ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する鑑賞の場づくりを通して考えることなど。

ありがとう、MET Opera!

COVID-19感染拡大の影響で、公演ができなくなり、ライブビューイングも上映できなくなってから、毎日、良質の公演映像を無料のストリーミングで届けてくれる、メトロポリタン・オペラ。

https://www.metopera.org/

ライブ・ビューイングの過去のストックなどから配信してくれています。

 

 

きのうは、40人以上のアーティストが参加するライブ配信、"At-Home Gala"のプロジェクトがありました。自宅から、故郷から、美しい音楽を4時間以上にわたって届けてくれました。

ontomo-mag.com

 

アメリカでのこのウィルスの状況を考えると、もちろん単純に数字だけでは測れないけれども、日本の東京に暮らしているわたしとは、また全然違った感覚でいるであろう人々。

オーケストラの団員の中には、感染が元で亡くなった方がいたようで、賛美歌がその方に捧げられていました。

音楽を通して悼みを共にし、愛や友情や希望を奏でる姿に、涙が止まりませんでした。

 

 

この機会に、ドネイトしました。

 

このドネイションは、わたしにとって、日頃の感謝とサポートの表明でもありましたが、同時に、

・作り手や届け手への敬意を持ち続ける、
・無料コンテンツとして消費はしない、
・観客としての誇りを失わない、

という覚悟でもありました。

 

その芸術のクリエイションのために、どれほどの時間とエネルギーが割かれてきたかを考えれば、わたしだって決して家でだらりと観ていたいのではないんだ!

然るべき館で、然るべき服装で、然るべき金額でこの芸術の素晴らしさを受け取りたい。

無料に慣れたくないという話をきのう鑑賞仲間と交わしました。

 

もちろん、日常の暮らしの中で、一流のパフォーマンスにふれられるのは、一方ですごくうれしい。

家でごはん作りながら、お皿を洗いながら、パソコンで仕事をしながら、聴けるのはうれしい。鑑賞仲間とわいわいチャットしながら観られるのも、新鮮でうれしい。

今までハードルが高いと感じていた人が、気軽にオペラの世界にふれられるのは、全体の認知や販路拡大にも繋がって、うれしい。

 

ドネイションにしても、全員がそう「するべき」とも思わないし、全員がそう「できる」とも思わない。

 

ただ、その真価を知る者は率先してやることがある。

ドネイションに限らず。

それを、あらゆる芸術や文化に対してのわたしの態度としていく。

 

 

今回あらためて感じているのはもう一つ、「この大切な文化の存続のために、ドネイトしてね」とまっすぐにリクエストできることへの羨ましさ。

芸術や文化が社会にとって、市民にとって、大切なものとして存在している。社会とそのコンセンサスが取れている。歴史や土台。

わたしが生きている社会には、これがまだまだ足りないんだ、という悔しさ。

これもあらためて刻んで、自分のお仕事をしていこうと思います。

 

 

今後、公演や開催の形態は少しずつ変わっていくと思います。

わたしが生きている間にもバーチャルで体験できることは増えていくでしょう。

 

でも人間の身体の可能性に気づき拡張してくれるような、あの振動は、あの魂の震えは、まだしばらくライブでしか味わえないと思いたい。

 

わたしは、その体験をこそ、愛しているのです。

 


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*追記*

きょうのメトの配信は、ロッシーニの『チェネレントラ』。

カーテンコールまで観ていて、涙が出てしまった。

またこんなふうに人々が集って、美しい舞台を観ることができますように!!

 

《レポート》おうちで映画を観にいこう第1弾、ひらきました

おうちで映画を観にいこう第1弾、ひらきました。


▼イベントの内容はこちら

whydontwegotocinema1.peatix.com

 

これは、

UPLINKの映画配信システムから選んだ作品を、
参加者それぞれが、自分のおうちで同時再生して、
終わってすぐZOOMで集まって感想を話す。

という、今回参加者さんと共同で開発した、鑑賞対話ワークショップの型です。

 

平時であれば、映画館に観に行って感想を話す場がつくれればよいのですが、今は映画館は休業せざるを得ない状況。また、観客のほうも緊急事態宣言が出て、外出しづらい状況。

映画業界もサポートしながら、自分たちの交流や刺激のニーズも満たせる方法があるんじゃないの?ということで生まれたプログラムです。

場の中でお金をとって映画を再生するのではなく、映画料金は別途利益になるように払われている。

しかもUPLINKの「60本見放題」というプランを使っているので、このイベントが終わっても3ヵ月ずっと楽しめる。

www.uplink.co.jp

 

みんながハッピーになれる、我らながら大変すばらしいプログラムです!

 

 

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さて、今回の『ホドロフスキーのDUNE』、わたしは観るのは3回目でした。

 

いやぁ!

何回観ても衝撃だし、笑ってしまうし、美しいし、時間や場所を超えるし……まるで神話のようです。また元気が出ました。

スペシャルな能力を持った戦士たちを集めて旅をしていくところも好きだし、

ホドロフスキーの信念とチャーミングさにふれると(映画ごしだけれど)、なんだかすごく自分の中で励まされたり癒えるものがあって、いつも不思議なのです。

これぞサイコマジック!!

 

来てくれた方々は、「初めて観たけれど期待を上回ってすっごくよかった!」とのことでした。よかった。

 

上映が終わってからの感想では、

 ・ホドロフスキーがとにかく最高
・固定概念がふっ飛ばされる
・でも「オッサン」の過去の栄光話にならないどころか、見ていて気持ちいいの不思議
・自分もこんなふうにあとから映画にされたい
・生存者バイアスがかかっていい話になってるのか、陰で泣いてた人がいるのか
・絵コンテが美しい。あんなふうに絵描けるようになりたい
・このドキュメンタリーの監督は、伝説を残したい!絵コンテ動かしたいって思ったはず

などなど、

たくさんの話題が出て、1時間弱でしたが、みっちりたっぷり話しました。

\大満足/

思った以上に、ほんとうにみんなで映画を観に行った感じがしたし、解散して家に帰るのもすぐ(っていうかうちだし)というのもよかったです。

 

オンラインで観て話すには、やはり映画は90分程度の尺がちょうどよいですね。

次回は、
ラ・チャナ
・光のノスタルジア
顔たち、ところどころ
シーモアさんと、大人のための人生入門
・ラッキー
サーミの血
のいずれかからピックアップします。

金曜日か土曜日の夜に考えております。
リクエストがありましたら、お気軽にお知らせください!

 

seikofunanokawa.com

 

ただいま、カミュ『ペスト』を語ろうも募集中です。
4/26(日)午前です。

 

 

鑑賞を生きる力に。



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ひととびセレクションのはじめにあたり

ひととびセレクションのはじめにあたり

《ひととびセレクション》は、鑑賞対話ファシリテーター・舟之川聖子がセレクトする表現作品を真ん中に、感想をわいわい語り合う集いです。
本(読み物)、映画(映像)、舞台、美術など、さまざまなジャンルの、古典から現代までの作品を、毎回幅広く取り上げます。
わくわくの好奇心を手がかりに、一緒にめくるめく鑑賞の旅に出かけましょう。

 

日本に新型コロナウィルス(COVID-19)が上陸して以来、刻々と状況は変化に対応するため、わたしたちはたくさんの努力を払っています。

次々を流れてくる膨大な情報やコンテンツから、自分に有益なものを見つけ、瞬時に目を通してはストックする作業を習慣づけています。そして、いつの間にか、自分一人VS世界のサバイバルモードにいて、疲れきっている。そんな状態にありませんか?

少なくとも、わたしはそうなっています。

 

今回シリーズで場をひらくのは、一旦立ち止まって、他者との「鑑賞」の時間を持とう、という提案です。

 

静かな気持ちで、対象を手でさわって、目で見る、聴く。

よく観察した結果を場の中で話してみる。

言葉にして自分の音を聴く。人の音を聴く。

 

言語による自己表現は、
激流の中でも自分を失わずに、
今日を生き抜くためのサバイバルスキルです。

 

わたしが危惧しているのは、人々がなるべく表現しないように、話さないようにしよう、という方向へ向かっていくことです。

誰かを傷つけるかもしれない、間違っているかもしれない、糾弾されるかもしれない、ということを恐れるあまり、口をつぐみ、考えないようにし、感情に蓋をしたり、別の感情や論理にすりかえていくことです。


公には発信しづらい。かといって、雑談や放談では安全性が担保されにくい。

「うっかり」言ってしまったことによって、信頼や信用が損なわれ、人間関係が悪くなることは、今もっとも避けたいことです。

 

このようなときには、対話の場が役に立ちます。

ファシリテーターのいる、安心安全で健やかな対話の場です。

ルールを敷き、境界線を守りながら、自分の感情や意見を表現できるところです。

テーマそのものを語ると概念的で抽象的になるため、特定の作品や表現を真ん中に置き、鑑賞します。

 

芸術作品から、今まさに発されている同時代の表現者の記事まで、幅広い選択肢の中から、わたしがセレクトして鑑賞対象とします。

 

まずは、今もっとも語りたい作品、カミュの『ペスト』を皮切りに、週1〜2回のペースで開催していきます。

オンラインの場に気軽に参加してもらうため、時間は75分を目安とし、参加費も廉価に抑えます。

作品は無料または廉価に入手可能な素材で行います。

作品提供元に対しても益になる場を目指します。

 

今後、興味のある回がありましたら、ぜひご参加ください。

あなたにぴったりのタイミングに、ぴったりの作品と出会えますように。

 

 

こちらでお知らせしていきます。

Peatix

hitotobi.peatix.com

 

Facebook

https://www.facebook.com/funanokawaseiko

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鑑賞対話ファシリテーターへのご依頼は、こちらの公式サイトから。オンラインの場づくりもお任せください。

seikofunanokawa.com

 

Facebookページをつくりました

Facebookページをつくりました。
 

https://www.facebook.com/funanokawaseiko/


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Facebookでプライベートのアカウントで公私取り混ぜて発信していると、本業が見えにくくなったり、宣伝がしづらいなぁと感じ、分けてみました。

すっきりしました。

Facebookユーザーの方は、いいね👍していただけるとうれしいです。

 

 

他にもこのようなところで発信をしています。

twitterhttps://twitter.com/seikofunanok (日記、メモ、告知)
instagramhttps://www.instagram.com/seikofunanok/ (写真日記、展示)
blog: http://hitotobi.hatenadiary.jp (告知、開催レポート、鑑賞記録)
note: https://note.com/hitotobi (理論、意見、エッセイ)

 

コンセプト、サービス、実績、仕事依頼は公式サイトへ。

seikofunanokawa.com

《お知らせ》4/16 ひととびセレクション #1 カミュ『ペスト』を話ろう

《ひととびセレクション》は、鑑賞対話ファシリテーター・舟之川聖子がセレクトする表現作品を真ん中に、感想をわいわい語り合う集いです。
本(読み物)、映画(映像)、舞台、美術など、さまざまなジャンルの、古典から現代までの作品を、毎回幅広く取り上げます。
わくわくの好奇心を手がかりに、一緒にめくるめく鑑賞の旅に出かけましょう。



さて、第1回はカミュの『ペスト』をピックアップします。

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フランスの作家カミュが70年前にペストの流行を題材に書いた小説ですが、新型コロナウィルス(COVID-19)の感染が続く中、再び注目を浴びています。日本国内の文庫版はこの2ヵ月でなんと15万部増刷、累計発行部数が100万部を突破したそうです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200408/k10012376431000.html

古典の海外小説がこのような売り上げを見せるのは、異例のこと。
「全ての言葉が現代の状況を予言しているように見えて戦慄を覚える」というこの書に、わたしたちは何を求めているのでしょうか。
自分の実感の言葉をつむぎながら、この難局を乗り切るヒントを引っつかみに行きましょう。

奇しくもこの物語はイベント日である4月16日からはじまるのです。

因縁を感じずにはいられません!!



本を読んでいなくても、Eテレの番組で観た方はご参加いただけます。本も読了していなくてOKです。

100分de名著一挙アンコール放送・カミュ『ペスト』
https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/77_camus/index.html

Kindleカミュ『ペスト』
https://amzn.to/2XqX3Ow

タイムゾーンの違う方も、時間の都合がつきましたら、ぜひご参加ください。
今世界中で共に経験していることを、小説を通して一緒に解釈していきましょう。

お申し込みお待ちしております。

----イベント詳細----

▼日 時:
2020年4月16日(木)13:00〜14:15(開場12:50)
 
▼参加費:
¥2,000

▼定 員:
5名

▼参加条件: 

カミュ『ペスト』の本を読んだ方(読了してなくてOK)

 または 

 4/11(土)15:00〜NHKEテレで再放送の『100分de名著・ペスト』を観た方

 https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/77_camus/index.html
・オンライン会議システムZOOMが利用可能な方。
 当日のお部屋IDはお申し込みの方にご連絡します。
・ビデオONで参加できる方(お顔を見て話したいので)

 

★申し込みはこちらから★

hitotobiselection1.peatix.com




▼キャンセルポリシー:
4/13まで:0%
(返金いたします。ただしコンビニ・ATM払いでチケットを購入した場合は、Peatixによる一律500円の手数料がかかります)
4/14〜当日:参加費の100%がかかります
(返金いたしません)

 

---問い合わせ---

コメント欄 または office★seikofunanokawa.com (★→@)へお気軽にどうぞ。

舟之川聖子(鑑賞対話ファシリテーター

鑑賞を生きる力に。共有したい・伝えたい・遺したいものがある人や団体と、集う一人ひとりが豊かに学ぶ場をデザインします。
田端の映画館シネマ・チュプキ・タバタにて、月に一度『ゆるっと話そう』を開催中。
twitterhttps://twitter.com/seikofunanok
blog: http://hitotobi.hatenadiary.jp
note: https://note.com/hitotobi
hp: https://seikofunanokawa.com/

《お知らせ》4/17 おうちで映画を観にいこう #1 『ホドロフスキーのDUNE』

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映画好きの皆さんへ。

感染症の流行に伴い、映画館に行けない・行きづらい今日この頃。辛いですよね!
映画や映画をとりまく文化や芸術が危機に陥っているのも、辛いですよね!

やっぱりわたしたち、映画が観たいよ!
映画文化の灯は消せないよ!

そこで「わたしたちといっしょに映画を観にきませんか?」
という企画を立てました。(アイディアをくれた友人に感謝!)

♩上映開始時間を決めて
♩オンライン会議システムZOOMで待ち合わせして
♩「じゃあ見おわったら出口で待ってるね」って別れて
♩自分の席(モニター)で映画を見て
♩上映が終わったらまたZOOMに集まって
♩おうちカフェしながら感想を話す

どうでしょう?楽しそうでしょう?

まずは週に1回、3回シリーズでひらいてみます。
この3回は、UPLINKのオンデマンド配信システムから観られる作品をピックアップすることで、UPLINKも応援します!

アップリンク作品 60本見放題
https://vimeo.com/ondemand/uplink60/


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第1回は『ホドロフスキーのDUNE』
https://www.uplink.co.jp/dune/

世界を変えた未完の大作をめぐる、あなたに勇気を与える物語。

たとえホドロフスキーを知らなくても、『DUNE砂の惑星」を観ていないくても、SFファンじゃなくても、まったく問題なし。
『失敗しても構わない、それも一つの選択なのだ』をひたすら宇宙規模で受け取り続ける90分。
今見るにふさわしい一本です。
この場も、もしかしたらなんかやらかすかもしれないけど、それも一つの選択になる!^^

映画終了後に話すコーナーでは、
《感想を積極的に話したい人の席》と《人の感想を聞いていたい人の席》をそれぞれご用意しました。
お好きな方法でご参加ください。

お申し込み、お問い合わせ、お待ちしております!!


----イベント詳細----

▼日 時:
2020年4月17日(金)19:50〜22:30
 お部屋は19:30ごろから開けております。
 待ち合わせ:19:50
 上映開始:20:00(遅れないでね!)

▼参加費:
¥2,000

▼定 員:
感想を積極的に話したい席(基本ビデオオン):4名
人の感想を聞いていたい席(ビデオオフ可):4名

▼スケジュール:
19:30 開場
19:50 集合、連絡
20:00 上映開始(いっせーのーで、で再生ボタンを押します。上映中はZOOMでの会話なし)
21:30 上映終了、休憩
21:35 感想トーク
22:30 散会


▼参加条件: 
・ZOOMが利用可能な方。
 https://zoom.us/jp-jp/meetings.html
 当日のお部屋IDはお申し込みの方にご連絡します。
・UPLINK作品 60本見放題を購入した方(UPLINK応援企画でもあるという趣旨のため)
 https://vimeo.com/ondemand/uplink60/
・できれば「一緒に映画を観にいく(同じ時刻に鑑賞体験をする)」ということをやってみたいのですが、予定が合わない方は、別日で観て、開始前の顔合わせと感想だけしゃべりに来る、も歓迎です。申し込み時にお知らせください。

 

▼申し込みはこちらから▼

whydontwegotocinema1.peatix.com




▼キャンセルポリシー:
4/14まで:0%

(返金いたします。ただしコンビニ・ATM払いでチケットを購入した場合は、Peatixによる一律500円の手数料がかかります)
4/15〜当日:参加費の100%がかかります

(返金いたしません)


---問い合わせ---

コメント欄 または office★seikofunanokawa.com (★→@)へお気軽にどうぞ。

舟之川聖子(鑑賞対話ファシリテーター

鑑賞を生きる力に。共有したい・伝えたい・遺したいものがある人や団体と、集う一人ひとりが豊かに学ぶ場をデザインします。
田端の映画館シネマ・チュプキ・タバタにて、月に一度『ゆるっと話そう』を開催中。
twitterhttps://twitter.com/seikofunanok
blog: http://hitotobi.hatenadiary.jp
note: https://note.com/hitotobi
hp: https://seikofunanokawa.com/

*このイベントはUPLINKの公認イベントではありません。

映画『ダンシングホームレス』鑑賞記録

映画『ダンシングホームレス』を観た。

https://thedancinghomeless.com/

 

tHe dancing Homeless  大文字のHが肝心。


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新人Hソケリッサ!には個人的にずいぶんお世話になった。 

映画についての感想を出す前に、これまでの思いを一旦置きたくなった。

note.com

 

ふぅ......。

 

 

さて、そんなわたしの映画『ダンシングホームレス』 の感想。

 

 

わたしは、能楽クラシックバレエなどの型のある踊りや舞が好き。

一部の隙もない完璧な様式美の世界。

 

一方で、ソケリッサの踊りも好き。

その人の人生を湧き上がらせて身体を使い尽くす踊り。

その人でなければ表現できない唯一無二の踊り。

 

「身体はダンサーらしくないけど、見てると一生懸命やってるのが伝わってくる」

うん、やっぱり見ちゃうと思うんだよね。

目の前で死にものぐるいで何かを表現しようとしている人がいると。

自分の中に何かが喚起される。

 

 

どちらかが優れているわけでも劣っているわけでもない。

どちらも表現。

どちらも矛盾なくわたしの中にある、美の感覚。

 

ソケリッサを率いる(代表ダンサー?)アオキさんが言っていた、

型をやることで死んでしまう人もいれば、

型によって生きる人もいる。

 ということなのだろうな、まさに。

 


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四谷の練習室で一緒に踊らせてもらった、アオキさんや横内さんや小磯さんをスクリーンで見られるのは、うれしい。

本人の言葉で、こういう形で、人生が語られるのを聞けるのは貴重だ。

そうだったのか、そういう背景があったのか、そんな出来事があったのか。

うんうんうん、とただただ聴いていく。

 

当たり前だけど、ホームレスという名前の人はいないのだ。

お母さんやシングルマザーという名前の人がいないように。

 

 

三浦監督がまた、絶妙の存在感と立ち位置でおじさんたちといるところがおもしろい。

素朴な質問をぽんぽん投げていく。

でもそれは社会のルールとは違いますよね?

ホームレスになったことは後悔してない?

なんで英語しゃべれるんですか?

お金、なんで足りないの?

 

あ、わたしもそう思ったんですよ、でも聞きづらいよねということを、どんどん聞いていく。時間をかけて関係性をつくってきている。

最初は父親の話は勘弁してほしいと話していた男性も、だんだんと話してくれるようになった。「三浦さんはいいなぁ」というくだり、よかったなぁ。

人との出会いで、人生が変わっていく。

 

時代や、男の人であるということのしんどさなども、もしかしたらあるんだろうか。

おじさんたちは子ども時代に十分に父性を満たされなかったのかもしれない。

そして今アオキさんに出会って、満たされているのかもしれない。

父のイメージが、新しい父性の象徴であるアオキさんによって書き換えられているところなのかもしれない。

師匠であり、仲間であり、新しい世界を見せてくれる父。

そんなことも思った。

 

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手持ちカメラの揺れや、都市の騒音に驚いた。

特に音のほうは、そうか、都市ってこんなにいろんな音がしているんだとあらためて思った。

以前、日比谷のミッドタウンの前でラジオの収録をしたときに、静かだと思ったけれど、録音したのを聞いてみると、パッと数えるだけで30こぐらいの種類の音がしていた。メンバーがビッグイシューを販売している場所や、寝床にしている場所などは、映画から聞こえていたように、いつもたくさんの大きな音がしているのだろうか。

さらに、思い出したのは、外にいるとそれだけで疲れるだろうなということ。子どもの運動会やキャンプやバザーや一箱古本市などで一日外にいるときに、いつもよりどっと疲れるあの感じが毎日続くのだろうか。

 

アオキさんが、「辛いことや嫌なことは無理をしてやらなくていい」と言っていたので、「わたしもうマジで無理」ってなる前に帰ろうと思っていた。

でもまぁ、結局ぜんぶ見ちゃった。

最後におさめられているパフォーマンス、『日々荒野』はどうしても観たかったのだ。

 

 


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いろいろ読んだ中で、このレビューが一番心に残った。

【Review】『ダンシングホームレス』「世間の目」を越えた先の光景 text 柴垣萌子 | neoneo web

アオキが発する「社会のルールがいいですか」という言葉は、ただの反骨心から来る奇を狙った発言ではなく、重みと説得力、また冷静さが確かにともなっていた。

わたしも、そう感じた。
トレイラーで観るとそこだけが切り取られているから、挑発的に見えるんだけれど。流れの中にあると、アオキさんの誠実さと言行一致ぶりだけが受け取れる。

 

 

三浦監督とアオキさんの対談もよかった。

路上生活者が生み出す身体表現を映す「ダンシングホームレス」 振付のアオキ氏「新しい価値観を提供したい」 : 映画ニュース - 映画.com

 

公開がこのような時期にぶつかってしまって、ほんとうだったらやるはずだったイベントなども中止になり、不運なことだ。

でも、違う時期に、違う形で、日の目を見るはず。

たくさんの人に、ソケリッサの表現に出会ってほしいなぁ。

 


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これを書いているのは2020年4月7日。

先ほど、東京など7都府県を対象に、法律に基づく「緊急事態宣言」が出た。

 

ミニシアターを救え!プロジェクトが発足。

外出自粛や緊急事態宣言による経済的補填を日本政府に求めるなどのキャンペーンがはじまった。この国における文化や芸術政策の問い直しを迫る動きになりそう。

http://chng.it/QDyNdKcX4b

 


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イメージフォーラムに向かう途中で、ちょうどビッグイシューの販売員さんがいた。買いそびれていた号があったので、ちょうどよかった。そう、バックナンバーもお持ちなんですよ。


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感染症の流行で都市部を歩く人が少なくなっていて、販売が困難になっているそう。

https://www.facebook.com/bigissue.jp/posts/2971029862920117

 

厳しいときだけれど、まずは命を大切に。

 

ジャッジをしない。感じるだけ。

そのときに生まれたことをただつなげていく。

 

わたしもわたしなりの祈り方で、できることをしていきます。

 

 

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鑑賞対話ファシリテーター、場づくりコンサルタント、感想パフォーマー

seikofunanokawa.com

《レポート》最終回・爽やかな集中感 百人一首と競技かるた体験会、ひらきました

3月23日、横浜の"Umiのいえ"での百人一首と競技かるた体験会でした。

coubic.com

 

初回が2018年11月。だいたい2〜3ヶ月ごとにひらいて、ちょうど7回目。

今回で一旦最終回とすることにしました。

 

女将の麻紀子さんがこんなメッセージを出してくださいました。

秋は秋の、冬は冬の歌を解説してくれる講師 聖子さん。
彼女の解説がやわらかいから、ノリやすい。
参加者も、その歌を眺め、あーだこーだと、思い思いにイメージした情景や心情を語り合ってみる。
どれが正解かなんてわかりませんが、昔の人の目線や皮膚感、そこにいる人影を、思い浮かべてみるのはなんて楽しいの!
そして、いくつかの歌に馴染めたところで、いざ本番!!
たった一枚取れただけでも、興奮!!
パソコン仕事では使わない脳みそを、フル活用してるみたいで、
めちゃくちゃ爽快です。
この競技かるた体験会は、この3月で一旦終了です。
最終回にぜひお越しください。
初心者さん、学生のとき以来の方でも大丈夫ですよー。
ご一緒しましょうね!(まきこ)

 

 

桜が咲き誇る時期。いつもよりも1週間から10日早い。


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常連さんとUmiのいえのスタッフさんたちが集ってくださいました。
 
 
前半は、テーマを決めてのレクチャーの時間。
 
疫病と令和版百人一首リレーの話をし、歌を鑑賞しました。

・疫病
平安時代に疫病が流行っていたときに、人々はどうしていたのか。千年前も希望をつないでくれたから、今わたしたちがここにいるのだろう。
折しもツイッターで、「アマビエ」が流行。いつの世もやれることはやったら最後は「祈る」になるのかな、など。
 
・令和版百人一首リレー
1歌人1首のフォーマットがユニークで人の心をワクワクさせる。折しも、これまたツイッターで展開していたリレー。ある家庭教師が発案したもの。
 
 
・観賞  部立の説明をしつつ、今の気分でこの三首をご紹介しました。
 
花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり
 
春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなく立たむ名こそ惜しけれ
 
世の中は常にもがもな渚漕ぐ 海士の小舟の綱でかなしも

 


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何冊かテキストを使いながら、それぞれの歌の意味や背景などを解説し、皆さんで鑑賞しました。

思いがけない視点もあって、やはりこの時間もとても楽しい。

ある程度コンセンサスのとれた史実も、それはそれで知識として持ちつつ、ほんとうのところは想像するしかない、ということも大事にしたい。

今のわたしたちの感覚をもって想像したり、「自分にとってのその歌」を味わいたい、関係をつくりたい。

 

 

対応する下の句(取り札)。きょうはこれをがんばって取ってみましょう。


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後半は、競技かるたの時間。

取るという行為を通じて、身体ごと歌を味わってみる。


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読み上げが好きになって、自ら手を挙げてくださる方も。上達してらっしゃる!

 

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この体験会は、百人一首や競技かるたが持つ本質に触れることで、参加者一人ひとりの内で起こる変化を大切にしています。

これは、教育普及講座とは違うものを目的にしています。

競技かるたの選手になってほしいわけではない。
百人一首だけにどっぷりハマってほしいわけではない。

ただ、この体験にふれて、自分自身の前後での変化を感じてほしい。
世界の豊かさを発見してほしい。

 

そういう思いが、なんだか届いているなぁ、と感じました。

 

 

 

おまけの散らし取り。

ワーキャー盛り上がりました。


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集合写真とふりかえり。


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感想をいただきました。

・決まり字はわからないけれど、上の句を読まれたときに、なんとなく下の句はこの歌じゃないかなってわかるようになってきた。

・好きな歌が取れてうれしい。もっと覚えたい。

・時代をトリップできる貴重な時間だった。

・競技かるたの時間の読みが楽しかった。

百人一首の楽しさを思い出した。これからも味わう時間を持ちたい。

・勝ち負けがはっきりつくようなことを大人になってからやっていないなと気づいた。 

などなど。

皆さんと2時間たっぷりいい時間が過ごせました。

 

 

一首の歌に込められた情景や感情に浸る。

一枚の札を取りながら千年前とつながる。

百人一首も競技かるたも、ずっとそこにあったもの。でも馴染みのなかった方や、忘れていた方には少し隔たりがあったかもしれない。この体験講座を通じて、その隔たりに橋を架けられたことがうれしいです。いいお仕事ができました。


思い出したときにまた橋を渡ってみてくださいね。

きっとまた新しい景色が見えると思います。

 

ご参加くださった方、ご関心をお寄せくださった方、ご紹介くださった方、Umiのいえの皆さん、ありがとうございました!

 

 

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鑑賞対話ファシリテーター、場づくりコンサルタント、感想パフォーマー

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4月の〈ゆるっと話そう〉はおやすみします。

シネマ・チュプキ・タバタで毎月ひらいている〈ゆるっと話そう〉は、
新型コロナウィルス(COVID-19)大流行のため、4月はおやすみします。(5月もおそらく)

 

理由は3つ。

1.  場をひらくと、それを楽しみに遠方からでも来てくださる。
 それはもうびっくりするような遠くからいらっしゃることもある。
 普段なら、ほんとうにうれしく幸せなことなのですが、今は人の移動を起こしてしまう責任を伴います。


2. 映画を観て帰るだけなら感染のリスクが低かったとしても、「ゆるっと話そう」はどれだけ工夫しても、集まって何かしらしゃべることになり、リスクが高くなる。

 

3.  わたし自身も感染しているリスクがゼロではない。

 

 

シネマ・チュプキ・タバタは、たくさんの試行錯誤を重ねながら、今のところは営業されています。

chupki.jpn.org

 

もともと20席ほどの小さな小さな映画館。この状況は大打撃でしょう。

でも、「映画の灯は消さない」「映画を止めない」とおっしゃっているから、わたしも心から応援します。

チュプキを愛している方々は、すでにいろいろな形で応援されていると思うけれど、もし足を運べなくてもこういう方法もありますよ、というご紹介まで。

 

▼サポーター会員になって応援できます。

chupki.jpn.org

 

▼招待券やTシャツなどを買って応援できます。

chupki.thebase.in

 

 

「ゆるっと話そう」がまた再開できるときを楽しみにしています。

 

これまでやってきたことをふりかえりながら、対面で集まる以外のことを模索し、活動していきます。

 



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映画『タゴール・ソングス』から数珠つなぎの詩の話

詩の話。

 

映画『タゴール・ソングス』の監督・佐々木美佳さんが、タゴールの詩を自分の言葉で訳してくださっている。

note.com

 

ガチガチの理屈や現実主義の言葉に、心も体も疲れて防御的になっているとき。

スッと入っていくのは詩の言葉。

伝達でも依頼でも要求でもなく。観念的な心情の表現。音律としての言葉。

 

「奈良少年刑務所詩集」についての記事でも書いたけれど、日常のおしゃべりとは違う言葉だからこそ心に響く。

 

 

これを書いている途中にツイッターに流れてきたこの詩も、情報伝達の波間をかいくぐって、手の中にやってきてくれたようだ。

 

何度も声に出してみると、馴染んでくる瞬間がある。

いつまでたっても馴染まない詩もある。

これらは何が違うんだろうなぁ。おもしろい。

 

 

詩が流れてくるといえば、「谷川」というアプリを愛読?(愛用?)している。

詩を釣る、キャッチする。リリースされてもう9年経つけれど、時代を超えていると感じる。商品でもあり作品でもあり、商品でもなく作品でもない存在。(それって何だろう)

www.kayac.com

 

 

そうそう、谷川俊太郎さんといえば。

年末に行った早稲田大学演劇博物館の「コドモノミライ 現代演劇とこどもたち」で、詩の授業風景の展示があった。日本劇作家協会による、自分と他者を発見していくプログラム「2時間からできる演劇授業用例集」の映像。

そのうちの一つが詩で、谷川さんが先生。

自分の心や気持ちを一生懸命表現しなくてもいい。

言葉を出発点に、言葉で遊ぶ詩の書き方もある。 

たとえば、自分のなまえを並べてその頭文字を先頭に詩をつくっていくやり方もある。

わたしの場合だと、

  こ い せ わ か の な ふ

縦書きで、ではじまりで終わる詩をつくる。

たとえばこういうこと。

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このとき追求するのは、おもしろさ。突拍子のなさ。支離滅裂さもおもしろさ。

でもそれが続いてもまたおもしろくない。

このさじ加減がむつかしい!

上のはいまいちだなぁ。。

 

あるいは、「つみあげうた」もまた詩。

『これはすいへいせん』キャンペーンサイト 【金の星社】

 

 

 

 

短歌も俳句もまた詩。

はじめて『短歌研究』を買ってみた。付録の『短歌研究ジュニア』もいい。こういうのを読みたかった。

 

 

昨年冬至のコラージュの会でのわたしの作品。今年のテーマはなぜか「詩」だな、とインスピレーションが降ってきた。それもあって、個人的に『タゴール・ソングス』が気になっている。

 

「詩のない場所に詩を持ち込む」

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映画は4/18(土)から。なかなか厳しい状況の中での公開だけれど、陰ながら応援している。トレイラーもよくて、何回も観てしまう。

tagore-songs.com

 

公式Facebookページ公式ツイッターでたくさんのタゴール・ソングスを紹介してくれている。

製作・配給は、昨年『沈没家族』を語る会でお世話になった、ノンデライコさん。

 

 

タゴールの詩集を注文した。

読んだらまた書きたいことが出そう。

 

 

ああ、なんだかむしょうに、美しい音楽と詩の言葉に触れたい。

 

 

 

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《レポート》映画『37セカンズ』でゆるっと話そう

シネマ・チュプキ・タバタ映画『37セカンズ』でゆるっと話そうをひらきました。

chupki.jpn.org

 

〈ゆるっと話そう〉は、映画を観た人同士が感想を交わし合う、45分のアフタートークタイム。

6月から毎月開催してきて、今回が10回目となりました。

 

未曾有の感染症が世界を席巻している今、対面の場をひらくことがいいことなのか、すごく悩みました。チュプキさんとも何度も相談を重ねて、最終的に実施することにしました。

わたしの思いとしては、なんらかの事情で家にいられない人、孤立していて不安で辛い人もいると思う。日常を営んでいる場所、安心やつながりを感じられる機会が、どこかにあってほしい。「映画を観に来てよかったな、ホッとしたな」と感じてもらえたら。

もちろんそれが主目的ではなく、映画の話をするための集いではありますが。

 

このような状況の中でひらくのは、プレッシャーやストレスもありました。

でもチュプキは20席ほどの小さな映画館。今の時期はお客さんの入りもゆるやかで、お客さん同士は離れて座っている。入館前の消毒や、体調不良のときのキャンセル、マスク着用など、とても協力的とのこと。

 

一つ所に集まること自体がリスクになる状況ではありますが、それでもこの映画自体がとても希望にあふれるものだから、やはり今、語りたいと思いました。

 


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できるだけ接近しての会話を少なくするために、進め方をいつもと変えて、「しゃべらずに話す」という方法を試みました。

これは、感想を交わすためにしゃべる以外のコミュニケーションだってあるだろう、と考えていたときに、チュプキがユニバーサルシアターであることを思い出し、筆談のようなことができないかと思い立ったものです。

感想を文章でも、単語でもいい、色や形でも表現しながら、みんなと話したような気持ちになれたり、一体感を味わえるようなことをやってみよう。

チュプキのスタッフさんと相談しながら準備しました。

 


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日劇場に着いてみると、ゆるっと話そうのリピーターさんや、「やっと参加できる」と楽しみに来てくださった方もいらっしゃり、なんと10名もの方がご参加くださいました。

このような状況下で、ほんとうにありがたいことです。 

 

常連さんから桜茶の差し入れがあったので、お配りしました。蓋を開ければ小さなお花見!きれい。

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当日はこのように進めました。

・好きな色のペンを手に、A4用紙の真ん中に、映画を観たばかりでほやほやの感想を一つ書く。

・それをお隣の人にまわして、コメントを書いてもらう。

・またそれをお隣の人にまわしてコメントを書いてもらう。

・常にだれかの用紙が手元にあって、まわしていくたびにコメントが増えていく。

・最後自分のところに戻ってきたものには、たくさんのおしゃべりの跡がある、という具合です。


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黙って書いているのに、コメントを読んでいるとみんなでわいわい話している気持ちになる。


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視覚障害の方にはガイドさんがついて、説明や代筆をしてくださっている。自分で書く方もおられました。


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最初のコメントが一人ひとり全く違うところからスタートしているので、一枚ごとの紙面で独自の話題が展開していきます。文字や絵を見てそれに加えていく会話は、誰が書いたのかわからないという匿名性もあいまって、口頭でしゃべるときには味わえない体験となりました。

一人として同じ視点からのコメントがなかったのが、参加してくださった方々の創造の力であり、このワークの力でもあり、そして何より映画の力だったのでしょう。

印象に残ったところ、好きな登場人物、疑問に残ったこと、映画から受けた影響、思い出した自分のことなど、映画についてたくさん話しました。


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こちらの紙はお持ち帰りいただいて、鑑賞の記念にしていただきました。

 

 

もう一枚、チュプキに置いていっていただくカードを書いていただきました。

感想を「話した」ことで深まった映画への思いや、きょうの場についての感想、今の気分などを文字や絵で残してもらいたい。

 

皆さんの思いが劇場の内扉に集まりました。

 

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文字で表現してくださった部分の書き起こしです。

 

・どこへ行こう?あなた次第よ。いつも胸に持っていたいです。

・ゆるっと話そう。紙面で。口頭での対話よりも流れていってしまわないから、細かくお話できて、とてもおもしろかったです。また他の作品でも参加してみたいです。

・主人公のユマちゃんがとにかく可愛い!くるくる変わる表情、たおやかな演技!展開も飽きさせないし、美しい風景もあり、面白く感動できます。素敵な映画です。シネマチュプキタバタ最高!! 

・まわし書き、楽しかった。

・ちょっとした「交換日記」みたいな感じで面白かったです。映画の感想は、十人十色だと思いました。37セカンズが観たかったのと、このイベントに参加したかったので来ました。今後も予定が合えば参加したいです。

・感想をシェアするってキンチョーする〜

・自然の景色がとても美しくて ストーリーに関係しているのか 絵葉書のようにずっと見ていたい

・時間をかけて来た甲斐ありましたー 映画もゆるっとも。今回、良い試みですね。

・今回で”ゆるっと話そう”への参加は2回目なのですが、ほとんど全員の方と話した気分で面白い体験でした。しかも字に残ったものを持ち帰れるのは記念になるし記憶にも残ります。

・「37セカンズ」について 予告編を見た限りでは、いったい物語はどういう風に展開していくのかと思いましたが、本当に心ゆるやかに一人の女の子の成長が描かれた、自分の生き方にカツを入れられたような作品でした。もっと恐れずに、いろいろなことにチャレンジし、他人の事にもっともっと関心(気配り)をして生きていきたいなと感じました。

・障がいある事で、親が介護の中で生き、恋愛や性の自由がうばわれてしまって辛い方も多いのかなと考えました。自分の人生を歩んでいける社会になるには、私は何をできるのか...と思いました。

 

 

 

日々いろいろな思いが巡りますが、わたしは今、皆さんとよい時間を過ごせた喜びにずっと満たされています。

ご参加くださった方、ご関心をお寄せくださった方、ありがとうございました。

 

次回のゆるっと話そうの日程や作品は、決まりましたらまたご案内します。


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そうそう、最近リリースされた「ぴあ」の記事が、チュプキらしさをとても伝えているので、ぜひ読んでいただきたいです。わたしも登場させていただいてます^^

lp.p.pia.jp

 


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映画『新聞記者』鑑賞記録

ようやく観た。個人的に去年の宿題になっていたのが、『主戦場』とこの映画。

shimbunkisha.jp

 

 

政治であり、歴史であり、この社会であり、わたしの話でもあった。

挑戦的で革新的。こういう映画がありえるのか。

たったの2週間で撮りきったと思えないクオリティ。

 

ありえるといえば、あなたの知らないところで、この国の中枢ではこういうことが起こっているんですよ、と言いたげに、次々と見せられていく現場。

「それはほんとうかどうかわからないが、現実にもありえる、ありえるよな」と思いながら事の成り行きを観る。ここが映画館なのがちょっと不思議な感じにのめり込んでしまうところもある。

もちろんそうならないように、いかにも作り話のように、薄暗い室内で登場人物の上だけライティングされているとか、青いフィルターのかかった画面とか、きっちり不自然にしてある。

 

謎解きにハラハラするシーンもてんこ盛り。一瞬も飽きない。エンタテインメントだ。

NHKドラマ『ハゲタカ』を思い出す。「親の無念」を持っているキャラクターが重なる。

 

しかしあまりにも現実の心当たりがありすぎて、無邪気には楽しめない。

居心地が悪くなるし、悔しくもある。

すごく変な気分になる。

 

観終わって浮かんだのが、自分が会社組織で働いていた頃にやらかした「偽造」の記憶だった。

改竄、捏造、偽造はなぜ後をたたないのか、理由はよくわかる。

そうなる構造があるのだ。

自分もそういう経験があったことが、「会社のためだから」「お客さんのためだから」「みんながやっているから」「こうしたほうがうまくいくから」、、ああ、うぐぐ、、苦しい、、、。

 

「権力とメディア」と「組織と個人」のせめぎ合い。

誰もが目撃したことがあるし、誰もが加担したことがあるはず。

 

ああ、これは、

映画『さよならテレビ』も観たくなるなぁ。。

映画『i-新聞記者ドキュメント』も。。。

こんな記事を読んだり。。

greenz.jp

 

 

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観た人と語りたいと思った。

映画の中で起こっていたこと、現実に起こっていたこと。

何を問われているのか。

 

わたしは政治に詳しくないし、何が起こっていたのか逐一追えていないから、わかっていないことも多い。

でもそんなこと言ってられない。わたしにできることなんだろうと考えたらやっぱり、鑑賞対話の場をファシリテートすることだ。この場があることで「なんとなく観られないまま来た」という人の背中押せるとしたら、貢献になる。

 

そんな勢いで、映画を観て語る場をZoomで開こうと思った矢先、週刊文春でスクープ記事が出て、現実が一気に動き出した。まるで『新聞記者』の続きを見ているようでびっくりした。

 

だがこれで、もはや映画の話をする場としては成立しづらいことも思った。

迷ったが断念した。

状況が動いたのはよいことだと思う。ただ、場としては趣旨がだいぶ変わる。

やるとしたら「週刊文春を読む会」や、「森友学園問題の勉強会」や、参加者一人ひとりの何らかのアクションを促すイベントになるだろう。

またその準備のためには膨大なリサーチが必要になる。

エネルギーも要るが経費も嵩む。オファーされて報酬がつくならともかく、個人の自主開催としてひらくには、引き受けられない負担。

 

でも、せっかく思いを込めて書いたので、未練がましくここに貼らせていただく。

 

 


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映画『新聞記者』を観た人同士で感想を語る場です。

2019年夏に公開された話題作。その後日本アカデミー賞三部門を受賞し、現在アンコール上映中です。
https://shimbunkisha.jp/

「権力とメディア」「組織と個人」のせめぎ合いを描き、現実を巧みに絡ませながら進行する社会派ドラマ。
フィクションの映画という表現形式をとっているからこそ見えるものについて、身に覚えのある「あのこと」について、とっくりと感想を交わしましょう。

今回この場をひらくのは、
「この映画を観たことの意味を一人ひとりが言葉にする《場》が、今とても必要だ」と、私が感じているからです。
個人としても、この社会の一構成員としても、ファシリテーターという職分としても。

「社会課題や政治に対して自分の意見を持つ」そのずっと前の素朴な感想を、安心安全に言葉にできる場。
「おもしろかった」「ドキドキした」のその先を言葉にする、勇気をもてる場。
講釈を聞くのではなく、批評を戦わせるのではなく、知識の多寡を競うのではなく、現実との正誤を追究するのでもない場。
「わからない」「なぜだろう」を安心安全に口にできる場。
他者と共に、可能性と希望を見出すことのできる場。

どんな話題も感想として歓迎します。
 1・物語について(ストーリー、プロット、シーン、エピソード、セリフ......
 2・製作・興行について(監督、脚本、俳優、撮影手法や技術、評価、成績......
 3・想起された個人の経験
 4・解釈された社会課題、世界情勢
この作品の性質上、4が多くなりそうですが、時間のおおよそ6割は映画の話をしたいです。進行にご協力願います。

平日、夜、Zoom、少人数、参加費。
さまざまな制約があるかと思いますが、逆にこのひらき方だからこその可能性があることも期待しています。

ご参加お待ちしております。

 

*これから観る方へ:演出で常にカメラを揺らしてるので、画面酔いしやすい方は映画館など大きいスクリーンで観るときは少し心の準備を。わたしはぎりぎりだいじょうぶでした。

 

 
◆主催・ファシリテーション
舟之川聖子(ふなのかわ・せいこ)
 
鑑賞対話ファシリテーター、場づくりコンサルタント、感想パフォーマー
芸術や文化や教育の担い手と共に、作品と鑑賞者同士の対話を中心とした場をひらく。

鑑賞者に対しては個々の内的変化と行動変容を促すことでシチズンシップ、オーナーシップ、アントレプレナーシップを育み、担い手に対しては短期的な動員数や売上向上はもちろん、中長期的な芸術や文化の理解者や支持層を獲得することを目指す。

場づくりコンサルティングを通したつくり手のサポート。

書く・話すなど自身の表現活動も行っている。

hp: https://seikofunanokawa.com/
blog: https://hitotobi.hatenadiary.jp/
twitterhttps://twitter.com/seikofunanok

 

自分の覚悟を決めるためには、書いておいてよかったと思う。

 

別の作品やテーマで語る場をオンラインでひらくことは考えている。

企画や営業の手は止めていない。

 

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書籍『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』

 映画『トークバック 』を語る会について書いたこちらの記事で紹介した書籍群の中の一冊。

 

『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』

少年刑務所における更生教育の一つが、「社会的涵養(かんよう)プログラム」。その授業から生まれた作品を中心に編まれた詩集。

 

刑務所。

関心を持たなければ入れない場所。

でもこの詩集を一冊読むだけで、何かが確かに残る。

読み手が変化せざるをえないものがある。

たとえ全体像はとらえられなくても。

 

どの詩も、素直な感情や、自分にはない新鮮な感覚の表現にハッとすることの連続だった。評価を意識した技巧的な感じが見られない。

はじめて詩を書いた子が多いというが、ほんとうにそうなんだろうな。

もしかしたら、豊かな感受性を持っていたからこそ、社会が生きづらかったのかもしれない。

 

 

ほめてもらえれば、自信がもてる。

素直さ、励まし、達成感、誇らしさ、優しい言葉、素朴さ。

授業を担当した寮美千子さんの言葉から、一緒に詩に取り組む時間の中で、大切なことが交わされてきたことが感じられる。

 

本の最後に置かれている寮さんの「詩の力 場の力」という文章もまたすばらしい。

詩という表現だからこそ、自分とも人ともつながれている。

理路整然としていなくてよい。心情の吐露でいい。

思考的理解ではなく、自由な感受を大切に。

作った人自身が自分らしさを感じられる言葉、並び、音律に、受け手の発見は大きい。人と人とが、作品を通して別の側面から出会うことができる。

寮さんの言葉にもあったが、日常のおしゃべりとは違う言葉だからこそ心に響くのだ。

 

日常の言葉とは違う言葉だ。ふだんは語る機会のないことや、めったに見せない心のうちを言葉にし、文字として綴り、それを声に出して、みんなの前で朗読する。

その一連の過程は、どこか神聖なものだ。そして、仲間が朗読する詩を聞くとき、受講生たちは、みな耳を澄まし、心を澄ます。ふだんのおしゃべりとは違う次元の心持ちで、その詩に相対するのだ。

 

これが、芸術の力。 

 

対話だけではない、表現が介在するからこそ可能になる場。

その効果を意図してデザインしたプログラムや、成長を見守るスタッフの存在......。

 

あたりまえの感情を、あたりまえに表現できる。

受けとめてくれる誰かがいる。

 

映画『プリズン・サークル』を観たときに思ったことが、また頭をもたげる。

このような教育を、学校で受けられていれば。

なぜ学校は、このような体験をできる場所ではなかったのか。

どの地域であっても、どの年代であっても、受けられる教育になっていないのか。

いちいち悔しがっていこうと思う。

 

ともかく、いい機会さえ与えられれば、こんなにも伸びるのだ。

SSTと同じように、全国の小学校や中学校で、このような詩の時間を持てたらどんなにかいいだろう。詩人の書いたすぐれた詩を読むだけが、勉強ではない。すぐそばにいる友の心の声に、耳を澄ます時間を持つ。語り合う時間を持つ。それができたら、子どもたちの世界は、どんなに豊かなものになるだろう。

(引用部分はすべて『空が青いから白をえらんだのです』より)

 

人間にとってとても大切なことを体験しているかれらを見て、いいなぁと思う人だっているだろう。刑務所いいなぁ......って。なんだそれって、そういう悔しさ。

 

 

奈良少年刑務所は2017年3月末に閉鎖され、2021年にホテルになって生まれ変わる予定だそうだ。

その経緯はこちらの記事に。(参画する企業は変更になっているかも)

withnews.jp

 

閉鎖までに、このプログラムにどんな歩みがあったのか知りたい。

関連書籍を読んでみようと思う。

 

 

最後に。

ふとこの歌を思い出したので、ご紹介したい。最近息子とよく見ている、子ども哲学の番組の歌。♪本当のことばに出会えると テルミーテルミー どんどんキミが見えてくる♪ のところが好き。

www2.nhk.or.jp

 

 

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物語の庭 深井隆展@板橋区立美術館 鑑賞記録

板橋区立美術館で開催中の深井隆展に行ってきた。

https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4000017/4000024.html



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感染症流行の時期に、それでもどうしても美術館に行きたくて、練馬区立美術館の津田青楓展に続いて訪れたところ。



深井隆は、藝大の退官記念展で知った作家。

こちらの記事で少し触れた。

hitotobi.hatenadiary.jp


作品は木彫と絵画。

 

MAX RICHTERのSLEEPを聴きながら観た。ぴったりだ。

会場に音楽が流れていなくても、こうやって好きな音楽を聴きながら作品を観たらよいのだ。以前教わったことをやってみている。

 

静かな空間の中でじっとしていると、さまざまな感情があふれては、やがて静まっていく。

懐かしい深い淵へまた還ってくる、をくりかえした。

 

作品といろいろな距離をとって、場所を少し変えて立ってみると、その度に違う感じがする。

座ってみるのもいい。

馬の隣にしゃがんでしばらくスケッチをしていた。

生き物が象られているというだけで、なんだかホッとする。

木なのもいい。

木が育ってきた時間、製材の時間、彫る時間、作品になってからの時間。

そして呼吸してまだそこに生き続けている。

 


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深井の作品は空間を一瞬で鎮静させてしまう。

祈りや詩や永遠の世界。

たぶん一度作品に出会うと、多くの人が忘れられない体験をすると思う。

そして記憶に残ったあとは、思い出したときはいつでも同じ場所に戻れるように作ってある。

 

日曜日だったけれど、館内にはほとんど人がいなかった。

せっかくの展示があまり人の目に触れないのは、ほんとうに悲しいことだ。

この時期に観たということも含めて、忘れられない鑑賞となった。

 

 

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《レポート》2020/3/20 春分のコラージュの会、ひらきました

2020年春分のコラージュの会、ひらきました。

 

コラージュの会とは?

hitotobi.hatenadiary.jp

 

今回はいろいろと大変でした。

前々から「ここでひらきたい!」と思って調整していた会場があったのですが、COVID-19感染症対策のために使用不可となりました。慌ててそれ以外のスペースを探したのですが、集客のリスクがある中で賃借料金を支払うのが厳しい。

集会が中止や延期になっていく中で、やはり取りやめるのが安全なんだろう。

しかし10年近く継続してきた大切な場であるし、こういうときだからこそ、自分を見つめたり、ニュートラルポジションを掴む時間を過ごしたり、人の宣言に立ち会ったり、応援する集いが必要ではないだろうか。

今、わたしの職分からできることはこれだ、と最後は腹をくくりました。

当日は、アルコール消毒、マスク、距離を十分にとっての作業などで、会場内については対策をしてやる。それでご理解いただける方となら。(この頃はまだ外出自粛レベルまではいっていなかったのもあった)

クローズドな場であればひらけるかもしれないと、友人知人にのみ声かけしたところ、5人があっという間に手を揚げてくれました。

しかも以前参加してくださったことのある方ばかり。こういう状況のときに、必要としてもらえてありがたいです。

 

場が成立する瞬間にはいつも独特の興奮があるんですが、このときは格別でした。

感謝です。

 

いつものスケジュール。

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春分ははじまりの節目。

今持っている荷物を下ろして、軽やかに、新たに、これからに思いをはせる。

続けてきたことを続けるにしても、立ち止まって、なぜ?どう?を問うきっかけは大切です。

 

最近この荷下ろしに使っているのは、マンダラートという型です。

このワークの進め方を書いておきます。

 

●マンダラートのシートを用意します。


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●真ん中に、【今、気になっていること】と書いて、浮かんできたものを8コ書き出し、さらに周りのボックスに展開し、拡張していきます。ブレストなので、精査はせず、数を出す。「今、気になっていること」は心配や不安もあれば、興味や関心や好きなどもあって、どちらでもOKとしています。

わたしが今回最初の8つのBOXに書いたのは、【仲間、もっと書きたいこと、原稿の直し、映画館、かるた、寺、コンポスト、新聞記者】でした。
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そこから【もっと書きたいこと】の周りのBOXに書いたのは、これ。
なんのことか他の人にはさっぱりわからない。それでOK。
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●書いたものについて、3人1組になってシェアします。

●シェアの仕方は次のとおり。

・話す人1人、聴く人2人を決めます。
・話す人は5分、マンダラートを書いてみての感想を話します。聴く2人は相槌を打ちながら黙って聴きます。質問やコメントはしません。

・5分経ったら、聴いていた2人が、話の感想を5分フィードバックします。話していた人は今度は聴き役に徹します。あれこれ言いたくなると思いますが、黙ってフィードバックをもらっているだけ。

・5分経ったら、最初に話した人が1分でひと言感想を出します。フィードバックをもらって思ったこと、今の体験がどうだったか。

・これを3人全員が話し手になって行います。

・偶数なら2人ペアで交互に。

 

これをやるだけでも、かなり気持ちが整います。

Zoomのサークルなどで取り入れてみてくださいね。

(あ、でもそもそも、このコラージュの会をオンラインでやってもいいのかもな、と今思いました。考えます!) 

 

 

 

ここで皆さん荷下ろしが完了。

さぁ自由にしていこうぜ!どんどん製作!

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そして、できたのがこちら!

 

写真では伝えづらいけれど、一人ひとり、ぜんぜん違う。

一人の人の中でも、今はぜんぜん違う。その人の最新の断面を見せてもらう。

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一枚ずつ、作った人が2〜3分で紹介してくれます。こんなことを考えてつくった、どんなテーマ、ここが気に入っている、ここはこんな意図で、ここは自分でもわからない、できてみてこんなことを思っている、など。

他の人は、質問や感想を自由にフィードバックします。

この時間もやっぱりすごくいい。

 

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「休校やテレワークなど、家で一人の集中した時間が取りづらくなっていたけれど、ここに来て、思いっきり一人時間を楽しめてよかった」との感想をいただきました。

よかった、よかった。

 

 

不自由が降ってきて、いつまで続くかわからない今だけれど、 それでもいつも胸においておきたいのはこれ。

自分の属性、立場、環境、状況、
あらゆる制限をとっぱらったら、
何がしたい?どこに行きたい?何がほしい?

願い続けること。拡げ続けること。

同時に、今ここにいる自分を感じて手を動かし続けること。

 

次回は6月20日(土)夏至のコラージュの会です。

この3ヵ月の変化を楽しみながら、予定します。

 

その頃にはどうか収まっていますように。

また集えますように。 

 

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鑑賞対話ファシリテーター、場づくりコンサルタント、感想パフォーマー

seikofunanokawa.com