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ヒトトビ〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する場づくりを通して考えることなど。

暴力の現場で自分になにができたか

場づくりとかアートとはなんの関係もない話だけど、この投稿を書いてから半年間寝かせてみて、やっぱり今これは出したいと思ったので、公開記事にした。

 

3,4年前に、公共の場で、パートナーと思われる女性から男性への暴力を目撃した。

先日ふとそのことを思い出し、そういえば男性のためのDVシェルターや支援団体ってあるんだろうかと思い、ググってみた。

 

が、期待していたような情報は出てこなかった。こういう支援につながる情報は1ページ目でバシッと出てほしいのに。簡単な検索だけで引っかかった情報は数カ所。でも機能しているかもわからないし、だいたい東京からだと遠すぎる場所だった。

 

東京都のDV相談窓口になっている東京ウィメンズプラザに電話して聞いてみたら、「男性のシェルターや支援はまとまってはないのが現状ですが、ご相談いただければケースバイケースで対応します」とのことだった。曜日限定で「男性のための悩み相談」という窓口があり、被害、加害にかかわらず相談できるようになっている。緊急の方は曜日にかかわらず代表電話にかけても大丈夫だし、もっと緊急の場合はすぐ警察110番へ、とのことだった。

東京ウィメンズプラザの連絡先はこちら⬇︎

配偶者暴力(DV)被害者ネット支援室

 

わたしが目撃したDV現場では女性が男性に対して、聞くに堪えないありとあらゆる罵詈雑言を投げつけていた。「お前みたいなクズでバカはみたことがない」「お前なんか生きている価値はない」「あんたのマヌケ面見てると腹が立ってくる」等々...。

 

男性はひたすら我慢しているようにも見えたし、何も感じていないようにも見えた。でもそのような言葉は、日常的に浴びせられているという感じがした。傍目には家族3人がハンバーガーを食べているのだけど、その向こうに見えるのは、男性を天井から吊ってサンドバックにして、女性がボッコボコに殴っている姿と、それを穴の空いたような目で表情もなく見ている子どもの姿だった。

 

普通じゃないという感じがしたし、子どもへの深刻な影響も想像できた。けれども、そのときわたしは女性が怖すぎて何もできなくて立ち去ってしまった。通報しなければ、と思った。でも一体どこに??暴力をふるわれているのが子どもなら迷わず警察または児童相談所。でも、男の人が被害者の場合は?店に?

当時のわたしには知識がなかったし、それ以前に意気地もなかった。

 

男性と子どもは、女性が作り出した透明な膜に飲み込まれているように見えた。その膜に包まれると、外にいても外界との接続が遮断されてしまう。そんな感じを受けた。

 

DVは密室で行われる。それは物理的にドアを閉めた向こう側で行なわれているという意味でもあるけど、そもそも関係性が密室だから、場所がどこであれ展開されうるんだということをあらためて思った。それが傍目にはわかりにくかったり、気づいても手を出しづらい状況。まして男性なら、女性よりも強いジェンダーバイアスが、本人の中にも社会にもあるのではないかと想像する

 

何度思い出してみても、あのときのあの男性に何ができるわけではないけれども。

ここに綴って、今の気持ちを置いておく。