ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

《レポート》10/18 『教誨師』でゆるっと話そう@シネマ・チュプキ・タバタ

シネマ・チュプキ・タバタで月に一度ひらいている「ゆるっと話そう」シリーズ。第5回となりました。

 

「ゆるっと話そう」は、映画が終わってからの45分間の小さな場。

映画観て 帰る前に
観た人同士でちょこっと話してこ!

というものです。

 

 

今回は『教誨師』。こんなご案内をしました。

hitotobi.hatenadiary.jp

 

当日は、映画好きの方、クリスチャンの方、医療福祉関係の方、カウンセリングがお仕事の方など、いろいろな立場と関心の方、8人が集まってくださいました。

チュプキが音声ガイド付きの上映をしているユニバーサル・シアターなこともあり、視覚障害のある方も。

それから、まだ映画を観ていない方もいらっしゃいました。ゆるっとは観ていない方も、他所で観てきた方も大歓迎なのです^^

 

 

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冒頭でファシリテーターのわたしから、日本の死刑制度についての状況を5分ほど共有させていただいたあと、ひとりずつ、あるいはみなさんで感想を交換しました。

 

様々な鑑賞対話の場をひらいてきましたが、正直これほど一人ひとりの感性や世界の見え方が異なることを実感した場も珍しく、あの進行でよかったのだろうか、45分という時間設定は果たして適切だったのだろうか?と会が終わってから悩みました。(それもあってレポートを書くのが遅くなっていた)

 

今あらためてふりかえってみると、その違いこそが、この映画の本質だったのだろうと思います。「人間とは何か」を見つめていくことしか、できない。一つの方向へとリードするものではないし、ただよき場をつくること。一人ひとりのその場でのよりよい体験を考え抜くこと。

主人公の佐伯(大杉漣)が、劇中で死刑囚と対話を重ねるうち、自らの宗教者としての役割や一人間としてのあり方を迫られ、見出していく過程に圧倒されるのですが、わたしも場に居ながら、それを自覚していくような感覚をおぼえていました。

 

自分の役割は何か、なぜ場をひらくのか、自分はどのようにそこに居るか...。

罪とは何か、罰とは何か、生きるとは何か、死ぬとは何か、人間とは何か...。

何が人間を生かすのか、何が人間を行動させるのか。

 

 

 

・この映画が観られてよかった。

・周りの人にも勧めたい。

・一人で観ているが多いが、他の人の感想が聴けてよかった。

・時間がもっとほしかった。

・観るのが楽しみになった。

などいろんなご感想をいただきました。

 

とてもひと言では語れない、幅広いテーマを持っている映画です。

大杉漣の主演の遺作でもあり、機会をつくってぜひ観ていただきたい一本です。

この映画に出会えてよかった。

 

 

監督のインタビューも読んでみてほしいです。

www.christianpress.jp

 

 

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次回のゆるっと話そうは、11月22日(金)『おいしい家族』です。

chupki.jpn.org

 

詳細は後日UPします。少々お待ちください。

 

 

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