ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

聴く、一緒にいる


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「学校で一番好きなのはスクールカウンセラーの先生」と息子。前の先生も大好きだったけど、新しく来た先生とも気が合うようす。「そういえば今年は相談室行ってないなぁ」とぽつりと。「そっかぁ、行ってないんだねぇ」とわたし応答。

 

きのうの夜は、「落語の音読をしなきゃいけないけど、すごく恥ずかしくて読めない。でも学校の授業の本番で読めるには宿題でやっておかなきゃいけない」とものすごく葛藤し、号泣していた。

 

内容としてはわたしにはまったく覚えのない葛藤だけれど、共感はすごくできて、「ふたつの気持ちに引かさかれちゃってるんだね。わたしそれどうもしてあげられないけど、一生懸命聴いてるから、してほしいことあったら言ってね」と伝えると、「おかあはぜんぜんぼくの話をきいてくれない!」と風呂に入って泣きながら寝た。

 

朝はサッと起きて「おはよう」と挨拶し、音読のことには触れず、近所に新しくできたパン屋さんの味が変わらないことと、冒頭のやり取りをして出て行った。

 

 

その後、どんな一日を過ごしていたか、言葉や様子で聴かせてもらえることもあれば、まったくわからないことも。

 

でも生きていれば、この先はわかんないからね。今この瞬間と、ちょっと先と、いつかと、いろんな時間や時を感じながら行こう。

 

聴く、聴いてもらえる、いてくれる。

 

ただそれだけのことが難しかったり、タイミングが合わなかったり、受け取れなかったり。

 

そのときはわからないけれど、夜寝て朝起きたら調っていたり、あとあとになってわかったり。自分を尽くせる日もあればそうでない日もあり。でもわたし概ね、誠実に真摯に生きられていると思う、今。

 

 

そしてあなたもやはり「聴く」や「一緒にいる」を探求する仲間なのね、と息子を見ていてしばしば思う。

 

(写真は息子が撮った佐賀のお菓子。かわいいものが好きな心の優しい少年)