ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

《レポート》あのころのいじめとわたしに会いにいく読書会@Umiのいえ(第2回)

先日横浜にていじめテーマの読書会をひらきました。
Umiのいえのスタッフ・さとみさんが素晴らしいレポートを書いてくださっていますので、ぜひお読みいただきたいです。
 
 
わたしは課題小説『かかしの旅』を準備のためにもう何回も読んでいますが、今回のみなさんと場で読んでみて、15歳の少年の、大人びた面と子どもの面での揺れ動き、強さと弱さ、諦念と信念、脆さと確かさ...いろいろな面を発見しました。
 
見つめていると、自分の中にもある、かつてあったあの感情がチラチラと動きます。「急に思い出したことがある!」と話してくださった方もいらっしゃいました。
被害であれ、加害であり、観衆であれ、傍観であれ、紐づいている記憶が必ずある。
それが思い出そうとしたのではなく、思い出された。
思い出してもらいたがっていた「あのころのわたし」がいたのではないか、と思われるようなエピソードでした。
 
また、今は子の親として、大人としての立場から読むわたしたちにとって、この子に、この子たちに、この場に今ならどんなことができるのだろうかと、やはり考えることにもなります。
 
文部科学省の調査では、2018年度の全国の国公私立小中学校・高校・特別支援学校でのいじめの認知件数は、これまでで最多の54万3933件だったそうです。自ら命を絶つ子どもも前年度から82人増え、332人。(関連記事
 
こちらの小説がおさめられているアンソロジー集『いじめの時間』は、1997年に出た本なのですが、いじめの発生の仕方やジェンダーの描き方などに時代の投影を感じる部分が少なからずあることに、参加者からご指摘いただき、ハッとしました。
今読むとそれは大きな偏見、偏った見方になります。
ある部分では普遍を描いているのですが、限界もありました。
もう少し今の現状......例えばインターネットやセクシャルマイノリティ、"定型"でない家族など、を取り入れたような作品を、次回は選ぼうかと考えています。
 

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進め方は、前回と同様、わたしのほうで物語の冒頭を紹介したあと、みなさんに担当を割り振って、3〜5ページ程度を精読して、要約してもらい、その後感想を口にしながら進めて行きました。
 
予告はしていたものの、このような「要約して発表する」やり方に緊張を覚えた方もいたかと思います。それでも、あえて「ハードル」を設けたのは、いじめ、すなわち暴力という大きなテーマの山を登り、さらに「あのころの自分」にも会いに行くためには、物語に深いコミットメントをする必要があるからです。
 
また、一人ひとり見えている景色の違いのようなものを、より強く擬似的に体験してみたかったからです。視野の重なりの中で浮かび上がってくる事実や、語られなかった人々の行動や感情を想像することで、物語とのより深い領域での接続を試みました。
 
自分の与えられた視野(情報・ページ)しか見えない、他の人に伝えなければならない、他の人の読んだ箇所を一所懸命に聞かなければならないからこそ、出てくる何かに期待していました。
 
「精読」を大学などの高等教育の時代まではしていた方も、一度学問の場から遠ざかってしまうと、なかなか日常で行う機会はありません。その感覚をたまに取り戻してみると、まだまだ自分はストレッチ可能。まだまだ使っていない領域があります。
そこを格闘してみることに価値があります。
 

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今回は、物語を理解するツールとして、人物関係と時間経過を図に描いて持ってお渡ししました。

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内容や物語を辿りながら、自分の今動いている感情や過去の経験にアクセスしながら言葉を紡いでいく時間。
場での体験が深いもの(「深刻」ではない)であればあるほど、日常に持ち帰るものも多くなります。場から出る瞬間に、少し座標が変わっていてほしい。見える景色が少し変わっていてほしい。ここでの体験が、めいめいが日常を生きる力になれば。
 
そんなことを願いながら、いつも場をひらいています。
 

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わたしの願い、星のように天高くにきらめく願いとしては、「この世界から暴力をなくしていきたい」ということがあります。
けれども、場の中で「暴力をなくしましょう」や「どうしたらいじめを減らせるか」や「なぜいじめが起こるのか考えよう」というような、ある意味「わかりやすい」ベクトルは持ち込みません。
それを出した途端に、自分事でなくなってしまうからです。
 
スローガンを声高に叫ぶよりも、ひとつの表現、ひとつの作品にふれ、作品を理解しようとし、他者と対話をしながら、自分の感情や記憶や知見を言葉にする、自分を主語にする。
わたしはこう思った、こう感じた、こう考えた、これを思い出した。「わたしは」。
それとはまた全く違うことが、「あなた」にも起こっている。
それを聴き、語りとしているうちに、ようやく自分事になり得る。
 
素朴な感想を話す。
感想を積み重ねながら、知識や知恵や情報を取り入れながら、次第に願望や意見や信念が形を取っていく。
 
段階が必要だと考えています。
 
 
この人間が抱えるテーマについて、広く人々に考えてほしい・議論をしてほしいというときに、鑑賞対話の場が貢献できることがあります。
 
読書会もそのような鑑賞対話の場のひとつです。
 
 
 
わたしの定義では、読書会とは「個人の読書経験を共有する場の総称」です。
しつらえ方や進め方、具体的にすることは、場をひらく人(主催者やファシリテーター)により異なります。
・どのようなテーマと問いを置くか
・どのような作品を選ぶか
・どこでひらくか
・だれを対象にするか
・どのような準備をするか.....など。
詳しくは、『読書会のつくり方』と題して、いずれ書籍の形でまとめたいと思います。
 
 
 
今回の読書会にご参加くださった方、ご関心をお寄せくださった方、
ありがとうございました!
 
次回のUmiのいえでの読書会は、2020年2月8日(土)10:00-12:30です。
課題本が変わります。ただいま鋭意選書中。
★お申し込みは開始してます。https://coubic.com/uminoie/979560

 

Umiのいえでは、爽やかな集中感 競技かるた体験会 もひらいています。
頭だけでなく心だけでなく、身体全体で百人一首を鑑賞します。
未経験者向けの会です。ぜひ一度いらしてください。次回1月は冬の歌を中心に。

coubic.com

 

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映画、本、舞台、展覧会...等、
鑑賞対話ファシリテーションのお仕事を承っております。お気軽にお問い合わせください。

 

Information

募集中のイベント
▼2019年12月22日(土) 2019冬至のコラージュの会
https://collage2019toji.peatix.com/  (練馬)

▼2019年12月27日(金) 映画『ディリリとパリの時間旅行』でゆるっと話そう 
http://chupki.jpn.org/archives/4982  (田端)

▼2020年1月8日(水) 爽やかな集中感 競技かるた体験会
https://coubic.com/uminoie/174356 (横浜)

 

鑑賞対話ファシリテーション(グループ・団体向け)

・表現物の価値を広めたい、共有したい、遺したい業界団体、
 教育や啓発を促したい、活動テーマをお持ちのNPO団体からのご依頼で、表現物の鑑賞対話の場を企画・設計・進行します。
・鑑賞会、上映会、読書会、勉強会などのイベントやワークショップにより、作品や題材を元に、鑑賞者同士が対話を通して学ぶ場をつくります。

https://seikofunanokawa.com/service-menu/kansho-taiwa-facilitation/

 

場づくりコンサルティング(個人セッション)

・読書会、学ぶ会、上映会、シェア会、愛好会...などのイベントや講座。
・企画・設計・進行・宣伝のご相談のります。
・Zoom または 東京都内で対面
・30分¥5,500、60分 ¥11,000(税込)
・募集文の添削やフィードバック、ふりかえりの壁打ち相手にもどうぞ。

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《レポート》11/22 『おいしい家族』でゆるっと話そう@シネマ・チュプキ・タバタ

「ゆるっと話そう」は、シネマ・チュプキ・タバタで映画が終わってからの45分間の小さな場。月に1度、作品を選んでひらいています。

観た人同士でちょこっと話していくだけで、鑑賞体験がこんなに楽しく深くなるんだ!という、リアルの場で、しかも安心安全な場の中で感想を語ることの良さを体験をしていただいています。

また劇場にとっては、
感想を話せる場があるのなら足を運んでみようかな!と思うお客さんを増やし、ファンを増やし、コミュニティを育てる機能にもなります。(詳細は舟之川聖子公式サイトへ)

 

さて、第6回となる11月は、映画『おいしい家族』でゆるっと話そうでした。

chupki.jpn.org

 


参加してくださったのは5名の方々。

ふくだももこ監督の大ファンの方、聴覚障害で字幕付きの映画をかけている映画館があると聞いて来た方、イベントでふくだももこ監督のトークを聞いてぜひ映画を観てみたくてという赤ちゃん連れの方、など、とってもチュプキらしい顔ぶれになりました。

 

というのも。シネマ・チュプキ・タバタは日本で初めてのユニバーサル・シアター。

chupki.jpn.org

聴覚障害のある方には字幕、視覚障害のある方には音声ガイド、小さなお子さん連れの方には個室の親子鑑賞室、車椅子の方には車椅子スペース...とどんな人とも一緒に映画を楽しむことができるのです。



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わたしは、聴覚障害の方と筆談以外でお話するのがはじめてだったのですが、UDトークという便利なツールを使って、とてもスムーズに進みました。
これはほんとびっくり!楽しかった!

発語される方だったので、ご自身の感想も問題なく聞き取れましたし、こちらの微妙な表情の変化を読んでくださるので、ついつい普通に振舞ってしまいましたが、そのぐらい、ごくフツーでした。

横浜のジャック&ベティでときどき手話弁士さんのガイドが入る上映があるということもおっしゃってました。でもそれと専用字幕で観るのはまた違う体験だったとのこと。

 


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感想をうかがっていくと、

・ふくだももこ監督の魅力

LGBT?!名前をつけることの意味のなさについて

・家族が、家族の関係が変化していくことについて

・主人公の橙花を演じた松本穂香さんについて

・橙花なにがターニングポイントだったんだろう、なにが足りなかったんだろう

・映画をみて思い出した自分のこと

・これからの自分の家族関係のこと、暮らす場所のこと

小説版もぜひ読んでほしい!言えないけどエンディングが...!!

などなど、続々と出てきました。

わたしも、自分の離婚の経験や、劇中の食べ物が気になった話などをしました。

 

一人ひとりたくさん話したいことを持っていたけれど、一人がずーっと話しっぱなしということもなくて。

持ち寄りながらお互いに影響を与え合い、少しずつ言葉になってふくらんでいった感じがありました。

雨の降る寒い日でしたが、温かい気持ちでいっぱいになりました。

 

「今ここで話はじめたらどんどん出てきたけれど、帰り道や後日にもきっと、"あれも話したかった"、"これもあった"と思いそう」という感想をいただきました。

ほんとそうなんですよー。活性化される。

いつも願っているとおり、映画鑑賞がもっと深く広く豊かになる「体験の時間」をご提供できたかなと思います。

 

スタッフさんも「(わたしが映画を観て)グッときたところ、この感じなんだろう?というところをみなさんが言語化してくれて泣きそうになりました〜」
と感想をくださいました。

 

じ〜ん、うれしい^^

 

ご参加くださった方、ご関心をお寄せくださった方、ありがとうございました!

 

 

そういえば、11月22日は、「いい夫婦の日」でした^^

佳き日に開催できて、それもよかったです。

 

 

次回は、12月27日(金)第7回『ディリリとパリの時間旅行』でゆるっと話そう、です。終映後、チュプキ2Fのスペースで行います。どうぞご予定くださいね♪

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映画『判決、ふたつの希望』鑑賞記録

映画『判決、ふたつの希望』を観た。

原題"The Insult"

侮辱。

 

 

longride.jp


 

2017年の公開当時は観られなかったけれど、ずっと気になっていた。

ようやく観るタイミングになった。

 

レバノン史上初、アカデミー賞外国語映画賞ノミネート!
タランティーノ監督の元で修業を積んだレバノン出身監督による
ふたりの男のささいな諍いが、国を揺るがす法廷争いを巻き起こす感動の法廷ドラマ
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

 

と聞くと何か、簡略化されていたり、過剰にドラマ部分が盛られすぎていたり、善悪が明確にされてしまっているのだろうか、と身構える部分が少なからずあったのだけれど、全体の印象としては、なんとも見事なストーリーテリングだった。

シーンやセリフで説明しすぎず、俳優の演技で伝えつつ、コンテクストを共有していないわたしたちにも、前知識があまりなくても入っていけるように仕立ててくれている。

物語のための設定ではなく、一人ひとりの登場人物が、その人の人生を生きている映画であるところがよかった。

 

物語の進行を通して見えてくる彼の国の事情。裁判という装置を中に入れたことで、どちら側からの景色も見える。誰かに肩入れすることもない。

一つの国民、一つの民族、一つの宗教であっても、一枚岩ではない。
一人ひとりの思想や思いは一人ひとりのものだ、という複雑さもリアリティがある。

 

 

もちろん現実とどのぐらい同じか、どのぐらい違うかはわからない。

このわからなさを持ったまま、けれども観続けることができる、というところが大切だ。

 

中東の歴史は要素があまりにも多く複雑で、また刻々と変化していくので、体系立てながら、現状を理解することが難しいことのひとつだと思う。

自国の政治でさえ難しいのに、他国の、それも宗教や民族が入り乱れた地域での、日本にまでニュースが届かない、届いていても積極的に取りに行かなくては目にすることもないようなこともたくさんある。

すべてを理解することはできないが、たまたま自分がそのとき出会ったもの、自分が関心を持った入口から、少しずつ知っていってもいいという気持ちになった。あらためて。

天然資源の少ない日本は、中東に依存している。だから知るということでもよい。

あるいは既に今起こっているわたしたちの国の中の分断について考えることもできる。

宗教や民族、言語や文化や風習、世代の違いを持ちながらも、どのように政治レベルで市民レベルで社会的に包摂していくのか、痛みの歴史をどう捉えるのか伝えるのか、どう共生していくのか。。

 

謝罪とは。

裁くとは。

赦すとは。

 

 


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これまでに観たいくつかの印象的な分断と共生を模索する映画についても思い出した。

プロミス」(2001年 パレスチナイスラエルの子供達の交流を描く)

ナッシング・パーソナル」(1995年 北アイルランドベルファストを舞台にした抗争を、プロテスタントユニオニストのテロリストの側から描く)

バベルの学校」(2013年 パリの中学校を舞台に20の国籍、24人の生徒の物語を描くドキュメンタリー)

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テーマは常に同じ。

すべての人間に起こり得る普遍的なことを、映画という表現形式のおかげで観ている時間だけでも真摯に見つめることができる。

 

わたしたちは深い根源的な望みでは共感しあえることを知っている。
だから新たな傷が生まないこともできる。
傷が生まれたあともわたしたちは生きている限り回復できる。

 

人間として尊厳をもって生きる。

他の人間と共に生きる。

 

大切なことを、静かに丁寧に語りたくなる映画。

 

 

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12月のEテレ[100分de名著]は『カラマーゾフの兄弟』

きょうは100分de名著のご紹介です。

www.nhk.or.jp

 

前々から好きだった番組ですが、今年の春頃から急にわたしの人生のテーマにガンガンと食い入ってくるようになりました。
そのときそのときで自分が必要としているものを見せてくれるものだから、欠かさず録画予約して観るようになりました。

 

特に、

平家物語

小松左京スペシャ

戦争論/カイヨワ

・燃え上がる緑の木/大江健三郎

善の研究西田幾多郎

に非常に影響を受けました。

 

●●●

 

100分de名著は毎回25分の番組を週に1回、全4回で放映する番組です。

その月その月のテーマになる名著を

・番組を進行するパーソナリティと、
・視聴者の代弁およびタレント(才能)からコメントするパーソナリティと、
・ゲストの先生

三者が、

・何故これが名著なのか、
・どんな人がどんな時代背景の中で書いたのか、
・どこからどのように読めばいいか、
そして何より大切な、
・今これを読むことがわたしたちにとってどのような意味があるのか、
を段階を追って考えるようにしてくれています。

とても構成的でありながら、あくまでも自然な流れの中で、それを考えさせてもらえる。

 

次の回までの1週間をその問いと共に生きる、というサイクルもとてもよい。

録り貯めて一気に観るのもいいけれど、

これはなるべくリアルタイムで放映から近い時期に観るのがおすすめです。

こういうのが、地上波TV放映の贅沢な使い方だろうなぁ、と最近思います。

あえて時間を節約せず、「不便さ」を自分の生活に敷いてみるような。

 

単なる解説番組ではなく、根拠なき感想だけの放談でもなく。

原文を辿りながら、事実、知識、知見を取り入れながら、感じたことを交わしながら、進めていく。

ゲストの先生にもよるけれども、パーソナリティのコメントに、「お、それはいいですね、なるほどーその解釈はすごい」などと、素直に反応している先生はとても好感がもてる。その場で対話が生成されているという感じ。(わたしの好きな小野正嗣先生の回だったんですけど^^)


原作から派生した、しかし確立された一個の「100分de名著という表現形式」という感じ。鑑賞した満足感がすごいです。

 

わたしの鑑賞対話の場のひとつの理想の形。いや、理想の形のうちのひとつ、かな。

 

●●●

 

9月にNHKカルチャー青山の"『100分de名著』特別講座『平家物語』と『モモ』をつなぐ"という講座に参加したときに、プロデューサーの秋満さんの番組づくりのお話なども少しうかがえて、ますます番組のファンになりました。

 ↑ リプライツリーも展開して読んでみてください。安田登さんの講座なだけに(ご存知の方はお分かりいただけるのではないかと思うけれども!)、言語化しづらいおもしろさてんこ盛りの会でした。

 


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さて、わたしにとってのそんな100分de名著、
ついに来月12月はカラマーゾフの兄弟!!

略して「カラ兄」。

 

わたくし、過去にこの名著にトライすること実に5回。
いずれも道半ばで行き倒れました。。
村上春樹の読者界隈ではよく話題になるカラ兄。
海辺のカフカのあとの『少年カフカ』という読者とのやり取りをまとめた書籍でもカラ兄だけでどんだけ盛り上がんねん!これは今度こそ完読を!!と試みたんですが、このときもだめだった。新訳でも挫折、、

 
当時は、人物の発言や行動が「理解」「共感」がしづらいところがあって、この人たち一体どうなるんだろう、という興味が持続しないというところがありました。気性が激しいんですよね、どなたも。そのあたりもしんどいところだったり。
ロシアならではの一人で複数の呼び方を持っていたり、人物関係も複雑。。
 
でもガルシア=マルケスの『百年の孤独』は読めたから(比べていいのかわからないけど)、なにかきっかけがあればおもしろく読めるはずだ、という確信だけはある。
 
しかも、100分de名著が導いてくれたら、今度こそ行けるような気がする。
しかも、ゲストで解説してくださる先生は、訳者の亀山郁夫さんです。間違いない!
よし、少しでも予習をするぜ!と思ったら、家にあったカラ兄をわたし、いつのまにか売り払っていました。。
 
まずは観るところから。
テキストも買います^^
 
 
 
さらにツイッターを眺めていたら、人名一覧を作っていた方がいました。

 

 人物相関図も!ありがたいなー!
 
●●●
 
いつの日か、『カラマーゾフの兄弟』の読書会の鑑賞対話ファシリテーションを務めたいです^^
 
 
 

 

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漫画『生理ちゃん』を語り合う読書会、ひらきました

11月19日、豪徳寺の赤ちゃん用品と本のお店・Maar(マール)さんで、
漫画『生理ちゃん』を語り合う読書会をひらきました。

 

こんなご案内を出しました。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

Maarさん手書きのチラシ♡  タイトル横の子は「店長の生理ちゃん」だそう!!

f:id:hitotobi:20191120113245j:image

 

当日はわたし、Maarさんと、他に4名の方が来てくださいました。

お茶とお菓子をいただきながら、話題が尽きない時間となりました。

 

なんといっても、『生理ちゃん』という作品のもつパワーがすごい。
本気で読むと一話一話の世界観に圧倒されます。

性の別を行き来するだけでも広いのに、時間のスケールと地理のスケールがすごい。
その絵柄や描線のように軽々と超えてしまいます。

 

最初わたしは生理の症状のことについて延々と語られていくのかな、とイメージしていましたが、全然そういうものではなかった。
いくつもの世代、過去や未来の時代を超える話、
制度や因習や構造の話、
今まさに社会の問題として浮き彫りになっている話...。

でも、どの話にも課題と希望とがあり、愛がある。そこが素晴らしいのです。

 

主人公が回復したり解決する力を自分自身がもっていることに気づくこと。
それを生理ちゃんがそっと応援し支えてくれている。

ああ、そうか、生理を「やり過ごす」ものだと思っていたけれど、わたしの大切なパートナーだったわね...と生理がある人は気づくのでした。

本人でさえ見逃しているような、ささやかな面倒くさやしんどさ、心の揺れ動きを表現してくれています。あるあるなのに、一般化も矮小化もされない。貶めないし、哀れんでもいない、わかろうとしすぎない、わかっているふりもしない。

小山健さんの取材がすごい!という話題も出ました。

 

もちろん手放しで賞賛するだけではなく、『生理ちゃん』で今後ぜひ扱ってほしいものもでてきました。

「性欲くん」や「童貞くん」の描き方、もっといろいろ読みたい。生理ちゃんみたいに応援し支えてくれる存在が男性にとっても必要だと思う。男性にとっての性や生理の話が、男性同士の関係性を歪にしたり不健全にしない方向があるのでは。個別性がもっとあるのでは。男性が自己嫌悪に向かわないような、つまり自分が男性であることを嫌悪しないような。

生理痛があって仕方がないのではなく、生活習慣の延長として生理痛が重くなっている可能性もある。養生についてもふれられたら。鎮痛剤を飲んで一発OKというだけではない身体との付き合い方がある。そもそも鎮痛剤が効かない人もいる。

 

 

とはいえ、単行本でいえば「2日目」やウェブ連載の16話あたりからは、メッセージが強く打ち出されていて、一つ一つにずっしりとしたテーマがあるので、「ああ、生理にまつわることでは、そういう視点もあった、そういうテーマも、そういうエピソードも、自分の中にあった」ことに気づかされます。

このページ数とは思えない濃さ、ほんとうにこれからも応援したい連載です。

 

あら、結局はベタ褒めになりますね!!!!笑

 

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生理と現役で付き合っている方も、付き合っていない方も、
男性も女性もどんな性の方も、セクシャリティジェンダーかかわらず、
この作品の感想を語りたいと願い、なるべく偏りない進行を心がけました。

誰かが言っていた話、どこかで聞いた話でなく、「わたしは」を主語に実感や主観の話をすること。そして、作品からインスピレーションを受けて展開していくことと、作品自体に描かれていることの感想や解釈とをバランスよい進行も目指しました。

...が、実際はどうだったでしょうか。


場にいたわたしの感触としては、
「わたしには理解し得ないことがある」
「これがほんとうに最善なのだろうか」
と揺れながら人と生きていくことについて考えました。

その実践が、「場をつくること」と言えるのかもしれない。

 

ご参加くださった方、ご関心をお寄せくださった方、ありがとうございました。

 

Maarさんもレポートを書いてくださいました。ありがとうございます^^
今回Maarさんとよいタイミングで再会でき、こうして場所と人とつながった、文脈を大切にした場をひらけたことがとてもうれしいです。
お互い、それぞれに、また新たな物語がはじまることを確信しています。

akachantoissyo.wordpress.com

 


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わたしも自分の生理ちゃん描いてみた。なぜか小顔、サスペンダー。

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『生理ちゃん』はウェブで全作読めます!

omocoro.jp

 

単行本を買ってまとめて読むこともできます。
カバー裏にお楽しみがあります。えらべる♡

 

 

こちらも生理について知るための本。

『アイドルと生理ちゃん』に関連してご紹介しました。
女性アスリート自身、サポートをしている人はもちろん、アスリートでなくても生理について学べる本。もうすぐ娘さんが初潮を迎えるという方にもおすすめしました。

 

映画の興行のほうは2〜3週の短期間で公開終了してしまうようですが、二番館、三番館で引き継いでくれるといいな。

https://seirichan.official-movie.com/  !注意!音声出ます(これがいただけない...)

 

 

*追記*

読書会当日の11月19日は国際男性デーでした。

note.mu

 

 

募集中のイベント 

▼2019年11月23日(土•祝) あのころの《いじめ》と《わたし》に会いに行く読書会
https://coubic.com/uminoie/979560 (横浜)

▼2019年12月22日(土) 2019冬至のコラージュの会
https://collage2019toji.peatix.com/

▼2020年1月8日(水) 爽やかな集中感 競技かるた体験会
https://coubic.com/uminoie/174356 (横浜)

Peatixで募集中のイベント 
https://hitotobi.peatix.com/
※フォローすると開催のお知らせがメールで届きます。

 

 

場づくりコンサルティング(個人セッション)

・Zoom または 東京都内で対面
・30分¥5,500、60分 ¥11,00(税込)
・読書会、学ぶ会、上映会、シェア会、愛好会...などのイベントや講座。
・企画・設計・進行・宣伝のご相談のります。
・募集文の添削やフィードバック、ふりかえりの壁打ち相手にもどうぞ。http://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2019/02/18/150805


鑑賞対話ファシリテーションのご依頼もお待ちしております。

 

連載中
▼『場づくりを成功させるための5つの鍵』(寺子屋学)
https://terakoyagaku.net/group/bazukuri/

▼ noteでも書いたり話したりしています。

note.mu

 

 

1/8(水) 新春の競技かるた体験会、ひらきます

キリッとした寒さのある日も混ざってきて、だんだん年末が近づいてきたなぁという感じがします。ここまでくるともう、来年のことを言っても鬼も笑わなくなる!

 

ということでご案内です。

 

2020年の「場ひらき」は、この会になりそうです。

 

未経験者向け・第5回 爽やかな集中感 競技かるた体験会
横浜駅徒歩5分 umiのいえ にて。

coubic.com

 

今やお正月でさえも、何もしないでいると季節感にふれにくくなっている気がする。

大切な願いや祈りや祝いの機会を大切にできたらなとも思っています。

 

大人になったからこそ楽しめる、
・季節を歌で感じる、「鑑賞の味わい」
・身体ごと歌を感じる、「全感覚の覚醒」
・教えると教わるが混じり合い、「持ち寄る場」

をご用意して、次回は冬の歌を楽しむ会にいたします。

お正月にかるたって、やっぱりいいな!って思ってもらえるといいなー。

ご参加お待ちしています。

 

前回・秋に開催したときのレポートはこちらです。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

f:id:hitotobi:20191120103948j:plain

 

 

 

 

Information

百人一首と競技かるたの出張開催、承ります。

●概要:千年の時を経て、文学、文化、芸術、スポーツなど様々なジャンルにわたって発展してきた百人一首。競技かるたを通して、その奥深さにふれてみる、競技かるた未経験者向けの体験講座です。

●内容百人一首の成立〜競技かるたに発展していくまでの歴史や文化的背景を知り、和歌を鑑賞します。後半は競技かるたの公式ルールにのっとって、実際に取る体験をします。

●講師:舟之川聖子

"競技かるたの聖地"滋賀県大津市の出身。子どもの頃から家庭や学校で百人一首に親しむ。2012年に漫画「ちはやふる」を読み、百人一首を好きだった気持ちを思い出す。友人と「かるたCafe」というコミュニティを立ち上げ、2017年まで活動した後、かるた会に入会。競技かるたに本格的に取り組む。現在はC級初段。

●講師料
3.5万円〜+交通費別途。
(講座時間:〜2時間, 参加者:4名〜, 事前打ち合わせ:〜1時間。

●実績

杉並区 【男女平等推進センター講座】マンガから学ぶ「女性の働き方と両立支援」 (実施者:こどもコワーキングbabyCo)

http://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2018/10/08/152323

中央区 女性センター「ブーケ21」講座 「ようこそ!百人一首と競技かるたの世界へ」

http://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2018/03/27/175736

はじめての競技かるた@アカシデカフェ
http://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2018/06/18/152850

●お問い合わせフォーム●

 

 

《お知らせ》12/22(日)冬至のコラージュの会、ひらきます

2019年最後のコラージュの会、冬至のコラージュの会を冬至の日にひらきます。

f:id:hitotobi:20191118223901j:plain

 

年に4回、暦の節目につくるコラージュの会をひらいています。
雑誌やチラシや写真を切って台紙に貼り付けていく、気軽に楽しめるコラージュです。

今回は冬至にひらきます。
2019年をふりかえり、2020年を望みましょう。

制作と鑑賞の豊かさ、場所と人との出会いをご用意しています。


今回の会場となる欅の音terrace、ぜひご紹介したいのです。
ナリワイと暮らしを共に生きていく人たちの集う空間です。
https://narimanowa.com/estate/keyaki/

こちらで住み開きで本屋さんを営んでいるtsugubooksさんのご協力で開催します。
当日はtsuguさんのお店ものぞけます。こんな暮らし方、営み方、生き方があったんだ!という驚きと喜びがあります。

hp: https://www.tsugubooks.com/
twitterhttps://twitter.com/tsugubooks


日時:2019/12/22(日) 13:00-16:30
会場:欅の音terrace・1F Do Space https://narimanowa.com/

   西武池袋線練馬駅から徒歩10分


詳細・お申し込みはこちらから。

 

collage2019toji.peatix.com

 

 

 

 

コラージュの会の概要はこちら。自主開催の他、出張のご依頼も承ります。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

 

《お知らせ》漫画『生理ちゃん』を語り合う読書会、ひらきます

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漫画『生理ちゃん』を読んだ人たち同士で感想を語り合う読書会です。
生理と現役で付き合っている方も、付き合っていない方も、
男性も女性もどんな性の方も一緒に語りましょう。
読書会がはじめての方も大歓迎です。



『生理ちゃん』とは、小山健によるオムニバス形式の漫画。Webメディア『オモコロ』で連載中です。生理痛、むくみ、頭痛、貧血、イライラ、PMSなどが擬人化した「生理ちゃん」と、女性たちとのエピソードや人生の悲喜こもごもを描いている漫画です。
こちらで全話読むことができます
https://omocoro.jp/matome/113450/

単行本は2冊出ています。
https://amzn.to/32iJoaK
https://amzn.to/34y2jjk

11/8から映画が公開されます。
https://seirichan.official-movie.com/

・・

この読書会は、役に立つ情報を交換したり、教えたり教わったりするのが目的ではなく、漫画『生理ちゃん』を読んで思ったこと、感じたこと、考えたことをフラットに話してみることを目指しています。
自分の経験を話すときも、「生理って辛いよねー、めんどくさいよねー」や「辛そうだよねー、ないからわかんないよねー」の先に行ってみたい。
漫画を読んだ上での、それぞれの実感の話をしましょう。
人それぞれ個別のことだし、いろんな立場や状況の人がいて、誰かと比べることはできない、ということを前提に進めます。
わからないこと、知らないこと、漫画ではじめて知ったことも口にしやすい場にしたいです。


会場は、豪徳寺商店街の中にある「あかちゃんといっしょ Maar(マール)」さん。育児用品の専門店ながら、実店舗にお伺いすると、育児ジャンルに拠らないたくさんの本たち。思わずにやりとする棚構成に、店主・りえさんのお人柄を感じます。

ファシリテーターを務めるわたし・舟之川については、生理について今考えていることを書いた記事があるので、読んでいただけるとうれしいです。
これを書いたことが、今回の場をひらくきっかけになっています。
https://note.mu/hitotobi/n/n6cbf0f37a51b

ご参加お待ちしております^^

---詳しいこと---

日 時:2019年11月19日(火)10:00-12:00

会 場:あかちゃんといっしょ Maar(マール)
    https://akachantoissyo.wordpress.com/
    東京都世田谷区豪徳寺1-6-13

行き方:小田急豪徳寺駅から徒歩3〜5分。
    改札を出て左の豪徳寺商店街をずんずん歩いて、セブンイレブンの少し先の左手にあります。

参加費:2,000円(茶菓付)

定 員:6名(内4名募集)ハイハイ前の赤ちゃんは抱っこ・おんぶで一緒に参加できます。

対 象:なんらかの方法で漫画「生理ちゃん」を読んだ方。
    全部は読めていなくてもだいじょうぶだけれど、単行本1冊、webでは「9」まではなんとか読んできてください。
    単行本をお持ちの方は、印象に残った箇所に付箋を貼っておくと話がしやすいです。

    生理と現役で付き合っている方も、付き合っていない方も、男性も女性もどんな性の方も、感想を語ったり聴きたい方はどなたでも!

 

▼お申し込みはこちらから

seirichan.peatix.com



 


ファシリテーター
舟之川聖子(ふなのかわ・せいこ)

鑑賞対話ファシリテーター。場づくりコンサルタント
芸術や文化を発信する作家や施設など、さまざまな作り手や届け手と共に、作品と対話を中心とした新しい鑑賞体験の場を通して、表現は人間にとって生きる上で不可欠なものであり、希望となることを伝えている。また、読書会のつくり方講座や場づくり講座、コンサルティングサービスを通して、場をつくりたい人のサポートもしている。

直近のイベント
11月23日(土•祝) あのころの《いじめ》と《わたし》に会いに行く読書会
https://coubic.com/uminoie/979560

2020年1月8日(水) 爽やかな集中感 競技かるた体験会
https://coubic.com/uminoie/174356 

Blog: http://hitotobi.hatenadiary.jp/
Twitterhttps://twitter.com/seikofunanok
HP: https://seikofunanokawa.com/

 

 

《レポート》10/18 『教誨師』でゆるっと話そう@シネマ・チュプキ・タバタ

シネマ・チュプキ・タバタで月に一度ひらいている「ゆるっと話そう」シリーズ。第5回となりました。

 

「ゆるっと話そう」は、映画が終わってからの45分間の小さな場。

映画観て 帰る前に
観た人同士でちょこっと話してこ!

というものです。

 

 

今回は『教誨師』。こんなご案内をしました。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

当日は、映画好きの方、クリスチャンの方、医療福祉関係の方、カウンセリングがお仕事の方など、いろいろな立場と関心の方、8人が集まってくださいました。

チュプキが音声ガイド付きの上映をしているユニバーサル・シアターなこともあり、視覚障害のある方も。

それから、まだ映画を観ていない方もいらっしゃいました。ゆるっとは観ていない方も、他所で観てきた方も大歓迎なのです^^

 

 

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冒頭でファシリテーターのわたしから、日本の死刑制度についての状況を5分ほど共有させていただいたあと、ひとりずつ、あるいはみなさんで感想を交換しました。

 

様々な鑑賞対話の場をひらいてきましたが、正直これほど一人ひとりの感性や世界の見え方が異なることを実感した場も珍しく、あの進行でよかったのだろうか、45分という時間設定は果たして適切だったのだろうか?と会が終わってから悩みました。(それもあってレポートを書くのが遅くなっていた)

 

今あらためてふりかえってみると、その違いこそが、この映画の本質だったのだろうと思います。「人間とは何か」を見つめていくことしか、できない。一つの方向へとリードするものではないし、ただよき場をつくること。一人ひとりのその場でのよりよい体験を考え抜くこと。

主人公の佐伯(大杉漣)が、劇中で死刑囚と対話を重ねるうち、自らの宗教者としての役割や一人間としてのあり方を迫られ、見出していく過程に圧倒されるのですが、わたしも場に居ながら、それを自覚していくような感覚をおぼえていました。

 

自分の役割は何か、なぜ場をひらくのか、自分はどのようにそこに居るか...。

罪とは何か、罰とは何か、生きるとは何か、死ぬとは何か、人間とは何か...。

何が人間を生かすのか、何が人間を行動させるのか。

 

 

 

・この映画が観られてよかった。

・周りの人にも勧めたい。

・一人で観ているが多いが、他の人の感想が聴けてよかった。

・時間がもっとほしかった。

・観るのが楽しみになった。

などいろんなご感想をいただきました。

 

とてもひと言では語れない、幅広いテーマを持っている映画です。

大杉漣の主演の遺作でもあり、機会をつくってぜひ観ていただきたい一本です。

この映画に出会えてよかった。

 

 

監督のインタビューも読んでみてほしいです。

www.christianpress.jp

 

 

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次回のゆるっと話そうは、11月22日(金)『おいしい家族』です。

chupki.jpn.org

 

詳細は後日UPします。少々お待ちください。

 

 

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《お知らせ》11/23(土祝)あのころのいじめとわたしに会いに行く読書会

2回目をひらきます。
前回とテーマ・本は同じです。
 
▼申し込みページ
 
 
 
前回のことを思い出すと、いろんな立場の方がいらしたと思いますが、「いじめについて人と話したことがない。でも、だからこそ今、話してみたい」という動機でご参加くださっていた方が多かったです。
 
開催後に、学校教員による暴行の実態が明るみに出たり、小中高校でのいじめ報告件数が前年から13万件増えて過去最多という調査結果が出たり、その中では義務教育年齢の子どもの自死が増加していたり...と心揺さぶられる報せがありました。
 
一緒に読書会で集った皆さんは、これらをどのように受け止められただろうかと考えていました。
 
▼前回の感想です。
 
誰しも、このテーマに関しては、自分の人生のどこかに悲しみや苦しみ、後悔や戸惑いを置いてきていると思います。わたしは、それを迎えに行ってあげるような気持ちで、この場をひらいています。
 
読書会の時間は、ある中学生の男の子を中心とした世界へ、みんなで集中して旅をします。会が終わってからのほうがむしろ、その人の旅のはじまりかもしれません。
 
「参加者自身のいじめの体験を語る・聴く場」とはまた違う体験があると思います。もちろんそういう話も出ますが、あくまで場は本(物語)を真ん中に進めます。そういうしつらえだからこそ見えてくる何か、その日集まった人たちだからこそ生まれる何か、に期待しています。
 
読書会がはじめての方もどうぞお気軽にお越しください。
 

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10月のふりかえり

今月は、入ってくるものがほんとうに多かった。

そこに没入してかき回されている期間だった。まさにrush。

なかなか表現にまで行き着けなくて、メモをとるのが精一杯なタフな日々。

 

ようやく少しずつできる範囲で片を付けながら行こう、という気になった。

並べてみたら何が起こっているのか、見えるかもしれない。

 

 

●喜多能楽堂で観能。ラジオを2本配信した。
感想がメインの回そこからわかったことの回。「日本人でよかった」の核を思い切って出してみた。この経験は大きかった。映画『太陽の塔』を観たこと映画『教誨師』で語りたいと思った動機、『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』の鑑賞体験もここにつながる。ここからはじめたかったので録れてうれしい。相方のたかねさん、ありがとう。

 

●学校と学びの勉強会「子どもの宿題にまつわる自分のモヤモヤを語ろう」に参加した。主催者さんのレポート。自分の感想は別途あるけれど、まだここに書けるような言葉にはならない。でもすごく大事なことに辿り着いたので、語れてよかった。主催のれいこさん、ありがとう。

シネマ・チュプキ・タバタでの"「教誨師」でゆるっと話そう"を開催した。まだレポート書けてない。チュプキの代表平塚さんの著書『夢のユニバーサルシアター』もゆっくり読んでいるところ。映画"シティライツ"の感想とも関係がある。

東京都現代美術館「ひろがる地図」に参加。ラジオ配信した。担当学芸員さんと対話できたことで、表現や鑑賞について、わたしのお仕事についての輪郭がまたはっきりしてきた。一年かけて作っているホームページにも大きな影響を与えている。書きたい記事もたくさんある。一緒に行ってくれたあいさん、一緒に行ったしラジオも録ってくれた彩子さん、ありがとう。

 

●「今、モモを精読する読書会」に参加した。冒険がついに最終回。小さい頃に読んだ物語をあらためて訪ねてみることの豊かさ。今のわたしにまさに関係があって、たくさんのヒントをくれている。「あの頃はわからなかった」けれど、そのわからなさが、今再訪する動機になっている。そこに光る小石を置いておいてくれてありがとう、わたし、ありがとうエンデ。つまり、今またあらためて光る小石をここに置いたから、この先、もしかして道に迷ってもここに帰ればいいんだよね。そして一緒に冒険した人に、あのときどうだったのか、尋ねることもできる。この読書会の形式はすばらしい。「読む」の真髄をとっくりと堪能できる。主催のライチさん、ありがとう。モモは単行本で持っているけど、特装版も欲しくなっちゃった。。

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UPLINKのシネビズカフェに参画中。映画ビジネスを学ぶワークショップに通っています。20年ぶりに学び直すこの分野。月1で全12回。わたしの鑑賞対話ファシリテーターの仕事を展開するにあたって、映画に関してやるときには、どう配給や興行に食い込めるか、という立場と動機から参加しています。UPLINK京都がオープンするという話をリリースの直前に聞いて、おおおー、いやはやー、という感じ。

 

『82年生まれ、キム・ジヨン』の読書会に参加した。これも感想書けてないけど、醸成して別の表現としてあらわれている・いくと思う。

 

●エンライトのイベントに参加した。エンライト特別養子縁組・里親など家庭養護の情報を発信している団体。短編映画『まだ見ぬあなたに』の上映とトークセッション。これもシェア、発信したいことがたくさんある。トークライブ(ひととびラジオの動画配信)をしようかと思ったけれど、なにか違う気がして断念。あと体力がマックス底だった。ここでもまた、やはりアートを真ん中にすることで、テーマについて対話することが可能であると確信。

 

●Active Book Dialogue(ABD『ボーイズ 男の子とはなぜ男らしく育つのか』に参加した。ABDというワークショップの型を体験したかったのと、この本を半分ほど読んでいたので、他の人の感想が聞いてみたかったという動機。わかったこと多数。あらためてこの本は良書。精読しようと決意。完読しなくても読んでいると同じ体験ができる本もあれば、自分にとって関係が深いもの、切実なものはやはり精読がいい。それは人それぞれ違う。「読む」という体験は実に懐が広い。

それから自分の違和感や自分に起きていることや感情、社会で起きていることの客観的把握をもっともっとしたいと思う。
ここまで読んできた本たちが、一連の旅として自分の中に落ちてきた感じがある。

何を怖れる
愛と家事
私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない
「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。
「男の子の育て方」を真剣に考えてたら夫とのセックスが週3回になりました
82年生まれ、キム・ジヨン
他にももっとあるかも...。

●セルリアン能楽堂で蝋燭能『鵺』を観た。この体験はまたラジオで配信する予定。

 

●競技かるた宇都宮大会出場。これもまたわたしにいろんな示唆をくれる大会だった。「舞台」に立つ機会をつくらないと継続が難しいということや、自分にとっての主戦場はどこなのか、「その世界」とは何か、など。

 

●映画『蜜蜂と遠雷』を語る会を主催。きのうやったところ。二歩も三歩も深く語れた。まだまだ味わい中。「音楽を連れ出す」をみんなでやったんじゃないか。レポート書きたい。レポートというか...何か別のものかな。

 

 

...というのが10月にやった大きなこと。他にも何かと細々と。

こうして並べてみると、何を掴んだのか、何に触れていたのかがよくわかる。

 

発見(discovery)、気づき(awareness)、挑戦、信念、守る(protection)、労い、多様性、わかりあえなさと対話、自己共感、座標の確認、葛藤、苛立ち、嘆き、使命、本物である、鍛える、努力、扱う範囲を決める、美的発達段階、明確にする、知る、決めつけのない、見ようとする、現場に行く、可能性を信じる、自分を使う、自分一人でやってみる、嫌われることを恐れない、嫉妬の元を見に行く、過去に起こったことを検証し直す、身体を整える、美を感じる、美とそうでないものを引く......。

 

美学と思い込みは違う。偏屈でもない。線引きと共生は可能、などもわかった。

 

絶対に自分が美しいと感じる場所、だれからも邪魔されない場所を確保しておくこと。

その時間を過ごすことが、自分を調え、自分を生かしていく。

他の誰でもない自分になっていく。

 

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けっこうがんばった10月だったのだなぁ。

11月はどうなるんだろう。楽しみ。

 

 

毎日小学生新聞で見かけて切り取ったもの。そうですよね、わたしはこれですよね。

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読み聞かせ 5年生 10月

ひと雨ごとに秋が深まっていく10月。

きょうは読み聞かせでした。

 

読んだのはこちら。林明子さんの「こんとあき」。


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読み聞かせの時間は15分。前回9月は2冊読んだのですが、今回はじっくり1冊を丁寧に読んでみたいという気持ちがあり、これのみ。

それとなぜかうまく言えないけれど、今回は女の子が主人公で冒険をする物語をみんなで読みたかったのです。

 

 

わたし自身大好きで、図書館で何度も借りて、息子とも読んだ絵本。

今まで図書館で借りてきたけど、これはずっと手元にあってほしくて、本屋さんで購入しました。

今読むと、ハラハラしたり、ドキドキしたり、ホッとしたり、大きな景色を見て圧倒されたり...ロードムービーでもある。

これほどの緻密な感情と生き生きとした動きが表現されているとは!と読み聞かせの10分ほどのあいだに、圧倒されながら読んでいました。
特におばあちゃんに会うところのシーンは感情が込み上げてきて、涙が出そうになりました。それぞれのシーンに、自分の中の子どもが反応して、いろんな気持ちを思い出す。


それから、やっぱり絵がすごい。
表情、仕草、背景...絵本の絵ってこんなにいろんなことを伝えてくれていたんだっけ?

 

 

家で練習もしてきたんだけど、いざみんなの前で読むと、また特別に受け取るものがあるなぁ。

 

 

ちょうど先日、読み聞かせボランティアさんの交流会があったところで、わたしは行けなかったのだけれど、内容をメーリングリストでシェアしてくださった中に参考になることがたくさん書いてあったので、さっそく採り入れました。

はじめたときも丁寧な研修だし、とても共感する内容だなと思ったのだけれど、4年やってきて、あらためて良い伝統が受け継がれていると感じます。

関われてほんとよかった。

 

 

感銘を受けすぎるあまり、具体的にシェアしたいけれど、不特定多数にお伝えできることでもないから、コンサルティングの場などでエッセンスを活かさせてもらっています。

 

次回は1月。冬のお話かな。楽しみ。

 

 

萩にのる雨粒ってほんと美しい。
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この雨で落ちちゃうかも。いい匂いをたくさんありがとう。
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終わってからカフェで読書。ようやく『蜜蜂と遠雷』読めた!!!

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募集中のイベント

▼2019年10月29日(火)映画『蜜蜂と遠雷』を語る会
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百人一首とお能

今、百人一首お能の関係を調べています。
 
先日ひらいた「秋の競技かるた体験会」の中で、「最近別の場で在原行平の歌を鑑賞する機会があって」と教えてくださった方がいました。
 
 
立ち別れ いなばの山の 峰に生うる まつとし聞かば 今帰り来む
 
ここから派生した創作として、行平と、松風・村雨の姉妹との恋物語が、能「松風」になっているそうなのです。有名な曲なのですが、お能はまだまだ初心者の私、未見でした。観たい!
 
また須磨という寂れた地でこのような恋が生まれるという発想は、お能以前に、紫式部が「源氏物語・須磨の巻」で参考にしていたらしい、ということもわかりました。
 
わたしは競技かるたをやっているので、百人一首にも採られているこの「立ち別れ」の歌に、また新たに自分にとっての意味や価値が重なっていくのは、うれしくてたまりません。様々な分野からのアプローチが現場に生かされていきます。
 

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百人一首とのつながりで、他にどんな能の曲があるんだろう?
そもそも和歌と能の関係ってどうなっているんだろう?
もう少し詳しく知りたいなーと思っていたとき、ネットで資料を漁っていたら、こんなありがたいサイトに出くわしました。
 
東洋大学入試情報サイト 特別講義「能のことばー古今集百人一首謡曲ー」
日本文学文化学科 原田香織教授
 
20分少しの動画の中で、わたしが今感じている「つながり」「橋渡し」について、原田先生が端的にわかりやすく、しかし愛をもって解説をしてくださっています。和歌からお能へのつながり方がどのようであるか、和歌やお能で「ことば」がいかに大切にされてきたか、そしてそれらの美意識や感性が現代までどのように続いているか、知ることができます。日本にルーツを持つ人は、大切な源に触れる、温かな感じを覚えるのではないかな!
 
「和歌の力、言葉の力から日本的な四季意識や豊かな感性を学ぶことは、みなさんのこれからの人生に大きな影響を与え、自分の可能性を広げていくことになるでしょう」という原田先生のメッセージがどーんと届いて、「この方の授業受けたい!」と今、なっています。この動画、ぜひ観てみていただきたい!
 
古今和歌集を一から最後まで全部暗記するのが当時の教養でした」って先生がサラッとおっしゃっていましたが、古今和歌集って1,100首ぐらいありますよね...??
「百首どころちゃうやん!」とビビりました。
この上に漢詩・漢文なども読むし、和歌も読めないといけないし、日記も書くし、行事やしきたりも覚えないといけないし、勉強をたくさんしなくてはいけなくて、当時の貴族は大変だったろうなぁとあらためて思いました。雅なだけじゃない!
 
 
 
 
藤原定家が、古今和歌集〜鎌倉の新しい美意識〜能へと橋をかけてくれたように、あやかって、わたしもいろいろな表現を渡り歩いて橋をかけていこう、とあらためて思いました。
 
「松風」の他にも、能には「蝉丸」「定家」「卒都婆小町」など、古今和歌集百人一首の世界とつながる曲があるから、これからも出会っていくのが楽しみです。まだ観ていないお能の曲はたくさんありますが、一期一会なので、どの曲にどこの能楽堂で、どういうタイミングで出会うのかは未知です。占いみたいなところも楽しんでいます。
 
 
お能についてはnoteで音声配信していますので、ぜひ聴いてみてくださいね!
 
 

Information

2020年1月8日(水)14:00-16:00
爽やかな集中感 競技かるた体験会
https://coubic.com/uminoie/174356 

 

百人一首と競技かるたの出張開催、承ります。

●概要:千年の時を経て、文学、文化、芸術、スポーツなど様々なジャンルにわたって発展してきた百人一首。競技かるたを通して、その奥深さにふれてみる、競技かるた未経験者向けの体験講座です。

●内容百人一首の成立〜競技かるたに発展していくまでの歴史や文化的背景を知り、和歌を鑑賞します。後半は競技かるたの公式ルールにのっとって、実際に取る体験をします。

●講師:舟之川聖子

"競技かるたの聖地"滋賀県大津市出身。子どもの頃から家庭や学校で百人一首に親しむ。2012年に漫画「ちはやふる」を読み、百人一首を好きだった気持ちを思い出す。友人と「かるたCafe」というコミュニティを立ち上げ、2017年まで活動した後、かるた会に入会。競技かるたに本格的に取り組む。現在はC級初段。

●講師料:
3.5万円〜+交通費別途。
(講座時間:〜2時間, 参加者:4名〜, 事前打ち合わせ:〜1時間。

●実績:

杉並区 【男女平等推進センター講座】マンガから学ぶ「女性の働き方と両立支援」 (実施者:こどもコワーキングbabyCo)http://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2018/10/08/152323

中央区女性センター「ブーケ21」講座 「ようこそ!百人一首と競技かるたの世界へ」
http://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2018/03/27/175736

はじめての競技かるた@アカシデカフェhttp://hitotobi.hatenadiary.jp/entry/2018/06/18/152850


●お問い合わせ●
https://seikofunanokawa.com/contact/

 

 

『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』で人権について考える

先日の台風のときに、台東区の避難所で、住所不定の方々が入所を断られるということがあったようで、いたたまれない思いです。当日は真偽はわからないから...と静観していましたが、やはり事実なのでしょうか。対応もそうですが、対するネット上の発言や書き込みのヘイトぶりに、重篤な人権問題が浮き彫りになっていると感じます。
 
わたしがすぐに思い出したのは、映画「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」の中で、「あなたは同胞が辛い目に遭っていても平気なの?」という質問が、マイケル・ムーアに向かって投げかけられるシーン。
 
浮き彫りになるとき、それは氷山の一角であり、何かを強く象徴する出来事なのだと思います。それ自体への一点への対処も必要でしょうが、わたしにできることとしては、表現・作品を鑑賞し、対話によってこの問題を共に考えていくことです。

こちらの映画はぜひ観ていただきたいなと思います。
一部、刑務所内で暴力の行われているシーンが映りますのでご注意ください。
RatingはPG-12です。
 
自主開催の予定はありませんが、鑑賞対話ファシリテーター・舟之川聖子へのお仕事のご依頼があれば、お受けしたいと思っています。
また、ご自身で上映対話会をひらきたい方へのアドバイスをいたします。
お問い合わせください。
 
場づくりの話はおいておいても、ぜひ観ていただきたいです。
「映画という創作物である」ということを差し引いても、考えずにいられない、誰かと話さずにはいられない作品です。
 
ネット配信もされていますが、ぜひシネマ・チュプキ・タバタでの鑑賞をおすすめします。
 
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マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』
10月17日(木)〜31(木)※水曜定休

お知らせ:映画『蜜蜂と遠雷』を語る会、ひらきます

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10/4公開の映画『蜜蜂と遠雷』を観た方同士で、感想を熱く語りましょう。

「映像化は不可能」と言われた原作を、今までにない斬新な手法で映画化した今作。
https://mitsubachi-enrai-movie.jp/

印象に残ったシーン、ストーリー、登場人物。
感じたことや考えたこと、思い出したことをちょっと出してみたい。
他の人はどんな感想を持ったのか、聞いてみたい。
俳優、音楽、撮影、編集、監督、プロデューサーなど映画のつくりについても話したい。
原作を読んだ方は、その表現や世界観の違いもぜひ語ってほしい。

感想を語る会がはじめての方も、気楽に話せるよう、ファシリテーターが進行します。

映画評を戦わせるのではなく、些細で素朴な個人の感想を聴き合いながら、

作品を立体的に感じられる鑑賞体験、

自分と作品とが豊かにつながっていくような鑑賞体験を目指しています。


Zoomなので、世界のどこからでもネットがあればアクセスできます。

皆さんと語り合うのを楽しみにしています。


***

日 時:2019年10月29日(火)15:00-16:30

定 員:5名

対 象:映画『蜜蜂と遠雷』を観た方。自分の感想を表現することと同じくらい他の人の感想に興味を持ち、自分とは異なる視点にわくわくできる方。

参加費:2,000円

会 場:オンライン会議システムZoom

>>>お申し込みはこちら>>> https://mitsubachienrai.peatix.com/

★ご参加にあたって
・パソコン、スマートフォンタブレットなどからURLをワンクリックするだけでつながります。3日前にお申し込みの方にルームIDをお送りしますので、事前にアプリのダウンロードをお済ませください。
・イヤホンがあると音が聞きとりやすいです。またマイク付きイヤホンやヘッドホンはより会話がスムーズになり、おすすめです。
・なるべく静かな環境からの参加にご協力お願いします。カフェなど雑音が多い環境からご参加の場合、背景音を拾ってしまい、他の参加者に声が聞こえにくいことがあります。
・デバイスを持ち歩くと、他の参加者の画面酔いの原因になりますのでお控えいただき、画面の固定にご協力ください。
・キャンセルについて。
 3日前(10/26)までのキャンセル料-->0%(ただし、コンビニ決済の場合は一律返金手数料500円がかかります)
 2日前から当日(10/27〜29)のキャンセル料-->参加費の100%  
 がキャンセル料としてかかります。


ファシリテーター
舟之川聖子(ふなのかわ・せいこ)

鑑賞対話ファシリテーター。場づくりコンサルタント
芸術や文化を発信する作家や施設など、さまざまな作り手や届け手と共に、作品と対話を中心とした新しい鑑賞体験の場を通して、表現は人間にとって生きる上で不可欠なものであり、希望となることを伝えている。また、読書会のつくり方講座や場づくり講座、コンサルティングサービスを通して、場をつくりたい人のサポートもしている。

Blog: http://hitotobi.hatenadiary.jp/
Twitter: https://twitter.com/seikofunanok
HP: http://hitotobi.strikingly.com/
★お問い合わせ:https://ssl.form-mailer.jp/fms/97f33a63303170

 

 

Information_____________________________
鑑賞対話ファシリテーターにご相談ください。

企業や団体で教育普及、広報宣伝などを担当されている方向け。
映画、展覧会、書籍、舞台芸術など、鑑賞対話の場づくりのご依頼をお待ちしております。
鑑賞者同士で話す場、専門家と非専門家が知を交換する場。お互いを尊重し、補完する対等性のある場。知の交流と学びの楽しさを集う人一人ひとりが感じる場です。
企画・設計・ファシリテーション・集客サポート・レポートを担当します。
参加者5名から100名程度まで。

お問い合わせはこちらへお願いいたします。

 

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鑑賞対話の場づくりコーディネーション・ファシリテーション

・<法人><団体>教育普及、広報宣伝などを担当されている方向け。
・映画、展覧会、書籍、舞台芸術など、鑑賞対話の場づくりのご依頼をお待ちしております。
・鑑賞者同士で話す場、専門家と非専門家が知を交換する場。お互いを尊重し、補完する対等性のある場。知の交流と学びの楽しさを集う人一人ひとりが感じる場です。
・企画・設計・ファシリテーション・集客サポート・レポートを担当します。
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場づくりコンサルティング・個人セッション
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・Zoom または 東京都内で対面
・30分¥5,400、60分 ¥10,800(税込)
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連載
『場づくりを成功させるための5つの鍵』(寺子屋学)https://terakoyagaku.net/group/bazukuri/

 

今後のイベント

2019年11月23日(土•祝) 
あのころの《いじめ》と《わたし》に会いに行く読書会

https://coubic.com/uminoie/979560 

2020年1月8日(水) 
爽やかな集中感 競技かるた体験会 
https://coubic.com/uminoie/174356