*鑑賞行動に影響のある内容(いわゆるネタバレ)が含まれています。未見の方はご注意ください*
6/1公開の映画「レディ・バード」を観てきた。
よかった。登場人物たちがみんな、設定ではない人生を生きていて。
赤い髪の女の子が主人公といえば、「ラン・ローラ・ラン」がわたしの中で一等キュートだけど、レディ・バードはまた違うキュートさ。嘘もつくんだけど、誠実さとか愛情豊かな人で、彼女なりの思春期の切実さからであって、気まぐれに大声でわめいたり、ただはちゃめちゃなわけじゃない。気持ちを、意思を言葉で伝えている。応援したくなる感じ。ポーッとなったりもするけれど、基本自分を大事にしていて、ちゃんと境界も守れるから安心して見ていられる。
英語の気持ちを伝える言葉ってシンプルでストレートでいいなぁってあらためて思った。日本語だとバリエーションが星の数ほどあって、そこが分厚さや奥行きを伝えることもあるけど、まるで意味が通じてないときもある気がして。人が違っても「そのフレーズ」は一緒なところが、ちょっと羨ましくなった。
監督・脚本のグレタ・ガーウィグの「フランシス・ハ」は去年DVDで観て、なんだかぐったりしちゃって、たぶん20年前だったらどハマリしてそうだけど、今のわたしはそうではなかった。「あー、あたし人の親でもあるんだなぁ、いったん親になったら一生親なんだなぁ」と思った、そのとき。
リチャード・リンクレーターの「6歳のボクが大人になるまで」もめっちゃ好きだけど、その大部分はパトリシア・アークエットの母親役に共感していたりする。(パトリシアの俳優人生と自分の映画人生とがリンクするっていうのもあるけど)
だからきょうもやっぱりまずは母親が気になった。
そして次に、思春期バンザイ!!ってきた感じ。
その他、「プロムには恋人と行く」に代表されるこの「カップル文化」って辛いなぁとか、銃乱射事件、鬱、離婚、ステップファミリー、セクシャル・マイノリティ、カトリック、性教育、学費、就職、養子縁組、人種、都会と田舎...などなど、たくさんの小さな筋が集まって本流の物語を支えているので、あーだこーだ話していたら、2時間ぐらいあっという間に経ってしまいそうだ。