友だちが素敵な思いつきをしてくれて、「お気に入りの図録を見せびらかしあう会」に参加してきた。
集まったのは界隈の、つくる・描く・デザイン・設計する人たち。
みんなの行きつけの近所のカフェで、とにかく愛を語りまくって、きゃっきゃしようね、という趣旨。
「見せびらかす」というところがいいよね。「紹介」などと澄ましていられない。見てみて〜、いいやろ〜と言いたい。そういう力が図録にはある。
時間の関係もあるけど、単純に重いから「5冊まで」という縛りにして。
この5冊を選ぶのものなかなか楽しかった。図録という物、そのものがもう素敵で、見せびらかしたい気持ちになるか、というところと、なんとなくカブらないようにしたい(カブったらカブったでおもしろいけど)、、などいろいろ悩み、最後はキメで。
その展覧会との出会い、その作家やアーティストとの出会い、そこでの体験、そしてそれらが人生をどのようにあたためてきたか。
よく知っているようで、図録という方向から見てみると、その人への光の当たり方がまた変わって、しみじみと、まずそれがよかったなぁ。
自分の愛も語れて、あまり人に語ったことのない、ジョゼフ・コーネル愛もしょっぱなからもりもり語れてうれしかった。
メンバーの一人が言ってくれてそうだなと思ったのが、箱だとガラスケースに入っていることが多くて、いろんな方向から見えるのだけれど、反射もするし、「遠い」。
図録だとよく見える。
その、図録の何がいいかとか、図録らしさって何か、の話もよかったな。
画集や写真集と違って、図録は本物を見ていることがほとんどなので(見ていなくても買っちゃうときあるけど)、時間と体験がつまっているのがいい。
わたしは、パウル・クレーのイメージがカラフルで形がおもしろい感じの人?「こども向け」の世界でよく見かけていた人、というすごく雑なイメージしか持っていなかったのだけれど、バウハウスのメンバーだったとか、クレーの他の作品も見せてもらって、がぜん、「(カラフルで形が云々ではない)こっち路線」の企画展が見たいなぁと思った。
そのへんから、じゃあその企画展やるならどこの館でやりますかね?など、妄想するのが楽しかった。妄想キュレーション。
愛あふれすぎちゃって、2周するだけでやっとだったけど、もうおなかいっぱい。
うちの図録たちに風を通して、いろんな人に愛でてもらって、よかった。
気になる方は、ぜひぜひご自分の周りでもやってみてくださいね。
楽しいこと間違いなしよ。
▼1992年のジョゼフ・コーネル展は、展覧会も図録もわたしの心のベストテン第一位。