ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

Pepperのプログラミング・ワークショップ

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Arts Chiyoda 3331での「小学生にも簡単なPepper のプログラミングを体験しよう!」というワークショップに息子と参加してきました。

 

わたしにとっては、「プログラミング=コンピュータで動作を制御するものがあり、それを自分の思い通りに動かすための命令書をつくること」という、無味乾燥な作業という理解でした。


そんな中での、AI搭載ロボットのプログラミングとは...?


なんとそれはとてもあたたかくエキサイティングな体験でした!


行ってみてはじめて明らかになった当日のプログラムは、ボケ役のPepperとツッコミ役の子どもが30秒の漫才をする、そのための台本からまず作っていくというものでした。

まずはPepperとの漫才をネタとするペッパーズの金子さんの実演を見てみて、Pepperとやり取りする間合いを感じてみました。でもそれだけでも難しいので、Pepperに予め設定してあるいくつかのプログラムをつかったり、スタッフさんから台本の作り方のガイドも適宜いただきながら、親子で相談していこうという流れでした。


しかし、わたしが「まじかー(汗)うーん、うーん」と考えている間に息子はサッサと台本を作ってしまい、誰よりも早く練習に入っていました。わたしだって別に全然おもしろくしようと思ってないのに、なぜか頭が真っ白になって何も出てこなくて。でも、この人はちょっとしたヒントだけでサーっとつくってしまって...。ほんとすごいな!わたしとは全然違う人間だな!とあらためて思いました。正直うらやましかったです...。
この漫才は、ロボットと人間だからこそのおもしろさっていうのがありました。Pepperが何を言ってもおもしろいっていうのがあるので、作り始めると、あれも言わせてみたら、これを言ってこれを突っ込ませてみたら、といろいろとアイディアがわいてくるのです。(プログラミング自体はめっちゃ簡単!)


それも、こちらが全能感をもっていて、Pepperを我がモノとして完全にコントロールしているという事前の想像と違って、目の前の「この人」とどうしたらもっと楽しくなれるだろう、楽しい世界がつくれるだろうっていうことを自然と考えてしまう時間でした。


この、「この人」とのコミュニケーションについて考えるのは、目目鼻口手足がある擬似人間としての見た目のせいもあるだろうけど、そもそも多分人間が(日本人が?)モノに対して人格を感じるというところに由来しているような気がします。例えば靴とかクレヨンとかぬいぐるみとかの「温度感」あるものもそうだし、PCやスマホなどの「頭脳」をもったもに対してはもっと人格を感じている気がします。


ロボットとの共生って個人的には全くリアルじゃなかったのだけど、ロボットとだからこそできることがあるという実感が得られたのはよかったし、リスクもありつつも、まだまだ開拓の余地のある分野だとも思えました。何よりロボットあるいはAIの研究をしている人が従来の「理系」の枠にとらわれず、「文系」の人もたくさん関わっていることがわかったのもよかった(無知ですな...)。


終わってから講師の白井宏美先生@慶応SFCと、「雑談やユーモアなど、一見非効率で無駄なように思えるところにこそ、課題を解いていくヒントがある」という話になって、場づくりのことともつながったので、なかなか興味深かったです。ドイツ語の先生でもいらっしゃるということで、一気に親近感高まりました。

(白井研究室HP:http://shirai.sfc.keio.ac.jp/about.html


また新しい世界が見られて楽しかったー!

 

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