三菱一号館美術館の「ラファエル前派の軌跡展」に行ってきました。
実はロセッティの描く女性の絵があまり好きではなくて。つまり...その...ゴツい...。
なので、このポスタービジュアルを観たときに、うーん、まぁいいかなぁってスルーしそうになってました。
「ラファエル前派」についても、あまり詳しくは知らないと思っていたし。
でも、そういえば...とふと思い出したのが、1987年に滋賀県立近代美の「ラファエル前派とオックスフォード」展に行って、よかった記憶。
今、年齢を計算してみたら、わたしまだ小学生だった!
その頃に「よかった」と感じたのなら、それはけっこうほんとうなんじゃないか?
と観に行く前からわくわくしてました。
ジョン・ラスキン生誕200年記念というもあっての開催。
ラスキン自身の素描、水彩画も3部屋分。すばらしかった。
ロセッティやミレイのPRB、彼らから影響を受けた広義のラファエル前派に、バーン・ジョーンズ、ウィリアム・モリスと盛りだくさん!
たっぷり2時間半かかった!
絵もいっぱい描いて楽しかった。
後半のバーン=ジョーンズにもっと時間かけたかった。
...そう、たぶんわたしはラファエル前派の中でも、バーン=ジョーンズ、ミレイ、ウォーターハウスあたりの感じが好きなんだわ、と思い、二冊買い足しました。至福...♡
6/9の会期終了までになんとかもう一回観たくなり、年パスを買いました。
一号館の年パスは三菱系列の美術館が割引になるのでかなりお得。
家に帰って「ラファエル前派とオックスフォード展」のときに買ったポストカードを探したら、なんとあった!物持ちのいいわたしにありがとう。
ウィリアム・ホルマン・ハントの「世界の光」
へぇ......小学生のわたしは、この2枚をどんな気持ちで選んだんだろうなぁ。
そしてやっぱり「岩崎久彌さん、今もありがとう」と思いました。
東洋文庫と旧岩崎邸庭園に行った経験を携えての三菱一号館美術館だったので、わたしの中で文脈があるのです。
友だちが「文化芸術は私財を投げ打つ人によってしか守られない」と言っていたっけ。
次は三菱一号館のたてものツアーと、旧古河庭園にも再訪したいなぁ。
今開催中のモロー、ウィーン・モダン、クリムト、そしてこのラファエル前派は、「同時代の人間関係」というテーマで串刺すより楽しく観られます。
伝統と革新。影響を与え合い才能を磨き合う若者たち、師匠と弟子、画家とモデル、親子、恋愛、不倫、性、そして世紀末。こういうムーブメントだったのかぁ、、ということを展覧会を通して感じられます。
展覧会同士が響きあう感じも、都市を舞台にした仕掛け、遊びのようで、わくわくします。
次にまたラファエル前派の展覧会があっても、きっと違うキュレーション。
展覧会を利用して一人の画家、ひとつの美術館、ひとつの時代、ひとつのアートのムーブメントとして、いっぺんしっかり体験して自分の中に体系ができると、別の視点や側面からの情報が入ってきたときに、より受け取れるものがふえるし、広がります。
これが、鑑賞の軸がある人の楽しみ方。
このあたりの「誰にどんな鑑賞の場をつくればよいか」について、noteのほうでまとめます。(これがけっこうエネルギーの要る作業...でもがんばる)
美術館でもわかりやすいジュニアガイドがもらえます。今回買ったポストカード2枚はこちら。また数年後に見返すと、味わい深いのだろうなぁ。この頃はこういうのが好きだったんだな、とか。
2019年6月号の「一個人」の特集もすごくよかった。