ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する場づくりを通して考えることなど。

人の場に参加して学ぶ!6/23場づくりゼミパート練習会のお誘い

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明日の場づくりゼミ最終回は、ゼミ生によるパート練習会です。

 

パート練習とは、ゼミ生が自分で催す予定の模擬的な場を合計20分で進行し、参加者役の方々は「その場に来た人」の体(てい)でいていただき、20分の時間が終わったのちに、フィードバックしたり、質問していただくものです。

 

この参加者役として【あと2名】来ていただけたらなぁと思っています。

 

見ていただきたいのは、練習役が「なぜこの場をひらいているのか」が語れているか、、安心安全な場を進行できているか、時間の管理はできているか、手順がわかりやすいか、などの態度やふるまいや流れやご自分の居心地のよさなどです。

 

練習を行うゼミ生に対しての貢献になるのはもちろんですが、参加される方にも場で起こるやり取りから学べることがたくさんあります。わたしも講評し、解説も適宜入れていきますし、全体でディスカッションする時間も持ちます。人の場に参加して学ぶといいのはわかるけれども、どういうことに意識を向けて参加すればよいのか?そのフラグが立つところではないかなと思います。

 

そして、場に参加した感想を、催している人と率直に話す、、特に意図を聞くとか、要望を伝えるなどはあまり機会がないかもしれません。参加する立場でもこんなふうに場にかかわれるのかもしれない、という参加の練習にもなるかも、という気もしてきました。

 

つまり、何かしらお持ち帰りいただけるものがあります!

 

練習役にとっても、全員を含む場としても、なるべく多様な視点、背景、経験からの発言が出るほうがよいので、定員の5名まで来てくださるといいなぁと思ってのお誘いです。

 

ご自分の場づくりのお悩み相談などもお持ち込みOKです。場づくりの経験の有無や多寡は重要ではなく、素朴な疑問や感想などが助けになり、全体の学びになります。少しでも「場」に関心のある方ならどなたでも大歓迎です!

 

今予定している場は、以下の3つです。場合によって2つになるかもしれません。
・自己紹介のZINEをつくろう
・韓国料理をつくろう
・チームの今後についてミーティングしよう

 

もしご都合とお気持ちが合えば(もちろん必要性と!)、ぜひご参加お待ちしております。
参加者役の受講料は通常より1,000円引の4,000円となっております。


詳細、お申し込みはこちら ↓ です。

bazukuri.peatix.com

 

お聞きになりたいことなどありましたら、こちらまでお気軽にお問い合わせください。

 

第2期 ↓ の下見としてもぜひ。

bazukuri-2nd.peatix.com

 

KLASS第2期「積読本をひらく読書会」お申し込み受付中です

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まちの教室KLASSの第2期でも、「積読本をひらく読書会」をひらきます。

 

ご参加の方には「積読本をひらく読書会のレシピ」がお土産でつきます。

「自分でも読書会やってみてくださいね」とよく場の終わりに話しますが、言うだけじゃなくて、こういうレシピがあったらいいかもな、とふと思いついて作ってみました。

今せっせと組み立てています。

 

読書会への参加をちょっとためらうという人も、積読本の読書会なら読んでいなくて当たり前なので、気軽にご参加いただけるかなぁと思います。

 

気になる積読本がある方、本にまつわるおしゃべりしたい方、積読行動の秘密に迫りたい方、場づくりゼミの下見に、などなど、最後の2つはマニアックですが笑、お待ちしておりまーす!

 

 

dokushokai-2nd.peatix.com

 

《募集中のKLASSの講座》

▼また行きたい!と思える場をつくるゼミ(単発参加OK!) 7/14(土), 7/28(土), 8/11(土), 8/25(土), 9/1(土)
http://bazukuri-2nd.peatix.com

▼節目につくる、自分の今とこれからを見つけるコラージュの会《秋分編》 9/23(日)
http://collage-2nd.peatix.com

 

 

《読書会をひらいてみたい方、ふりかえりたい方へのサポート》

▼個人セッション
企画、設計、案内文添削、現場にオブザーバー参加&フィードバックなど、場をつくるにあたって直面する様々なフェーズのコンサルティングやアドバイスを対面およびZoomでお受けしています。
http://hitotobi.strikingly.com/ (フォームよりお問い合わせください)

 

▼読書会のつくり方講座
ミニ読書会体験→解説→企画→講評で3時間。読書会ならではの場づくりに集中して取り組みます。「これだけ考えれば、とりあえず告知はできる」という状態でお帰りいただけます。対象、人数に応じカスタマイズ可能です。
http://hitotobi.strikingly.com/(フォームよりお問い合わせください)

 

 

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はじめての競技かるた@アカシデカフェ、ひらきました

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6/17、池尻大橋のアカシデカフェさんでの「はじめての競技かるた」の講座でした。カフェがあるのは、なんと知っている人は知っている、競技かるたの強豪校、駒場高校の隣!個人的に萌えるロケーションです。

 

店主さんと、とあるイベントでお会いしたときに、どこからその話になったのか、「わたし競技かるたをやっています」と言ったら、「ぜひ教えにきてほしい!」とお声がけくださったのです。

 

子どもが学校の授業や行事で百人一首を習って、漫画を読んだり映画を観たり、教本を買ってみたりしたけれど、なかなかその次の一歩、正式な競技かるたを教わる機会や場がない。かるた会を調べてみたけれど、近隣の会は定員いっぱいで新規入会を受け付けていない。大人も興味がある人は混じれて、もう少し気軽にはじめられて、ゆくゆくはここで定期的に部活のような場をひらけたら...とのことでした。

そこからかるた会へ入りたい子は入り、かるた会に入るほどじゃないけどやりたい子は来られる、なんて場になればなぁ...!などなど、打ち合わせで、「この先どうしていきたいか、という中での今回の場の位置付けをどうするか」のお話もきかせていただきました。

 

確かに百人一首の歌は知っていても、坊主めくりや散らし取りはやったことがあっても、競技かるたをほんとうに習ったことがある、という人はなかなかいません。華やかでカッコいいイメージはあるんだけど、でも競技かるたとは何なのか、何をしているのか、どういう世界なのかということは、実はあまり知らないという方がほとんどかと思います。

未経験者が知ることができる場がないんだよなぁ、この道でやっていくと決めないと知ることができないのはもったいないよなぁ...ということは、かるたCafeを定期開催しているときから思っていました。間のつなぎ、橋をかける場がない。もっともっと場ができるといいなぁ。わたしもこのような単発の講座をお届けすることで貢献できたらと思い、所属会の会長にもお話し、今回のお話をお受けしました。

 

 

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当日は親子で来られた方も含め8人満席でわいわいと行いました。

競技かるたを経験したことがない方が、自分の知っていることから少しずつ入れるように、見ている風景を想像しながら設計しました。前回の中央区の講座とは目的もテーマも対象者も違うのと、3月から今までに新たに勉強したことなどを加え、一から考えてみました。

 

前半は、「競技かるたと『百人一首』ってどう違うの?どこでできるの?級や大会とは?」という話からはじめ、「和歌の歴史、百人一首の成り立ちや構成、歌人百人一首が競技かるたに至るまでの歴史的変遷」のお話をしました。千年前の人々と今の自分たちとが歌を通してつながっていること、これからやる競技かるたもそのつながりの延長上にある、ということを感じてもらいました。

後半は、1時間ちょっと使って実技をしました。並べ方からはじまり、ルール、マナーなどを少しずつ説明しながら、決まり字の仕組みを説明し、短い方から枚数を限定し、暗記して狙って取る、暗記して狙って取る、を繰り返し、「相手より速く取れると楽しい!」を体感してもらうことを心がけました。

 

 

youtu.be

 

やってみてはじめて、

・狙っていた札が取れるとうれしい!・取れないと悔しい!
ちはやふるの太一のすごさがわかった
・畳は叩くんじゃなくて札を払っていたのか
・これを袴でやるのは大変
・本当にスポーツなんですね!
・人に対する礼儀や敬う心がある

などがわかったり、最後のほうには、

・決まり字の短い札は自分に近いところに置いたほうが有利では?
・そうか、同じ音の札は二枚並べたら速く取れるのか!

などに皆さんがどんどん気づいていく様子に、こちらもわくわくしました。

 

最後のふりかえりの時間では、

・負けて悔しかったので、かるた会のことなど調べてみて、競技かるたをやれる方法を考えてみたい
・歌の意味も知って、決まり字も覚えて、もっとかるたのことを知りたい
・最近家で百人一首をするのは飽きていたけれど、競技かるたを知ってまたやってみたいなと思った
・楽しかった!家に帰って子どもとやります!

などの感想が出ました。

 

かるたにはじめてふれた人が、みんなほんとうに楽しそうでキラキラしている様子は、いつ見てもぐっときます。そこに立ち合わせてもらっているのだなぁ。

 

自分で発見したほうがより喜びが深いし、体験として強く残ります。決まっていることと、大事なことだけ説明して、あとは展開していく中で、発見する喜びを持ってもらえるように願っていたのですが、やはり枠が信頼に足るものなら、自然と出てくるし、そしてさらにその発見の喜びに寄り添っていくと人は伸びていくのだなぁと実感しました。「講師」にできるのは、信頼に足る枠をつくるということなのかもしれない、ということも考えました。

 

今回のお仕事は、わたしにとって大切な存在である競技かるたをシェアできたこともうれしかったし、ひとつの世界への分け入り方を見せる、教える、講師としての場づくりが鍛えられたという側面も非常に大きかったです。

 

人間、身は一つで有限なので全部の道には分け入れない。分け入るかもしれない人のきっかけになれたらとてもうれしいけど、たとえ分け入らなくても、ちょっとその世界をのぞけて、自分の持つ何かと接続して対象をとらえられたら楽しいんじゃないか。そんなふうにこの日の競技かるたの体験を受け取っていただけたらうれしいです。

 

ご参加くださった皆さま、アカシデカフェさん、貴重な機会をありがとうございました。

 

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【KLASSの講座】また行きたい!と思える場をつくるゼミ(第3回)、ひらきました

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人が集まる場をつくりたい人や、運営している場をふりかえりたい人が、自分らしい場づくりをレクチャー、ワーク、参加者同士の対話を通じて考え、学び合うゼミ形式の講座です。

 

6月9日(土)に第3回を開講しました。
テーマは、「運営と事前事後の抑えどころ」。

今回もゼミ生の皆さんのおかげでとても充実した時間となりました。

 

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わたしが一番シェアしたかったこと、みんなで考えたかったことは、「場に集う人と人との間にどう信頼関係を生み育むか、安心・安全・健やかな場を何をして・何をしないことでつくるか」ということでした。

問いを立てて、具体的な行動やツールをみんなで出し合いました。

また、安心、安全、健やかさは、参加する人にとってだけでなく、場をつくる人にとっても非常に大切だということもお伝えしました。タフラブ(tough love)を持つ勇気、ファイアウォールを守人自身がつくる、人を人として扱う、子どもの同伴についての場のポリシーを定めるなど。

 

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人が集まれば起こることを想定して対策を立て仕組みにすることが、「準備7割」の中に含まれます。事後には、事前に計画し仮説を立てたこと、想定したことが実際にどのようであったか点検し、評価し、次につなげるふりかえりが大切です。一つひとつに裏付けや根拠があってはじめて、タスクリストを作成したり、スケジュールを組むことが意味を持ちます。

 

第1回から参加しているゼミ生は、回を重ねるごとにその人とつくる場が立体的になってきました。今回初めて参加するゼミ生にも「宿題」に取り組んでもらい、どんな場をつくりたいかを語ってもらいました。申し込み時点ではまだ具体性が薄くても、「場」という言葉にたどり着いている時点で、場づくりははじまっています。聴かれ問われ、様々な視点にふれることで形を取っていきます。その様子を目の当たりにすることで、他のゼミ生にも気づきが生まれます。

 

わたしのふりかえりとしては、ゼミは3割レクチャー+7割ディスカッションを目指して設計してきましたが、3回目にしてようやく相互的なよい形がつくれてきたように思います。また今回は、場づくりの本丸とも言える、今までで一番濃い時間となりました。今後の自分の仕事としても、「これだけ切り出した出張講座もできる!」という感触を得られたのはうれしかったです。

 

わたしだからシェアできる場づくりのあれこれがあるのかもしれないと、この仕事にますますやりがいを感じています。

 

次回のパート練習会も楽しみです!

 

\【参加者役募集】6/23(土)パート練習会/
ゼミ生が模擬的にひらく場の参加者役になり、フィードバックや質問をしてみませんか。これからつくる方、運営中でふりかえりたい方にとって、つくりの観察やディスカッションを通じて得るものは多いです。http://klass.hagiso.jp/class/bazukuri/

 

 

 

KLASSの第2期の受付もはじまっています。気になる方ぜひ!

5回のいずれも単発参加ウェルカムです。
7/14、7/28、8/11、8/25、9/1 (いずれも土曜日10:00-12:30)

bazukuri-2nd.peatix.com

 

 

 

おまけ。講座では毎回お菓子をお出ししています。こちらは谷中にある和菓子屋「荻野」さんのもの。あじさいをイメージしたお菓子です。美味しかった!

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KLASSで開催していてありがたいところは、たくさんたくさんあるんですが、今回つくづく感じたのは、写真を撮ってくださる方がいることだなぁ!

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明るくて開放的なKLASSの空間。ゼミ生が自分の場をKLASSでやりたいという動きもあって、こういうつながりや拡がりはとてもうれしいです。

レンタルについては>KLASS | スペースマーケット

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家族のごはんをつくる人の食と農の話

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日本農業経営大学校小野ゼミによるグループインタビューに参加してきた。

小野ゼミの講師・小野さんとわたしは、直接つるんだことはないのだけど、共通の友人が多かったり、界隈でチラチラお会いしたり、わたしがひらく場づくり系の勉強会などに以前からちょいちょい来てくださっている。しゃべっても書いても、独特の視点、独特の味わいをお持ちで、気になる方だ。いつもはオノフミさんと呼んでいるので、以下オノフミさんと書く。

オノフミさんが専任講師を務める学校の、担当ゼミの活動の一環としてのグループインタビューだった。テーマは、「子育て中の女性に聞く〜ふだんの食と農」。

 

参加した学生さん8人はそれぞれ、「実家の農家を継ぎます」とか、「『非農家』だけれど農業に関心があり『就農』します」とか、そういう学校だから当たり前なのだが、農業に関係ある自己紹介をしてくださって、世界を農業フィルターで見ている人たちが集まっていることとか、聞き慣れない業界用語が交わされることに、わたしは冒頭から密かに(萌え.....)となっていた。

 

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「都会の主婦のお話を聞くのは貴重な機会」との言葉に、そんな大げさな…と思っていたけど、いざインタビューに答えて話しはじめると、わぁ確かにあたし都会の主婦だわって思ってきた。食材の入手経路から選択基準から優先順位から…、もうそのものやん…。

 

朝昼晩三食食べたものの写真を撮って事前に送るところからまず、これはライフログだ!すごくおもしろい!と思った。リアル「きのう何食べた?」だ。わたしは仕事以外ではあまり食べ物の写真を撮らないし、たまに撮ってもあまり人に見せないので、それも新鮮だった。しかも、たまたま大量にいただいたソーセージが皿に盛ってあったりして、特に何も考えずに食卓に並べている「いつも」と「偶然」が、撮るとはっきりと写り込んでいるのがおもしろかった。

 

これは朝ごはん。

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他の方の写真や話も、聴いていくとその人ならではの背景があり、興味深かった。

日本のどこのどういう歴史と文化のある地方で、原家族とのどんな食生活の中で育ってきて、ライフイベントと共にどう変化があって、どんな人や地域や食べ物との出会いがあって、どんな調理法や道具を知って、今どういう仕事や時間の使い方をしていて、誰とどんな関係性や分担の中で暮らしていて、何人何歳の子どもがいて、何が好き・食べられて、何が嫌い・食べられないか…などなど、同じ「子育て中の女性」で切っても、全然違う。比較や評価なんてまったく意味がない。すべてがその人による、その子によるので、「普通はこう」とか「何が一番優れてるか」って話ではない。食べる人の行動とその背景を聞きたいというのが主目的だから、場がそこからブレてなくてよかった。料理の上手/下手とか丁寧/雑みたいな話になったら、とてもじゃないけど場にいられなかったと思う。

 

なるほどそれは便利だから参考にしたいと思うこともあったり。

うちは数量的にはわたしとわたしの3/4くらいしか食べない息子のごはんだけ考えればいいけど、家族4人とか5人とかのごはんを考える人はほんといろんなことを考えてつくらないといけないんだなぁ!と尊敬したり。

 

自分ではあんまり食にこだわりはないと思っていたのだが、話してみたらむちゃくちゃこだわり強いやん!てことにも気づいた。4月から5月にかけて取り組んでいた大片付けのあとに性別役割分業からの真の解放があったのだが、さらにこの客観視できたインタビューのおかげで、今、気分はとっても晴れやか。

 

インタビューのテーマのうち、「レタス」と「しいたけ」は、ひとつの食材について、こんなに一生懸命考えたり、人と話したことがなかったので非常におもしろかった。わたしはどちらもあまり買わない。そこから、「なぜか?」を掘っていく。日常会話では、好き嫌いまでは話しても、「なぜ?」まで行かないから、その先に行けるのは楽しい。種類や特徴や用途について聞いたり話したりするのも楽しい。

 

今年の後半は食のほうへ「旅」をするつもりなので、自分自身の食の場づくりのヒントもいただき、大満足だった。

 

オノフミさん、学生さん、日々家族のごはんをつくってる皆様、ありがとうございました!

リサイクル本コーナーで掘り出し物

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公立図書館に行くと、「きょうかえってきた本」と同じぐらい、「リサイクル本」のブックトラックを物色するのが好きだ。たまに、ここでしか会えへんかったわ〜というような本が見つかったりする。

 

先日、リサイクル本の山の中から見つけたこの本、「めぐろシティカレッジ叢書8 川からひろがる世界」。

川のほとりで生まれ育ったわたし、川好きとしては、ぐっとくるタイトル、表紙だ。

 

川に支えられた日本の物資流動、河川の地形学入門、日本の灌漑システムと稲作、川と電気事業、川の癒しと地域の観光(ドイツを例として)、セーヌの流れに育まれたパリ(世界都市の文化はいかに生まれてきたか)、世界文明の礎をつくったティグリス川とユーフラテス川...などなど、川をテーマに、小学校の学習科目で言えば、「社会」にあたるような話がいろんな著者によって書かれていて、はじめて知ることも多くて楽しい。知っていたつもりのことも、その隣(影響しあうもの)やその奥(背景や要因)がわかって、へー!と思ったり、じゃああれももしかして関係あるのかも?と自分の体系とつなぎたい欲求が出てくるとわくわくする。

 

内容としては、論文と社会の副読本の間のような難易度で、でも「川のことでこれは言いたい!」という熱が持ち寄られて編んであるところが、専門家同士がつくっているZINEのような楽しさや賑わいも感じる。

 

そう思ってあとがきを読んでみると、この編者の方自身が、大学在学中に受けた「川の流れ」という講義が忘れがたく、それが叢書の構想の土台にあった、というエピソードが出てくる。

“この講義はオムニバス形式で行われ、「川の流れ」が文系や理系の切り口に限らず、さまざまな先生によって毎回異なる切り口で説明された。すべての講義内容を記憶しているわけではないが、地理学では河川地形の発達史や水文学水収支論が、歴史学では水運や河岸の経済史が、哲学では川向こうや彼岸の思想が、物理学では流体力学が講義され、それら以外にも民俗学や生物学、あるいは政治学社会学などからの説明があり、どの授業も興味深いものであった。” (おわりに/菊地俊夫)

 

...そ、その講義ものすごくおもしろそう......。わたしも受けたい!

 

そして偶然だけれど、ちょうどことほぎ研究室で、7月からまちの教室KLASSで講座「ことほぎクッキングレポート」をひらくことになり、そこでめざしていることとも重なるような気がする。

kotohogicooking.peatix.com

 

 

もう一度表紙を眺めてみて、そういえば「めぐろシティカレッジ」ってなんだろうと思い、本をパラパラめくってみたが、まったく情報がない。ネットで検索してみたところ、目黒区で開講されていた(いる?)区民講座らしい。発足のきっかけが、都立大学が目黒区から八王子市へ移転したこととあったりして、なんだかおもしろい。

 

わたしは人が集って本を紹介しあう場(読書会)を日頃ひらいている。だからこそ余計にそう感じるのかもしれないが、こういうおすすめする意図で置かれているわけではない本に、自分だけの掘り出し物を発見するのはとても楽しい。

 

映画「レディ・バード」がよかった話


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*鑑賞行動に影響のある内容(いわゆるネタバレ)が含まれています。未見の方はご注意ください*

 

 

 

6/1公開の映画「レディ・バード」を観てきた。

 

よかった。登場人物たちがみんな、設定ではない人生を生きていて。

赤い髪の女の子が主人公といえば、「ラン・ローラ・ラン」がわたしの中で一等キュートだけど、レディ・バードはまた違うキュートさ。嘘もつくんだけど、誠実さとか愛情豊かな人で、彼女なりの思春期の切実さからであって、気まぐれに大声でわめいたり、ただはちゃめちゃなわけじゃない。気持ちを、意思を言葉で伝えている。応援したくなる感じ。ポーッとなったりもするけれど、基本自分を大事にしていて、ちゃんと境界も守れるから安心して見ていられる。

 

英語の気持ちを伝える言葉ってシンプルでストレートでいいなぁってあらためて思った。日本語だとバリエーションが星の数ほどあって、そこが分厚さや奥行きを伝えることもあるけど、まるで意味が通じてないときもある気がして。人が違っても「そのフレーズ」は一緒なところが、ちょっと羨ましくなった。

 

監督・脚本のグレタ・ガーウィグの「フランシス・ハ」は去年DVDで観て、なんだかぐったりしちゃって、たぶん20年前だったらどハマリしてそうだけど、今のわたしはそうではなかった。「あー、あたし人の親でもあるんだなぁ、いったん親になったら一生親なんだなぁ」と思った、そのとき。

 

リチャード・リンクレーターの「6歳のボクが大人になるまで」もめっちゃ好きだけど、その大部分はパトリシア・アークエットの母親役に共感していたりする。(パトリシアの俳優人生と自分の映画人生とがリンクするっていうのもあるけど)

だからきょうもやっぱりまずは母親が気になった。

そして次に、思春期バンザイ!!ってきた感じ。

 

その他、「プロムには恋人と行く」に代表されるこの「カップル文化」って辛いなぁとか、銃乱射事件、鬱、離婚、ステップファミリー、セクシャル・マイノリティ、カトリック性教育、学費、就職、養子縁組、人種、都会と田舎...などなど、たくさんの小さな筋が集まって本流の物語を支えているので、あーだこーだ話していたら、2時間ぐらいあっという間に経ってしまいそうだ。