものでもあるし、遠くに近くに響きあうものでもあり、その様も圧巻でした。

 

わたしが発表したのは、「聖書を読む会と競技かるたに教わった楽しい勉強法」。

「聖書と競技かるたの組み合わせはここでしか聞けない話だよね」
「ちょうど今考えていたこととぴったりした」
「全然知らない世界の話もあったので興味がわいた」
など感想をいただき、うれしかったです。

話し方や伝え方、というところでまだまだ未熟なのだけれど、やってみたからこそわかることなので、次の機会に生かしていこうと思いました。そう、やはり、「とにかく一度やってみる」は大事。それも安心できる関係や場の中で、やってみれたことがよかった。

 

「学びを」「シェアする」という軸をもって準備作業をしながら、あるいは当日発表したりみんなとディスカッションしていて、再び教わり、復習され、整理され、別の体系とつながり、また深い理解を得られる。自分の発表で『学習の目的はゲシュタルトを形成することである!』と教わった話をしたのですが(その話はまたどこかで...)、今やっているこれこそがまさにゲシュタルトの形成なんだなぁと実感したり、そうかこれが「教える」「学ぶ」ということなんだなぁとわかったり、場が可能にすることの豊かさを十二分に味わいました。

 

勉強ほんと楽しいなぁ!

 

この型を使ってみたい方は、「あくまで発表者を通って出てきた個人の解釈を含む学びであるため、二次(三次)利用の際は原典にあたることをおすすめします。」と説明を添えてくださいね。

 

▼当日のスケジュール。ふりかえりをして、3月の回はまた構成を変えることに。

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▼発表のためのメモ。自分の備忘として。もう一段、二段シンプルにしたかったな。

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書籍『長くつ下のピッピ』

図書館の「きょうかえってきた本」のブックトラックを物色するのが昔から好きです。

思いがけない本に出会える、宝の山のようで。

 

きのう図書館に立ち寄ったら、「きょうかえってきた本に」これがあって、思わず手にとってそのまま借りにいきました。

 

https://amzn.to/38ww3iP

 

わたしは本が好きなんですが、児童文学には非常に疎いです。

早く難しい本を読めるようになりたい!姉や父に追いつきたい!と思いすぎていたのか、現役の子ども時代に読まずに通り過ぎてきた児童文学がたくさんあります。

(まぁ児童文学に限らず、有名な本で読んでないものは星の数ほどありますが...)

 

特に「赤毛のアン」「ふたりのロッテ」「トム・ソーヤの冒険」あたりは名作というかもはや古典や教養レベルで出てくるので、「いやー実は読んでへんねん...(恥)」という感じで、なかなか話に混ざれないとか、理解が遅れるということがありました。

 

この「長くつしたのピッピ」もそのような一冊。

きのう一節だけ布団の中で息子と読んでみたのですが、へえーこんな話だったのか!とびっくりしました。
「うそをつくのはいけないことよね、でもそういうめにあった子はときどきこういううそをついちゃうものなのよ」なんてセリフがサラッと出てきたりして...。

 

最近、「あのときなんらかの理由や事情でできなかったことも、取り戻せることがある、タイミングがふいにくる」みたいなことが自分のテーマだったりもするので、これもそういうタイミングのひとつかなぁなんて思います。

 

 

この本、絵がいいなぁと思ってたら、あだちなみさんって、「くまのがっこう」の人ですね。服とか色とかポーズとかかわいい。


こどもの自分、大人の自分、いろんな自分になったり、登場人物に共感してみたりしておもしろかったので、訳文の本も読んでみたくなりました。

こちらは角野栄子が読みやすいようにリライト&ダイジェストにしてくださっているものです。

 

 

逆に、導入は必ずしも「原典」でなければいけない訳ではない、ということにも気づきます。

自分にとってとっつきやすい形式(漫画、ミュージカル、アニメーションなど)から入っていって、関心が深くなってきて、そういえば原典ではどうなっているんだろう?と思ったときに、当たればよい。

受容体、受け止める器ができているときに出会うのが一番の学びです。

 

 

この話をしたところ、アメリカに長く暮らしている方が、たとえば「若草物語」を出版本国で読んだことのある人をみつけるのが難しかった、という話をしていたのが興味深かったです。

「100-200年前に流行ってて、たまたま和訳された先進国文学」で、現代では本国人も読んでないのに、日本人だけが読んでいて、不思議なアセットとして残されている。

つまり、、『フランダースの犬』現象?

 

『長くつ下ピッピ』や、リンドグレーンは映画にもなっている(http://lindgren-movie.com/)ので、本国でも有名な方だろうと思いますが、ものによっては、日本だけで生き残っているものがあるかもしれません。

つまり何が言いたいかというと、別に読んでいなくても恥ではない!ということですね。

 

赤毛のアン』も何回かチャレンジしたのだけど、なんだか世界に入れない。

訳の問題だったり、そのときの自分の調子や興味関心もあると思いますが。

 

他の本のジャンルと同じで、好きな人は好きだし、必要があれば読めばよいし、というものなんだなぁということが腑に落ちた、という話でした。

 

読み聞かせ(3年生 1月)

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今朝は読み聞かせ。

東京で4年ぶりの大雪で、起きたときまでは晴れてたけどこの積雪の中を行くのは面倒だなと思っちゃってました。でもまちの方々が総出で雪かきしてくださってて、とても歩きやすくなっていた。ありがたい。いつもは見かけない方々とも、「おはようございます」や「降りましたね」や「ありがとうございます」を交わしあって歩きました。きょうもひときわ美しいまちを足元を踏みしめながら歩きました。

 

きょうは「日本の昔話5 ねずみのもちつき」から「ねずみのもちつき」と「雪女」を読みました。友だちに教えてもらった昔話を聞く楽しさを伝えたくて、はじめて(わたしの読み聞かせでは)絵のない本にしてみました。こどもたちには「絵がないけれど、頭の中で想像しながら聞いてね」と前フリしてから。こどもたち、どんなふうに聞いてくれたかな。(友だちに教えてもらったときの話はこちらで書きました)

 

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小沢 俊夫/再話,  赤羽 末吉/挿画 (福音館書店

 

きょうは読み聞かせのときに、かるたの競技中に使っている感覚を取り入れてみました。中心を心持ち下へ前へ、視野を広く取りつつ一人ひとりへ意識を、相手があってしていることを思い出す、わたしがまず楽しむ...etc。これもみんなにとってはどうだったろうか。フィードバックがないものなのでね。でも担任の先生や息子に聞いてみようかな。

 

この本、福音館書店の日本の昔話でシリーズで出ています。春夏秋冬と、季節ごとの昔話がそれぞれ50編以上も。小説で言うところのショートショートですね。寝る前にぴったりの長さ。息子は「もうひとつ読んで!もうひとつ!」と言ってくれるので、結局なかなか寝られないのだけど!

 

「今の子は囲炉裏とか筵(むしろ)とか見たことないからわからないかも?」と思っても、こどもたちなりに見聞きして知っていたり、想像もするし、今の時代すぐに手元で調べることもできるから大丈夫です。

 

この本、年齢問わずおすすめです。

 

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↓きのうの様子
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アジェのインスピレーション展がよかった話

2017年の館納めは東京都写真美術館の「アジェのインスピレーション ひきつがれる精神」。

 

ウジェーヌ・アジェは中学生のときに京都国立近代美術館売店のポストカードで知った写真家。わたしはそれ以上に知らなかったのだけど、今回の展覧会でどういう時代の流れ、写真史の中に位置付けられている人なのかがわかった。

 

ショーウィンドウのマネキンを写した写真!「あ!これだ!」と懐かしくなった。
中学の同級生に会ったような感じ。

 

アジェの人生。

30代までは画家を目指していたが、才能がないと気づき、パリの街20区の隅々までの記録写真を撮りはじめ、公的機関やアーティストに販売していたところ、数軒先のアパルトマンに住んでいたマン・レイに見出され(というエピソードがすごくいいわ)、助手のベルニス・アボット、画商のジュリアン・レヴィにも評価、応援され、シュルレアリストたちとつながったあたりから次第に知られ、没後にMOMAが収集、調査発表をしてからようやく「近代写真の父」との評価がもたらされたと。

 

先達の作り上げた記録写真のジャンルを超えた芸術としての写真、そのドキュメンタリー的視点のユニークさが、アメリカや日本の写真家(荒木経惟森山大道ら)にも大きな影響を与えているというキュレーションも興味深かった。

 

 

街路にじっくりと立ってアジェが見つめていたのはなんだったろう。

まちの形、隣同士にあるものの関連性、人の営みのようなもの?

 

アジェ以前、同時代、以後の写真家の作品が2/3くらいあっただろうか。新しく出会えたのもよかった。アジェの作品を紹介することに生涯の大半を尽くしたというアボットも写真家で、彼女の作品もよかった。

 

今年はソウル・ライター展でNYの20世紀の写真のムーブメントについて知ったので、近代写真のこともっと学びたい気持ちが高まる。

 

気になった作品は描いてみることで、近づける、親しくなれる、ということを今年は友人たちからたくさん教えてもらった。

 

きょうは6Bと8Bの鉛筆持参。やわらかくてさらさらと描きやすい。描くのは楽しい。

 

 

 

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本日受付終了:ものがたりの絵を描こう

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受付終了日に書いているというのもあれですが、もしもお気持ちとご都合のあう方がいらしたらなぁと思って、書いてみます。

rainbowegg.exblog.jp

 

こちらは今週日曜日12/10に友人とひらく場です。

お話を絵を見ないで聞いて、自分の好きな場面を自由に描いてみるというものです。最後におやつを食べながら見せ合いっこしておしゃべりしますが、批評や答え合わせではなく、「へー!そこをそんなふうに切り取るとは!」というびっくり楽しい時間です。

絵を描くことって、ある人にとっては息をするように当たり前のことだけど、そうでない人にとって「なにがよいか」、確かに持っているんだけどまだうまく言えない。でもあえて書いてみるとすると、「集中、制約の中の自由、工夫、自分だけのセンサーを感知、勇気、好きが増える、体がぽかぽかする」、、とかいろいろ楽しいことがあると思います。そう、忘れていたけれど、すごく楽しいことです、絵を描くのは。

あえてやらなくてもいいことかもしれないけど、なにか今までの方法で行き詰まっていることがあれば、絵を描いてみるということがヒントになる可能性がある。実際わたしもそのようにたくさんの発見があります。例えば、教育や就労の現場で、周囲や社会からどれだけ画一的な評価や承認にさらされてきたのだろうかと考えました。それだけでない世界ってあるよね、わたしはわたしでいいんだよね、そりゃそうだよねってちょっと肩の力が抜ける感じっていうのかな。絵を描くのが好きだった小さい頃の自分がむくむくと出てくる感じもあります。

 

先生のくみこさんは教え好きで、教え上手だから、うまくいかないことがあってもサッとその人に合ったやり方でサポートしてくれます。実際わたしはいつも途中で嫌になって、くみこさんになだめられて最後は満足するっていうパターン...。これにより上達もあるんですよ。何歳からでも上達するって希望です。しかも今回は自分の好きな場面を描くので、愛の力でけっこうな距離を行けます。画力が必要なところはくみこさんが教えてくれます。

くみこさんのひらく場は、大人もこどもも対等、同等に尊重され、一人ひとりに目配りされていて安心です。小学生から大人まで参加できます。ただ、子どもだけ参加させるということは今回はしていなくて、小学生のお子さんは大人も一緒にご参加いただきます。見守りという意味ではなく、大人も夢中になってほしいし、自分のお子さんや他の参加されてる方と絵を描くことを通じた交流をしてほしいから。

 

...と話がとっ散らかりましたが、当日わたしはお話を読んだり、皆さんのサポートをしています。画材はぜんぶこちらでご用意してますので手ぶらでどうぞ!

ぜひぜひ、いらっしゃいませんかー!

 

帰ってきたことほぎラジオ

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ことほぎラジオが週刊になって帰ってきたよー!


日々の中でことほぎたいことが、いっぱいいっぱい見つかっちゃって、
やっぱり最近どう?とかお話したいし、聴いてほしいみたいなのです。
おわったからはじまって、またラジオがお届けできてうれしいです!!

 

20分くらいのことほぎ話をぽこぽこと毎週月曜日に配信します。
そして今回はなんと全108話です。ぶち上げましたね。
またまたケンカしてもやりましょうということで。
あとは、毎週だから、風邪引いたり、旅行行ったり、引っ越したりいろいろあると思うんですけど、どちらかができないときは、一人でやるとか、自分でゲスト呼んでくるとか、いろいろやってみたらいいんじゃないの?ということになっております。

 

通勤・通学・お散歩・お皿洗いのお供にぜひ。

おたよりも引き続き募集してます。

第一話は、歌いたい話 / 海のお茶わんの話の二本でーす。

 

▼Blogから

doremium.seesaa.net

 

iTunes/Podcastから

週刊ことほぎラジオ

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上小阿仁村での芸術祭鑑賞ツアーのレポート(UNLEASH)

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今年の夏に秋田・上小阿仁村で行った鑑賞ツアーのレポートを、オンライン情報誌『UNLEASH(アンリーシュ)』に寄稿しました。

 

 

 

unleash.tokyo

 

わたしとしてはアサインされて行く、はじめての遠方での場づくりのお仕事でした。

わたしを含むハバタクのチームメンバー4人が企画運営の経験が豊かだったことや、各自多忙な中でも、個性を発揮しつつ補完しあうよいチームワークを発揮しながら取り組めたことも、とてもよかったです。

 

体験したことが抱えきれないほど大きかったので、そのままでは文章にできず、一旦録音しながら友人に話を聞いてもらった後、自分でテープ起こしをしてから書きました。

 

わたしたちはあそこで何をしてきたのか。

鑑賞とはなにか。

非日常でひっつかんで日常で確かめてみるとはどういうことか。

上小阿仁村の土地と人々と擦れ合うことによって、大いに感じ考えた3日間でした。

 

一人ひとりの内側で起こっている動きがあり、揺られることも安心して取り組める場。

表現や創作を真ん中に置くことで、やはりできる、という確信を持ちました。

 

またこのようなツアー要素のある鑑賞プログラムのお仕事をしたいです。

一人ひとりの体験(内観、表現、共有、交流、つながり)を意図して場をつくります。

お問い合わせはこちら

 

 

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Year-End Collage〜2017年をコラージュでふりかえる、ひらきました

年末または年始にひらいているコラージュの会。

peatix.com

 

今年でもう6年目になります。雑誌やチラシや写真、思い出の品、マスキングテープ、シールなどを切ったりちぎったり貼ったり。表現しているのは、今の自分であり、これまでの自分であり、これからの自分であり...。


作ったコラージュにより愛着が持てるように、あとから見返しても力をもらえるものになるように、なんとなくつらつらと一年間考えてこの日を迎えるのですが、今回は定番ワーク「マンダラート」を使って2017年をふりかえり、それを使った5分の語りを場に居合わせた人たちに聴いてもらいました。また作品を発表したあとはNVC(Non-Violent Communication)のNeeds Cardを使って、作品から受け取ったものを短い言葉にしてまた贈るという時間を持ちました。

 

進行メモ。
字きたないけど、どうしても手書きじゃないと体に入らない。メモは目安で、だいたいこの通りにはなりません。人数によって時間が変わったり割愛したりはしょっちゅうだし、別のことをやることも多いです。

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じっくりゆっくりふりかえってみて、「ああ、あなたはそんな一年を過ごしてきたんだねぇ。わたしきょうあなたに会えてよかった」という気持ちになりました。知っているようで知らない、知らないようで知っているその人のこと。悲しいことだけど、ふいにいなくなってしまうことがあるから、今会えていることに感謝を。精一杯生きているこの瞬間のあなたを、わたしたち知っているからね。また一年、一緒に生きてゆけますように。


雑誌を使うにあたって、これらを心血注いで作った人たちがいることに敬意を表し、「食べさせていただきます、循環させますからね」という気持ちで使いました。これはわたしに今までになかった考えで、急に立ち現れてきたのですが、これまでずいぶんと雑に扱ってきたものだと反省するところです。雑誌出版に携わる皆さま、いつもありがとうございます。


会場は歌舞伎座の真横にあって、あまりにも真横すぎて全体像がわからないという感じを楽しみながら、しばし自分の中へ、時間の中へ深く潜る旅をしました。ご一緒してくださった皆さま、一緒に開催してくれたよすぃ、ありがとうございました。


今回いらっしゃれなかったけれども年始に参加したいとお声くださっている方々がいらっしゃり(ありがとうございます!)、また告知いたします。


おまけ: おやつは築地の「まぐろ焼き」。たい焼きじゃなくてまぐろ焼き。中身はちゃんとあんこです。美味しかった。

 

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読書会の課題本の選び方

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読書会の作り方をテーマに何本か記事を書いてきました。

 

きょうは選書、本の選び方のお話です。

 

いろいろな型がある読書会の中でも、

  • 「事前読書型」課題本が設定されていて、事前に読書してきて、当日感想を話す
  • 「当日その場で読む型」当日その場で読んで感想を話す(そのままか...)

タイプの読書会を想定してます。

わたしがどのような基準で選書しているかというだけの話なので、もちろんこれが正解というものではありません。わたしも忘れていることがたくさんあると思いますが、今思いつく範囲でメモしておきます。

 

本を探索する前に姿勢として確認するのが、

  今の自分に、本を通じてみんなと旅をしたい気持ちがあるか 

 

これがないとわたしはうまく本が選べません。自分(たち)の好き嫌いや興味の有無「だけ」で決まっていないかを照らすためにも大切にしています。

 

次に具体的なチェック項目をみていきます。

  • 自分がその本に本当に興味関心があるか(当たり前っぽいけれども、あらためて問うてみるとそうでもなかったかも、ということもあります)
  • 参加者にとって入手が容易か(高価である、絶版で入手不可の場合は朗読するなどもあり)
  • 開催日までに読了できそうか(長編にチャレンジするときは特に十分な期間が設定されているかは重要)
  • 場の趣旨に合っているか
  • 場で分かち合えるものがあるか
  • 参加者一人ひとりが何か一言話せそうか(会の趣旨にもよりますが、わかる人にしかわからないのは避ける。ただ、専門家がいる場合でも、ルールの敷き方やファシリテーションによって独壇場にしないことは可能)
  • 多様な視点からの、多様な感想が生まれそうか(「力のある本」という言い方をよくします。楽しかったー怖かったーという単一の感情にのみ終始しそうなものは避ける)
  • 読後感が複雑か(自分の中で消化しきれないときに、人と感想を交わそうとする意欲が生まれる)
  • みんなが関心が持てそうなテーマか(自分では選ばないけれども、実は気になっていた、機会を逸していた、時期的・時代的に旬...などの反応が得られそうか)
  • 明らかに傷つく人が出なそうか(本自体では傷つかないかもしれなくても、感想を話す場で傷つく人が出そうなテーマや内容ではないか。セクシャリティ自死、性暴力、貧困、不妊治療、障害、災害、依存症、精神病、難病などなど、センシティブなテーマをダイレクトに扱っている場合は、あえてその場で取り上げる理由を考える。その本で話すと決めたら、話し方のルールをいつもより強めに敷く)※これらのテーマを考えたい場で選書する場合はこの基準は当たりません。
  • 読書会が終わったときに笑顔が見られそうか(単純に暗い、重いテーマかどうかではなく、「来てよかった、これについて話せてよかった」と言ってもらえそうか、そういう場になりそうかということです)
  • 予定している時間でおさまるか(あるいは、この本を取り上げることを優先した場合の日時の調整は可能か)

 

すでに本が決まっていて、「これを元にみんなで話したい!」という気持ちがわくというほうもよくあります。そのときもやはりその本が上記のチェック項目に当てはまっているかをザッと一通り確認します。

 

ついでに書いておくと、

  • 選んだ本は読書会の前日までには再読します。初回とは違い、読書会で取り上げるという前提で読み、読みこぼしているところがなかったかなるべく丁寧に読みます。自分が気になる箇所に付箋を貼り、通読後にザクっとした感想を7.5cm大の付箋に記しておきます。
  • どんな展開が起こり得るか、何パターンか想定します。そのときにどのようなファシリテーションができそうかもイメージします。
  • 参加者の顔ぶれを思い浮かべ、知っている人ならその人のこれまでの場での様子を思い浮かべつつ、同時にそれに対する固定イメージを排除し、はじめて出会うように当日場にいるイメージを持ちます。
  • 複数のプログラムを入れる場合は、時間配分をもう一度見直し、無理がないか再検討します。

 

本の感想を話すって、人のすごくナイーブなところに触れるものなので、慎重に配慮できるところは全部します。場所も重要です。ロケーションの話はまた別の機会に。

 

こうして準備してもしても、自分も含め、予想を超えたものを、人は表現物から受け取り場の相互作用で反応を出すので、あとはその場でファシリテートする自分を信じて託す、という感じです。

 

何かの参考になればうれしいです。

 

【募集】METライブビューイング「魔笛」を観てあーだこーだ語る会

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ことほぎラジオ第11話でも紹介したMETライブビューイングでモーツァルトのオペラ「魔笛」を観ます。METライブビューイングとは、NYのメトロポリタン歌劇場の公演録画を、字幕やインタビューやバックステージツアー付きで映画館のスクリーンで観るエンターテインメントです。

終わったあとは、映画館近くのカフェでランチしながら、みんなであーだこーだ感想を話します。

オペラがはじめての方も、共催のゆかこさんが予習サイトを作ってくださったので、それを読んで約3分の動画6本を聞き込んでいけば楽しめます。やはりオペラは音楽の芸術だから、音楽に馴染んでおくといいのですね。...というかご参加の方は必ず予習をお願いしてます。ここはあえてけっこう強めに申します!


ご予約はこちらから。ご参加お待ちしてますー!!

peatix.com

 

2017.11.26追記

前回「椿姫」で開催したときのせいこのレポート

hitotobi.hatenadiary.jp

 

前回「椿姫」で開催したときのゆかこさんのレポート

aktennotiz.jugem.jp

読み聞かせ(3年生・11月)

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きょうは息子の小学校で読み聞かせ。

 

『おじさんのかさ』
友だちの家にあって、わたしと息子で一度読み聞かせてもらったときのうれしさが残る本。こっちから読んでほしいー!というリクエストがあり、うんうん、こっちから読むつもりだったよー。この人実はおじさんじゃないんじゃない?という声があがって思わずにやり。導入にぴったりの、ゆっくりと穏やかな高揚を感じられる。

 

『とらとほしがき』
韓国の昔話。干し柿って馴染みないかなーと思ったけど、このまちの子ならいけるんじゃないかと出してみた。「時々『アイゴー』っていう言葉がでてきます、その意味はね」と説明して入ったら自分もすごく躍動感をもって読めた。途中からのスピード感も楽しい。長い昔話を楽しめるようになったんだなぁ。

 

こどもたち、きょうも一緒にわくわくしてくれてありがとう!