ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

キャリア教育の授業がおもしろい

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息子の通う小学校では年に一回、保護者が先生になって自分の仕事をプレゼンする、キャリア教育の公開授業があります。子どもたちが「こんな仕事があるんだ」「身近なことの中に、こんな仕事をしている人の存在があるんだ」と知ることで、仕事観を広くもてるように、というのがねらいだと思います(たぶん)。「○○ちゃんのお父さん」「○○くんのお母さん」等々以外の、働く人、個人としての一面が見られるのは新鮮で、息子もわたしも毎回楽しみにしています。


昨年は築地市場で卸のお仕事をされている方のお話でした。築地で扱うもの、卸・仲卸の役割、市場での買い方(相対とセリ)、市場の構造(空撮写真をつかって)、築地の成り立ち、などをスライドを使いながらとてもわかりやすく、話してくださいました。
こういう仕事だからか、そういう性格だからこういう仕事につくのか?オープンマインドでサービス精神旺盛、お話上手で、引き込まれました。


セリの仕組みも、動画を見て、「手やり」という、指の折り曲げ伸ばしで金額を表す「言語」をみんな実際にやってみたり、セリ人が何を言っているかを翻訳してもらいました。初めてちゃんとセリを理解した気がします。しかしあの人がわらわらと集まってる中で、どれをだれが買うかあらかじめわかってなくて、そのときに急にしかもこっそり手先だけでやられて、ちゃんと拾えるのがすごい!聞けば聞くほど神業です。


卸で残った魚はどうするのかとか、ユニークな落とし物の話はおもしろかった!カニとかタコとか。スイカが落ちてるときはややこしいな…。

 

息子が卒業するまでにわたしもいっぺん前に立つほうもやってみたいなぁと思っています。子どもたちは、わかろうと一生懸命に聞いてくれるので、「この仕事をやっててよかったなぁ!」とすごく思いそう。もちろんそのために授業をするわけではないけれども。わたしの仕事は、市場の仲卸、建築家、医者など、よく耳にする名前ではないので、これから自分の仕事をつくることだらけの若い人たちに、もしかしたら何か伝えられることがあるのかもしれない、と僭越ながら思ったりします。

その人だからこそ語れる生の言葉の迫力があり、あざやかすぎず、時にはしどろもどろに伝える姿がリアルなのではないかと思うのです。

 

今年は商店街で職場体験もありました。保育園の頃は近所の中学生が保育士体験に来てたりしたなぁ。大人もできたらいいなぁって思ったりもする。職業訓練て意味じゃなく、リフレーミングの機会として。わたしも一日保育士体験をやらせてもらいましたが、「こちら側」にいるだけでは想像の域を超えられないことが、同じ作業をやることでようやく見えてくるものがあるのではないかと思うのです。

 

話がずれていったけど、、

「仕事」や「働く」については、たぶんだれでも生きていく上で一生必要としていて、一生考えていることだと思う。だからわたしも興味が尽きないんだろうと思います。