ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する場づくりを通して考えることなど。

ひらきました!:大人のための「おしいれのぼうけん」読書会

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3/2(金)の夜、根津の本屋「ひるねこBOOKS」さんで、大人のための「おしいれのぼうけん」読書会をひらきました。

 

こんなご案内を出しました>>

hirunekodou.seesaa.net

 

年明けに開催予定をしていたのですが、わたしが体調不良のため休止となったのを、ひるねこさんがもう一度3月に開催を決めてくださったのでした。ありがたかったです。

 

この読書会の発想が出たのは2年前。ひるねこさんがお店をひらかれたときにうかがって、いろいろお話をしていたときに、店主の小張さんが開店前に勤めていた童心社で営業を担当されていたという、この本と深いかかわりがある方であるということを知り、「ぜひお店でこの本についての場をひらきたいです!」というお話をしました。そのときはまだわたしの準備ができておらず、すぐに開催には至りませんでした。

昨年末になって、いろいろな流れの中で、「この人とコラボレーションしたい!と思う人には、わたしから積極的に声をかけていこう」と決意した時期があって、まだふんわりとしていましたが企画を持ち込み、すぐにご快諾いただいて、開催の運びとなったのでした。

 

子どもの頃にこの本を読んでいたが、大人になって読んでみたらいろんな発見があった。読んだことがある人はもちろん、この会をきっかけにはじめて読む人も、大人になった今読んでどう感じるか、話し合い、聴き合う旅をしてみたいと思ったのが、場をひらきたいと思った動機です。

 

ご案内を出した途端、6名のお席はあっという間に満席になり、キャンセルが出てもまたすぐ埋まるという盛況ぶり。ひるねこBOOKSさんとこの本への愛を、当日を迎える前に既にひしひしと感じていました。

当日は夜の開催だったので、ビールやワインなども出て、大人向けの読書会の雰囲気がとてもよかったです。

本に囲まれた店内でひとつのテーブルに座り、まずは自己紹介から。「子どもの頃に読んでとても印象に残っている本で、皆さんの感想を聞いてみたくて」「大人になってもう一度読んでみたらもやもやする部分があって、営業をされていた方のお話が聞きたくて」「子どもがよく読んでとせがんでいた。どこにそんな魅力があるのか知りたくて」「子どもの頃に読んでいなかったので、きょうはじめて読むので楽しみ」などいろんな方がいらっしゃいました。

 

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せいこ作成の「しおり」を使って、出版年、作者などの概要について簡単に紹介したあと、「小張さんに質問!」と題して、せいこが質問をして小張さんにお答えいただくという2人トークを見て・聞いていただく時間を15分ほど取りました。

・出版社の営業の仕事ってどんなことをするのですか?

・どういう経緯で「おしいれのぼうけん」の営業をすることになったのですか?

・小張さん自身のこの本への思い入れの中身を教えてください!

・営業活動をする中で思い出すことがあったら教えてください!

などの質問をしながら、小張さんからもこの本が作られたきっかけや、どんなことを大切にされて描かれた、作られたかという本にまつわる歴史を当時関わった人たちや時代背景などを交えながら教えていただきました。現場で携わっておられたからこそのリアリティを感じながら皆さんでお話を聞きました。

「絵本から本への橋渡しになるような本が必要ではないか」という気持ちから作られた本でしたが、当時から今に至るまでの44年間、「おしいれのぼうけん」のような本は、実はあまり出ていないのかもしれない、という話も出ました。

 

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では、実際に「おしいれのぼうけん」の世界に行こう!ということで、せいこが読み聞かせをさせていただきました。挿絵はあるとはいえ、80ページで文字量もそこそこある本なので、読み終わるのに25分ほどかかりましたが、皆さんとても真剣に聴いてくださいました。これが「おしいれのぼうけん」にふれるはじめての体験という方もいらっしゃったので、重責だな!と一瞬緊張しましたが、いつも小学校で子どもたちに読み聞かせをするように読んでいきました。

読み終わったあとは、今包まれている気持ちを味わいながら、感想をメモする時間を数分取りました。そのあとにみんなで話すと、自分ははじめはどういう感想を持っていたのかが流れたり混ざったりしがちなので、一旦書いておくといいのではないかというご提案です。

 

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一人ひと言ずつ感想を口にしていただいたあとは、1時間ちょっと皆さんであーだこーだと感想を語りました。まずは大人になって読み聞かせをしてもらうことがないので、とてもいい時間だったとおっしゃっていただけたことがありがたかったです。小張さんも、自分ではたくさん読んできたけれど、他の人が読んでいるのを聞くのが久しぶりとのこと。

「子どもにいつも読んでと言われて、長いお話だから正直嫌だなと思っていたけれど、読んでもらってはじめて夢中になる理由がわかったし、途中で中断されたら『帰ってこれなくなる』から最後まで読む必要があるんだともわかった」という感想が印象的でした。

また、小張さんから「今ここにいる男性が自分だけなので、それと関係あるのかないのかわからないけれど、わくわくの大冒険として読んでいるのは自分だけで、皆さんはわりと緊張感を覚えていらっしゃるという違いを感じた」という感想が出たところから、場がハッとなり、「全然違うふうに受け取る」ということのおもしろさに一気に加速していったのが、当日のハイライトだったように思います。

「こどもの頃に出会っていたらどうだったろう?」という感想や、子どもの頃に読み、自分の子どもに読み、子が孫を持つぐらいの年齢になってまた読む...3周目のお付き合いという方もいて、長く読まれてきた物語ならではの力を感じました。

 

たくさんの小さな話題や物語が生まれては次につながり、つながって流れになる。一人ひとりのその本との思い出のこと、そこからぼんやりと透けてみえるその人の生の時間、人の感想の行き来でその本をめぐる思いが深まったぎゅっとつまった2時間半でした。

 

あらためて、ご参加くださった皆さま、ひるねこBOOKSの小張さん、一緒に場をつくってくださって、本当にありがとうございました!

 

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参加してくださったあかちゃんといっしょ Maar(マール)さんがブログに感想を書いていらっしゃったのでご紹介します。こんな風景の中にいらっしゃったのか。見せていただき、書いてくださって、ありがとうございます。

 

おしいれのぼうけ

akachantoissyo.wordpress.com

 

 

 

 

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ひるねこBOOKSさんがあるKITTE通りの並びには、「ニューシネマパラダイスの映画deダイアログ」でお世話になったコーツトカフェさんがあります。

根津・谷中・千駄木へおでかけの際は、ひるねこさんで本を買って、コーツトさんで美味しいお茶をいただきながら読むというルートをおすすめします。