三井記念美美術館で開催中の日本の素朴絵展に、息子と行ってきました。
大物の展覧会が群雄割拠な東京にあって、ぼーっとしてるとスルーしそうな展覧会。
でも今回は、大津絵の展示があると聞いて見逃せなかった!!
わたしは友だちと大津絵のポッドキャスト配信したぐらい好きなのです。
「美術」と聞くとつい「ファインアート」を思い浮かべてしまうけど、それって一部の上流階級のためのものや、それで生計を立てる職人や業界でしのぎを削るアーティストの発表のための作品。
庶民レベルではもっとのびのびした愉しみでもあったんじゃないか。
美術って、もっと広くて深くて、そして人類の歴史と共に、誰にとっても身近で、日常の一部として好まれてきたものなんじゃないかな!!
…ということをガイドしてくれたように感じられた企画展でした。
日本が世界に誇る絵巻物という表現形式のはじまりが、奈良時代の、正式な美術教育を受けた人ではなく、ちょっと絵の上手いお坊さんだったんじゃないかという説は、なんだかよかった。
洗練されていない、
整っていない、
完璧でない、
あやうい、
かわいい、
ゆるい、、
幸せな気分になったなぁ。
自分もむしょうに絵を描いたり、工作したくなった。
子どもの頃、「御伽草子」や「宇治拾遺物語」が好きで、よく読んでいたから、あーこの世界観知ってる!という感じでうれしかった。
素朴絵といえば、大津絵もそうだし、白隠や北斎漫画なんかも好きだったけど、今回の展覧会で知った、仙厓、南天棒、耳鳥斎もとってもいい。
かわいさを見るだけならモニター越しでもいい、かもしれないのだけど、本物が醸す、素早く的確で迷いない筆致や、墨や土や絵の具の匂いがしてきそうな野生の感じはぜひ行って観てみてほしいなぁ。
絵画だけでなく、素朴絵に至るルーツとしての土偶や神像、狛犬、そして素朴絵と並行して密かに発展していた仏像(円空や木喰)などは現代のKawaiiに続いていることがしみじみ確認される構成になっていました。
今さら聞けない(恥…)みたいなことも、丁寧に解説が掲示されていてよかった。学芸員さん、ありがとう。
美術館に入ったときの日本近代文学館並の重厚さや渋さの印象とぜんぜん違ってて、そのギャップがまたよかったです。
中学生以下の人は無料、付き添いの大人一人まで1300円→700円になります。とてもキッズフレンドリーな美術館でもある。夏休み中にぜひ。
お能の面や装束のコレクションも充実してたはずなので、そのときにまた来たいな〜
今後のイベント
▼2019年9月7日(土) 『バグダッド・カフェ』でゆるっと話そう▼2019年9月28日(土) あのころの《いじめ》と《わたし》に会いに行く読書会 満席
https://coubic.com/uminoie/979560▼2019年10月1日(火) 爽やかな集中感 競技かるた体験会
https://coubic.com/uminoie/174356
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