ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する場づくりを通して考えることなど。

ひらきました!:講座「ようこそ!百人一首と競技かるたの世界へ」

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3/4(日)中央区の女性センター「ブーケ21」にて、「ようこそ!百人一首と競技かるたの世界へ」という講座を開催しました。

講座担当の方が、わたしが主宰していた「かるたCafe」のウェブサイトを見てご連絡をくださったのがはじまりでした。

打ち合わせで、「男女共同参画講座の枠組みの中で、百人一首の女性歌人についてのレクチャーと競技かるたの体験の両方を入れた2時間の講座を企画している」とのお話をいただきました。「文学や歴史の話とスポーツの話、それらは全然違うものだから、同じ時間枠でお伝えするのは正直難しいかも...」と一瞬思い、講座の講師を務めるのも一年ぶりだったので少し不安もありました。が、お話をしながらむらむらとわきあがってくる、「おもしろそう!やってみたい!きっとやれる!」という自分の気持ちを信じ、お引き受けすることにしました。それが昨年の秋のこと。

それから本番までは5ヵ月とたっぷり時間があったので、日々の中で講座をすることを念頭において、何をお伝えするか、なぜお伝えしたいかを考えたり、教え方や話し方、講座の組み立て方を勉強したり、友人に手伝ってもらって講座の通し稽古をして過ごしていました。

 

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区報にお知らせが載ってからの日々は、お申し込みはあるかな、どうかな...とドキドキしていましたが、当日までに定員の12席がすべて埋まり、キャンセル待ちも数名出ていたとのことでした。

当日の講座の冒頭で、参加された方お一人おひとりの百人一首との思い出をうかがっていて、百人一首というコンテンツの磐石さと懐の深さをあらためて感じました。百人一首を真ん中に、家族や友人や同級生や先生などとの深い心のつながりを持っていらっしゃって、その短い語りの中に見える風景はとても美しいものでした。かるたCafeでも会の冒頭の自己紹介でお話いただいていたのですが、この時間が好きだったなぁと思い出しました。

 

前半は、年表を使いながら百人一首の成り立ち、編纂者、年代などを見たあとで、女房16人について相関図を用いながら説明し、一首ずつの歌の鑑賞や解説をしました。ちらし取りなどのいわゆるお座敷かるたの経験がある方がほとんどだったのですが、歌の意味や時代背景などは子どもの頃はあまり知らないという方も多く、他の歌にも興味がわいたという声が聞かれました。

 

後半は、競技かるたの実戦。雅な和歌の世界と競技かるたのスポーツの世界をどうつなげるか、自分なりにストーリーを組み立てました。

万葉の時代に生まれた歌が、和歌になり短歌になり今も愛されていること。一方で貝合わせや色紙や戦国時代の南蛮渡来のカードゲームの流れからかるた遊びに発展し、現代の競技かるたの形になっていること。すべてが千年も前から今の自分のところまで一本の線でつながっているんですねぇ...というお話をさせていただきました。

 

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実戦のほうは、決まり字で音を聞き分けて、相手よりも早く取れるように戦略を立てながら試合を進める競技かるたは初めての方がほとんどだったため、前半で扱った16人の女房の歌を使い、並べ方や決まり字の仕組みをお伝えしながら、ゆっくりと進めていきました。

最初は戸惑いも見られましたが、次第に「取った!」「くやしい!」と歓声が上がり、「子どもの頃を思い出した!」と年輩の方も少女のようにはしゃいでおられたり、唯一の競技かるた経験者で学生時代にB級まで昇級していたという方が「なんだか無性に競技かるたがしたい!」と言っておられたり、たくさんの笑顔が見られました。

区の講座で託児が利用できたので、赤ちゃんや幼児さんを預けて参加してくれた女性が3人いらしたのも、個人的にはうれしかったです。「子どもを安心して預けられて、新しいことを学ぶのに集中できるのはうれしい」とおっしゃっていました。よかった!

 

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百人一首はとても懐の深いものなので、歴史や文学でも、競技かるたでも、関心のおもむく方へ掘り下げていかれるのも楽しいと思います。

講師としては、皆さんが、「たくさん吸収しよう」と前のめりで参加してくださったことや、「この場を信じて楽しもう」と託してくださったことが本当にありがたかったです。区の担当の方はもちろん、区民ボランティアさんもてきぱきとサポートしてくださり、皆さんでつくった場になりました。ありがとうございました。

 

・・・

完全に自画自賛になってしまいますが、このプログラムは、2時間という短さながらも、内容に濃さと楽しさがあり、百人一首も競技かるたもどちらも網羅的に知りたい、体験してみたいという未経験または初心者の方にぴったりです。

他区や他団体からも、講座のご依頼をお待ちしております!

お問い合わせはこちらまで> seiko.funanokawa★gmail.com(★=@)

 

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この日の午後は、紀伊国屋書店で行われる、書籍「短歌タイムカプセル」の刊行記念トークショーに友人らと出かけました。

午前に千年前の和歌から現代の競技かるたの話をして、そして午後に現代の歌人が現代の短歌の話をしているのを聞き、なんとも言えないタイムトリップ感でした。しかもこの本の帯には「一千年後に届けたい現代短歌アンソロジー」とあるのです!

「千年前も今も千年後も」わたしが大切にしているものがこの一日に凝縮されていて、まるで贈り物のようでした。