ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

ひらきました!:「積読本をひらく読書会」

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「暮らしと学びを近づける」がテーマのまちの教室KLASS「積読本をひらく読書会」をひらき、3人で7冊の本をひらきました。

 

積読になっている理由なんて『忙しくて本を読む時間がないから』の一択でしょ?」と思いきや、いざひらいてみると一人ひとり、一冊ごとに、まったく違う理由が出てきました。

 

・自分の想像が膨らみすぎて、買って手元に来た時点でもう満足してしまった。
・自分の違和感に真っ向から応えてくれている本だと思い、もう読まなくてもこの本が存在しているだけで心強いという気持ち。
・一度5ページほど読んだけど難しくて投げ出してしまった(でも読んだ感想を話したい相手がいてどうしても読みたい)
・名作や文豪だと思うと身構えてしまうから、親しみがわいてから読もうと思って待っている。
・読むのがもったいなくて楽しみで、がんばったご褒美にとってある。読んでいいよといつ自分にOKを出すかも楽しみ。
・考えるべき大切なことが書いてあるとわかっているけど、読み終えても変化できない自分を見るのが少し怖くて、読むタイミングが来るのを待っている。

…などなど。

 

別々に持ってきたし、読んでいないので中身もよく知らない本なのに、本同士が共鳴しているような話題に展開し、「おお〜すごい偶然が起こっている!」という瞬間もたびたび訪れました。そうそう、これが紹介型の読書会の醍醐味だったわ〜とわたしも思い出しました。

 

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その本が手元にやってくるまでの経緯や、そのときに考えていたこと、感じていたことをおそるおそる話してみると、みんながふむふむと聴いてくれて、感じたままに口にしあっているうちに、するするとほどかれ、ひらかれていく、その人だけの物語がありました。

 

また、隣の人がその本を観察して、気づいたことを持ち主に紹介する時間をつくることで、短い時間の中でより多角的にその本に迫ることができました。今回の場は、「積読本をひらく勇気」と「他己紹介」がポイントだったように思います。

 

きょうのご感想はこんな感じ。 

・読書会には興味があったけど参加するのはきょうがはじめて。

・課題本が決まっていて感想を話す場だと、自分の解釈が間違っていたらどうしようとか、人と比べて自分の読み方が浅いかもとどきどきしたり恥ずかしくなりそう。でも積読本の読書会なら読んでこなくていいし、「ついつい積読しちゃうよね〜」という共感があるという、同じラインからはじめられるので気楽だった。

・普段あまり自分の読書体験をシェアすることはありませんが、私こんなに本についてしゃべりたかったんだ!とビックリ。気持ちよくしゃべらせてもらえる同席の方々のおかげ!

・世の中には本が沢山あるんだな!と改めて実感し、視野が広がりました。

 

お互いの読書習慣の違いを話したり、苦手なジャンルへの取り組み方のアドバイスがあったり、「積読本の特徴は、売上スリップが挟んだままになっていること」などの考察もありました。

 

 

「企業や団体の少人数のチーム研修などにもよさそう!」というアイディアも生まれました。もともとコミュニケーションが活発なチームの中で、積読本を通じて話をすることで、その人個人が何を大切に生きているかを知り、お互いの理解がさらに深められそうですね (^^)!

 

KLASSでもまたこの読書会を開催する予定です。

 

ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!!

 

 

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KLASSにはキッチンがついているので、温かいお茶をすぐお出しできるのもうれしい。

 

・・・

2018/4/11追記
参加された方が、感想を書いてくださいました。キリッと冷えた炭酸ライム水のような文章がすてき。

junkotakijiri.com

あの場で何を見てくださったのか、何をひっつかんでくださったのか、ということが知れて、書いてくださることとそれを読めることはありがたいです。

積読ってなんとなく自分ダメ感とか罪悪感があるのだけど、「なーんだ、ちゃんと自分なりの大切な理由があるんじゃん!」と思えるのが、この読書会のいいところなのかもしれません。