ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

もう不機嫌さを隠さなくていい

f:id:hitotobi:20160611001636j:image

友だちとランチ。
お魚が美味しいお店で、初物のかつおをいただきながら、昼間から飲んでもいないのに、バカ話や小さい悪口や無責任な批判で盛り上がる。
しゃべりまくってゲラゲラ笑うのは体にいい、間違いない。

いつからかもう不機嫌さを隠さなくていい歳になってるなと思ってとてもうれしいねぇ、という話題になった。

機嫌が悪いのに無理矢理笑うとか、好きでもないのに合わせるとか。

ないわー。ないない。

ニコニコして人あたりよくしようと、
わたしなりに普通をめざしてがんばってた時期もあった。
それでもあまり隠せないので、ニコニコしてなさいとか、感じよくしなさいとか、男女問わず目上の人から説教されていた。
その年齢の頃は、とにかく素直で明るい感じが、生き延びる上で大切だったのだ。
特に女は。

でも今は、がんばるのはもうそこじゃないっていうか。
そんなことしても誰も見ない。
枯れるとか劣化するとかってことじゃなくて、
もうそんなことしたくない。
そんなことには意味がない、という感じ。
培ってきた自分のすべてで表現しているかどうか。
自己一致してるかとうか。
上っ面のニコニコも、まるっきり役には立たないというわけではないけど。
シビアになっていくんじゃないかな。

今は誰も説教もしてこないし。
楽である。
実に楽である。

誰かが「おばさんになってはじめて自由を獲得する」みたいなことを書いていたけど、
ああ、こういうことなのかなぁと思ったり。
でももっと早いうちに楽になりたかったけど。

「不機嫌さを隠さなくていい」という友だちの一言がすぅっと心と身体に沁みた日だった。