ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

マイプロジェクトのイベントに行った話

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9月末の話ですが(どんだけ前!!)...友人が主催するIt’s マイ・プロジェクト!~キャリアを創る、しごとを創る、人生を創る~というイベントに参加しました。テープ起こしの仕事のご依頼だったのですが、せっかくなので本番からどうぞ!ということでお邪魔しました。

主催は高橋ライチさんと高安千穂さん。お二人ともここ7年ほどのお付き合いで、いろんなことを企てては一緒に実現してきた、わたしにとって大切な研究遊び仲間です。そしてもうお一人今回お知り合いになったツノダフミコさん。

 

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マイプロジェクトとは何か?
こちらのサイトの説明が一番わかりやすかったので引用させていただきます(http://care.trinitydesign.jp/blog/detail.php?p=217

マイプロとは、マイプロジェクトの略称で、慶応SFCから始まった教育手法として知られています。特徴は、生活の中で感じている些細な疑問や違和感、問題意識に心を傾け、そこから生まれてくる想いからプロジェクトを創るところにあります。 

そして、一人ひとりの生きてきた物語を深く見つめ直し、それを仲間と共有することで、一人ひとりがスペシャルな存在であるということ、今、そして、未来が、これまでの経験との連なりの中であるというコンテクストを明確に浮かび上がらせ、プロジェクトへと展開する、一連のプロセスをメソッド化している点も特徴と言え、大学や高校はもちろん、地域活性化、被災地支援など適用領域は広い手法として知られ、その有効性についての認識が徐々に広がりを見せ、各地でマイプロやその考えに基づいた取組が成果を生み出しています。 

 

この手法・アイディアは、コミュニティの中で企画し発表し、仲間を募り、定期的に経過報告しながら進めて行く方法でも使えれば(以前参加したことのある母マイプロはこの方法)、今回のマイプロのように、一日のみ、数時間で発表と質疑応答やフィードバックを交わし合う方法もあり、いろいろな展開の仕方があるようです。若者のソーシャルアクションプログラムとしても使われているようです。

https://myprojects.jp/about/

http://www.etic.or.jp/mypro/about

http://tips.smrj.go.jp/myproject/

 

 

この日のマイプロは以下のような構成で、主催の3人が発表する形でした。

  • ME:名前・自己紹介・私の履歴
  • ME:わたしを表すマインドマップ
  • ME:じぶん年表(来歴。年代 / 事件 / それについての感情など)
  • PROJECT:名前・理由・どんな価値や変化を生み出すか・目指す姿
  • PLAN:具体的なイメージ・◯年後どうなってる(あれば)
  • REQUEST:ほしいもの、情報、会いたい人、こんなヘルプ・サポート歓迎!

その後、質疑応答があり、休憩を挟んだあと参加者自身がマイプロを作りテーブル内の6人ほどに対して短いスピーチをし、フィードバックをもらうという流れでした。

 

当日のテープ起こし(文字起こし)はこちらで公開されています。

 

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参加してみて感じたことをわたしのメモツイートから。

  • 先日お仕事でマイプロのイベントに行った。人前に立って自分の来し方を語り、行く方を宣言する機会・舞台が必要な時が人間にはあるんだなぁと思った。プレゼンする人が3人、それぞれ持ち時間は15分。異なる世代、キャリア、佇まい。2人だと無意識はたらく比較が3人ならしようもない。ここが重要。
  • プレゼンター同士を比較しないということは、自分ともまた比較しないということ。来し方は何年、何歳と数字が出たときに自分もそこへ飛ぶので、聴きながら並行して自分の人生も頭に浮かべる。他人の人生の話を無責任に聴きながら、自分の人生を考えられる。

  • 来し方の話があることで、今そこにいる生身の人間としてのその人が「ああ、それゆえにこの人はこうか」という発見がある。本人の編集がかかっていてもその人にとっての真実が真剣に話されていれば、心動くことがある。これからどうしていこうとしているのか(マイプロ宣言)聴きたいし応援したくなる。
  • 前に立つ人はどうしてもキラキラして見え、弱っているときにはキツいので、外に出て初対面の人と話せるぐらいには元気なほうがいいと思うが、当然ドロドロもある。クロストークの時間にその人の言葉で未整理のものも語られる。人生は固有だが今この時代に生きることを共有していることを感じる時間。
  • 休憩を挟み今度はオーディエンスらがそれぞれのふりかえりとマイプロを書き語る。シート5枚の内書けるもののみ書けばよいのはよかった。関心があるから来ているとはいえ、人によって省察や展望の進み具合、段階が違うのでこれは自然でよかった。ここでの「ねばならない」の排除は場の信頼に直結した。
  • 逆にこういうところに主催者の態度が見えてしまうだろうと思った。口ではみんな固有と言ってもワーク5枚全部させられたら、嘘だと思ってしまうだろう。端々に漏れ出て誤魔化しようのないもの。プレゼンター=主催者なら3人の「この場の肝」が共有されていたのだろう。プレゼンの巧拙より大事なこと。

  • 安心安全な場でとにかくやってみてと「強制」されそれを言い訳しながら出てくる予期せぬ何かや、それを評価判定なしに聞いてもらえる時間は楽しい。さすがマイプロの型はシンプルで再現性が高い。自分もプレゼンターをやってみたくなる。辿り着いてるからではなく、確かめたい、応援されてみたいから。

 
そして後日、音声をテキストに起こしながら、プレゼンターの息づかいや会場との呼吸のやり取りを感じながら、こんなこともお話しくださっていたのか、やはりここはこの人にとっての圧倒的な転機だったのか、と何度も感じ入っていました。これまでの人生と今とこれからについて、その人の言葉で、その人の声で聴いて、味わいながら文字に起こしていけるのは、やはり幸せな作業。

しかもこの日はふりかえりにまでお付き合いできて、参加者であり運営者でもある(間接的に)、両方の視点からフィードバックさせていただけて、これも得難い経験でした。「ふりかえりの意味や価値や手順を理解していて、聴けて言語化できて壁打ち相手になれて、寄り添いながら客観的評価できる機能」として用いてもらえると大変うれしいのです。

 

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ライチさんのブログ

・今回のマイプロをひらくに至った心境

ameblo.jp

 

・当日のふりかえり、レポート

ameblo.jp

 

 

千穂さんの感想も当日の熱が伝わってきます。

自分のプロジェクト、誰かのプロジェクトを、見つめ、受け止め合う、自由とチャーミングさの溢れる場に、もう感無量でした。

でこぼこ、くねくね、がんがん、ふにゃふにゃ、いろんな道がありますが、どんな道も、味わい深き道のりでありますように!

 

うーん、今思い出して書いてみたら、やっぱりこのマイプロはおもしろかった!

今年は自分でも催してみたいです。

 

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