ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

小学生までに読んでおきたい文学(松田哲夫・編)

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読書会で短編小説を取り上げる機会がたびたびあり、
短編ものには鼻が利いてる自信があるけれど、
これもなかなかよい出会いでした。

筑摩書房の松田哲夫さんが編んだ、
この「小学生までに読んでおきたい文学」シリーズがなかなか読み応えがあり、
カテゴリも国内外、男女、古典〜近現代まで網羅されていて、唸らされる。

 

この中の、「たたかう話」の松田さん自身による解説の出だしに
ガツンときたので引用する。

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人間は、この世に生まれ落ちたときから、この世を去るときまで、いろんなレベルで、多種多様なたたかいを続けています。自然とのたたかい、病気とのたたかい、けんかやいさかい、ゲームやスポーツ、試験やランキング、さらに、恋愛や結婚、選挙や政治、商売やビジネス、戦争や革命など、人が関わることのすべてがたたかいだと言ってもいいかもしれません。人間は、どんな時でも、どんな場所にいても、好むと好まざるとにかかわらず、たたかいの渦中にいるのです。一方で、あるジャンルで無敗を誇っていても、別の次元のたたかいではひたすら負け続けている、そんなこともおこりうるのです。私たちは、目の前にあるたたかいの勝ち負けをおろそかにすることはできませんが、同時に、たたかう相手を見つめたり、たたかいの持つ意味を考えることも大事なのかもしれません。
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うーん、これ「小学生までに読んでおきたい文学」なのか...
ジャンル違いで大人向けに出してもよいと思う。
実際、わたし今この歳でちょうどいいと思ってるもの。

 

ほぼ日で2007年にインタビューがあったみたい。
「編集者という仕事を知ってるかい?〜松田哲夫さんの楽しくてしょうがない日々。」
http://www.1101.com/henshusha/