去年の1月31日の話、再録。
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息子を連れて、東京の山のほうの河原で焚き火をしてきた。
ほとんど初めて会う人たちと、焼けそうな食べ物を片っ端から焼いたり、ホットワインを飲んだり、ただ火を眺めたり、ぽつりぽつりと話したり。
子どもたちを河原に放つと、いつまでも石を放っているのでおもしろい。
小さい頃は、焚き火なんかどこでだってできたのに、2時間かけてはるばる行かないと焚き火ひとつできない環境にいる今の自分が不思議でならない。大人になったらなんてことなく火を取り扱い、子どもたちを周りに集わせてるものだと、幼い自分は思っていたから。焚き火がこんなに非日常なものになっていることを、まだうまく受け入れられていない。
出がけに近くで火事があり、噴煙が上がっていた。火を遊びに行くのがなんとも不謹慎な気がして、道中も気にかけながら。70代の方が顔にやけどをされたとか。ご無事でよかったけど、やけども辛いし、大事な家が焼けるのもどんなにか辛いことだろう。
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この家は一年経った今も路地の奥のほうで焼けただれたまま、解体されていない。直前まで暮らしを営んでいた痕跡のまま、焼け焦げた家財道具が風雨にさらされていて、なんとも言えない気持ちになる。