朝、息子を学校に送って行ったら、担任の先生に「ちょっとお時間いいですか」と呼び止められた。
今、理科の時間に骨や筋肉のことを扱っているのだが、前回の授業で模式図を見ながら説明していたところ、息子の様子が急におかしくなり、怖い怖いと泣いて教室にいられなくなったので、保健室に連れて行った。養護の先生と話をしてだいぶ落ち着いたようだったけれども、心当たりはありますか。授業で配慮すべき点があれば教えてください。
......とのことだった。はじめて聞く話だったのでびっくりしたが、先生が「怖いものや苦手なものは誰にだってあるし、他の人は平気でも自分はダメとかも当然あるので、それはいいんです」と、言ってくださったのが大変ありがたかった。
「心当たりはありませんが、もしまたそんなふうに本人が辛くなったときにどんな対応が可能ですか?」と聞き、いくつか提案をもらった。
家でも様子を見て聞いてみますと答えてその話は終わった。
それでふと自分のことを思い出した。
数人でごはんを食べられるカフェを探していて、入ってみたらわたしの苦手なミラーボールが回っていた。
慌てて連れの人たちに、「ほんとうにごめんなさい、ミラーボールがダメなんで…」と言ったら、「あ、そうなんだ。じゃあ別のとこにしよか」と言ってすぐ別の店にしてもらえた。
「えーなんで?大丈夫だよー」とか、「珍しいね」とかも一切言われなかったのがとにかくありがたかった。
わたしは規則的に回っているものや左右や上下に触れているものを見るのがとにかくダメ。
天井のファンがあるお店では、なるべく視界に入らない席に座るなどしています。
大地の芸術祭のある展示で、真っ暗闇で狭い部屋の中でぐるぐる回る電球を見つめるように言われ、これはかなりの拷問でした...。
乗るのももちろんダメ。遊園地のメリーゴーランドやコーヒーカップなど。
こういう苦手なもの、他にもあったなぁと思い出してみたら、いろいろ出てきた。
・蛍光灯の青い光
・海の波(音も)
・サイレン音
・お寺や教会の鐘のわぁぁあんという振動音
・インドの楽器のシタール
・電車の発車音楽が隣のホームのと混ざるとき
・こどものおもちゃで電子音が鳴るのもの(音程が合っていないとかすぐ狂うもの)
・掃除機をかけてるときのキーンという高い音
・ストッキング
・ウールやアルパカのタートルネック
などなど、他にもありそうです。
小さい頃は時計の秒針のカチカチいう音がダメでした。
苦手を通り越してダメ。
ときにはその場にいられない、逃げ出す、というぐらい無理なときも。
逃げられないときは、手のひらにいっぱい汗をかいて、指先や足のつま先が冷たくなって、おなかが痛くなって、身をかたくして、感覚を麻痺させて、過ぎ去るのを待つ、という感じ。
暴力シーンの多い映画もダメで、途中で退席したこともあります。
感覚過敏というものかなと思います。もちろん中には「誰だってそうだよ!」というものもあるかもですが、意外と「まったく気にならない」という人もいたりして。
感覚過敏については、ぷるすあるはのチアキさんがとてもわかりやすく役に立つ記事を書いてくださっています。困っている方はぜひ読んでいただきたいな。
『感覚過敏のチアキの世界』─苦手と工夫を探検してみました(前編) - 子ども情報ステーションby ぷるすあるは
あるいはHSP(Hyper Sensitive Person)。
本を買ってチェックリストを試してみたら、ほとんどが該当。
わたしってなんでこんなめんどくさいのかなぁと昔から自分で自分が嫌だったけれど、そういう特性ならしょうがない。名前があったのかとわかるとちょっとホッとする。
そんなわたしなので、場所選びを任されやすい。
わたしが居心地がよくいられるところなら、だいたいみんなも安心していられるから。
で、最初の話に戻ると。
息子は、理科の授業のとき、何かがフラッシュバックしてしまう感じだったのか、わたしの感覚過敏の話とは違うのかもしれないけれど、「その場にいられなくなる感じ」というのはわかるので、なんとかサポートできるかなと思った。
という話。
朝顔、10月半ばだけどまだ咲いているものなのね。