片付けから学ぶことが多くて楽しいので、ついにカテゴリをこしらえてしまった。
今回は本の片付けについて。
取り組んだのは理由があって、1月の中旬に競技かるたの大会があって、それに向けて身辺を片付けておこうと思ったから。競技かるたと片付けの話はこちらに。
昨年の春からずっと片付けに取り組んでいたが、本については手をつけていなかった。本はわたしにとって相当の難物なので、これに取り組むとだいぶエネルギーを持っていかれてしまうので避けていたのだ。
しかし今回のに出場するにあたって、なんとしても強さを上げていきたい!今本を片付けたら何かが起こるような気がする!なんならこの先の運気も上げたい!という根拠は特にないがやたら強い衝動に押されて、片付けをはじめた。
部屋をよく観察すると、いつのまにか、本が50冊本棚に入らずにあぶれている状態となっていた。この一年特にたくさん考えたし、たくさん創ったからなぁ、とまず自分を労う。
片付けの目標は、「家にあるすべての本を整理して本棚に収める」と決めた。
もともとわたしにとって本は増やしてもいいものとしてある。
小さい頃に、父親から「本だったらいくらでも買ってやる」と言われていたのを今だにお守りのように持っているわけだ。(もちろん今はお金を出しているのはわたしなのだが。。)それで気づくといつも山のようにあふれてしまう。そこについてもあまり責めない。自分と仲良くするのがわたしの片付けのコツ。
わたしの片付けアドバイザーであるところの妹殿は、本の片付けはどうしているのか、聞いてみた。
雑誌、手芸、子育て、漫画、古い文庫、自己啓発の本が中心で、使用頻度で要る要らんを決めてる。見たいところだけコピーしてファイルするとか。
という返事がきた。
他にネットでも「本の整理収納」「本の片付け」、などで検索してみた結果、これは人のは参考になるようでならんかも、ということに気づいた。
その人が本とどういう付き合い方をしているか、どういう思い入れをもっているかによって全然変わってくるようだった。そしてわたしと似たような関係を本とつくっている人の手法は見当たらなかった。
「わたしにとって本とは」
わたしにとって本は情報ではない。
わたしにとって本は旧友だ。
また、去年散々「積読本をひらく読書会」をやってみて、本というのは単純に読んでいるかいないかで要不要が測れるものではなく、一度もページをひらいがことがなくても、ただそこに存在するだけで価値がある本もある、ということがわかっている。
片付け指南の本を見てていまいち納得がいかないのは、人間が本棚に入れているものはそんなに単純じゃないんじゃないか、ということだ。
わたしなりの本の片付けのセオリーがあるんじゃないか?それは一体なんだ?
探ってみよう!そしてそれを記録しよう!
とだんだん意欲がわいてきた。
まずは全量把握のため、本をすべて棚から出した。これで1/10〜1/15ぐらいか?
1時間かけて全量を摘出した。
この日は20分のスカイプセッションを入れていたので、途中のインターバルとして聴いてもらうことを楽しみに、アラームをセットして作業をした。
それからご褒美をセッティング。終わったらお風呂に入って、行きつけのカフェで美味しいものを食べて、昼寝をしてもいいことにした。
ぜんぶ本を出してから、本棚の棚板の高さが合っていなかったことが判明した。よくこれで4年も本を載せてたなぁ。出してみたからわかった。
出してみると、見覚えのない本や「使ってない」本はなくて、どれも常に参照していることがわかった。
ここで息子の本にも手をつけようかと思ったが、やはり本人不在のところでさわるのもどうかと思い、別日に相談することにした。わたしは人と蔵書が混ざるのが嫌なので、息子の本は息子の本で棚がきっちり分かれているので、片付けやすい。
さて、この次はどうしよう?と考えた。
本棚の大きさや高さも考え、形態(雑誌、絵本、文庫本、単行本など)とジャンルを合体させてカテゴリ分けした。その結果、こんな感じに分かれた。
・画集、写真集、図録
・単行本の小説、エッセイ
・雑誌、ムック
・文学、本、読書、読み聞かせ
・語学
・古典文学、百人一首、競技かるた
・宗教、歴史
・政治経済、社会、心理
・ファシリテーション、対話の技法、場づくり
・美術、建築、舞台芸術
・パンフレット
・漫画
・絵本
・文庫本
・レシピ、園芸
・ガイドブック
・楽譜
・その他(本のコピー、勉強のノート、チラシ、小冊子、Zineなど)
カテゴリ分けしてみて気づいた!
つまりここはわたしの私設図書館なのだ!!!
図書館の本もカテゴリー別に分類されて所蔵されているように、利用者がわたしだけの図書館という視点で本を整理すればいいのだ。
そう考えると、図書館の除籍の方針も参考になるんじゃないか?と思い、調べてみた。
以下wikipediaより引用:
●除籍(じょせき、英語: Weeding)
図書館において図書原簿から図書館資料を除去すること。資料の収集とは逆の行為であるが、収集と除籍はしばしば同じ思考プロセスをたどることになる。除籍はコレクションを最新・適切・良好な状態に保つために極めて重要なプロセスであり、継続的に行われるべきである。
「よく管理され、よく絞り込まれたコレクションは、古くなったまたは不要な資料でいっぱいになったコレクションよりもはるかに役に立つ」という考えに基づく
●除籍方針
内容が不十分である
内容が時代遅れである
内容に偏りや差別的・性的なものが含まれる
内容が利用者の求めるものと合わない(または学校のカリキュラムで扱われない)
内容が利用者にとって高度すぎるもしくは低度すぎる(学校図書館にとって特に重要な問題)
状態が不十分である
資料が修復困難なほど破損している(ページの破れや背表紙の損壊)
資料が汚損している、異臭がする
資料が次の貸し出しに耐えられない
利用状況が不十分である
一定期間に資料が利用者から使われていない
その他
蔵書の重複(副本が不要になった) - 一時的に利用が増大した資料は同じものを複数所蔵していることがあるが、需要が落ち着けば除籍される[5]。
他の資料に同じ情報がある
資料の交換が行われた
視覚的訴求力に難がある(芸術作品を含む)
さらに公立図書館や大学図書館の除籍方針なんかも検索してみた。
いくつか見てみたところ、収集方針と除籍方針は表裏一体だということがよくわかった。図書館の性格によっても何を良し、何を貴重とするかは各々なのだ。ふむふむ。
この図書館はわたしのためにある。
ならばそこに収められている本は、わたしが一番必要としていて、読みたい、使いたい、残したいという本があってほしい。
ここでついつい収納しながら分別すると時短なのでは?という考えが頭をかすめるが、整理収納はまずは整理してそれから収納する、という順番だったことを思い出して、「残す・手放す」に注力した。
この顛末をFacebookでいちいち中継していたので、友人がたくさんコメントをしてくれたのが一人じゃない感じでうれしかった。「せいこさんにとって本の持つ意味が重そうだけど、がんばれ」「せいこさんが本を片付けたらまた何かが生まれそう」など、とても励まされた。
しかし作業を進めても、手放す本があまり出てこない。これはどういうことなんだろう?
今のままで十分魅力的な書架ということなんだろうか?
残しておいてもいい。強い拠り所があるというのはいい面もある。でも何か新しいものが入ることを阻害している気もする...。
以前、一箱古本市に出店したときに蔵書からどれを出そうか考えていたときに、「うちの本棚にあってほしいか、この世のどこかにあってくれればいいか」という基準を発見した。
そんなことを思い出して使ってみながら、結局あぶれていたのと同じぐらいの50冊を放出できた。
次は収納。本を収納する場所は3ヶ所ある。それぞれに何を入れるかをまず決めた。
- リビングのスライド式本棚
後面はすぐに手に取らないがあるとよい「資料」と大型本を中心に。全面は使用頻度の高い資料と、や美術書を中心に。 - リビングの木箱の本棚
近々読みたい今関心が高い領域の本、目に入ると気分がよくなる文芸書を中心に。最上段は図書館で借りている本、人から借りている本を置く。 - 寝室の本棚
寝る前にパラパラ読むとよく寝られそうな本、星占い、雑誌、漫画など気軽な本を中心に。
に分けた。
終わったときには、結局18時になっていた。
一日がかり。
爽快だった。
本棚に並んでいる本はどれも好きで興味があってすぐに役に立つ本ばかりだった。
住まいの環境の快適さを諦めない。
諦めない姿勢を持ち続けて、行動もしていくとひらける。
そのことをまず思い出した。
中継を見ていた友だちが、気になってたリネン類70L3袋ぶんを寄付したり廃棄したりして処分したとコメントをくれた。
おお、わたし、いいことをしたじゃないか!
前にも、わたしの一連の片付けのブログ記事を読んで、片付けが進んだと友人に言われたこともある。具体的な片付け手法についてはまったく書いてはいないのだけれど、取り組んでいる姿勢やわいてきた感情、熱みたいなものは伝染するのかもしれない。
また、同じく投稿を見ていてくれた友人が、文庫をつくりたいので、要らなくなった本を譲り受けたいと申し出てくれた。チャリボンにするか欲しい人にあげるか、いろいろ考えていたので、これはありがたかった。
#文庫づくり のハッシュタグでアーカイブしていく。「鑑賞」の場の設計•守人•相談員、かるた競技もされるまさに静と動の顔を持つ@seikofunanok さんから譲っていただいた本たちから始まる。司書なら選書、私ならこの方から頂きたい!と思う選“人”しながら文庫づくり。次は96才元助産師の本棚から。 pic.twitter.com/b1tkCfTU07
— Satoko N Fujioka|軽井沢町•ほっちのロッヂ共同代表 (@wackosato) January 20, 2019
片付けをしてわかってきたのが、わたしの特性。
- ものすごく気が散りやすい
- 集めグセ
- 目につくところにないと忘れてしまう(気がして怖れる)
- 空間把握が苦手
- パニクりやすい
で、それらが合体すると散らかるようだ。
これが解決できるように、できるだけシンプルに、片付けにエネルギーを使わないように、と思っているのだけれど、まだこのあたりは模索中。
今回一番うれしかったのは、「この世にはわたしが好きなものがたくさんある!」と幸せな気持ちになったことだった。ここにあるぶんだけでも、世界のいろんな秘密や謎のことが書いてある。一冊ごとに宇宙がひろがっている。そしてこの世にはたくさんの本が存在していて、宇宙はどこまでも果てしなくひろがっている。。そんなことを考えてうれしくなる。
また、本棚を眺めていて、本の背表紙っていっぱい字が書いてあるんだなぁ、なんてことにも気づいた。家にいるとだいたいどこにいても本棚が目につく。言葉がいつも目に入ってるんだ。そしてわたしにとってそれがものすごく落ち着くということなのだ。自分のことをまたひとつ知れたのもうれしかった。
蔵書を生かして、いろんな魅力的な場を生み出していけそうでもあり、楽しみ。
わたしなりの本の整理収納、片付けの方法が見つかって、とてもうれしい。
本好きな人の参考にもすこーしなったりするとうれしいです。
noteで配信中のラジオで、整理収納アドバイザーの友人と片付けの話をしています。