ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

今のわたしが「モモ」の世界を旅すると。/『モモ』を精読する読書会

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早起きして6時から『"モモ"を精読する読書会』に参加しました。

 

『モモ』は、小さい頃に読んだときはそれほどピンと来ていなかったのに、大人になってからなんだか気になる存在になってきて、行く先々で出会ってしまう物語。

この会も気になってはいたのだけれど、6時スタートということもあって、腰が引けていました。

でも、友だちがものすごく熱く、いい体験をしたんだ!ということを語っていて、思わず「釣られ」てみた。

 

そしたら、すごくよかった。

 

いやー、やっぱり読書会はいいな!!いい!楽しい!

わたしも何冊か読書会で扱いたい本がたまってきてるから、やろうかな!

 

終わりの時間が決まっていて、その時間までにどこまで進むか決まっていて、

ガイドさんがいて、目が留まった道端の花について、「みんな見てー!」とか、他の人の発見した虫や風景を見にいったりしながら、「じゃあそろそろ次いきましょうかー」と声かけがあって、それほど急がずに行っても、ちゃーんと時間には目指していた場所に着けるという。

 

「精読」もしてみると、こんなことが書いてあったのか!と発見の連続。

一文一文が味わい深い。

そうか、「モモ」ってこんな話だったのか。

ちょっと説教臭く感じられて、子どものわたしは嫌だなって思ったのかもしれない。

「モモ」に感情移入する感じのお話でもないし。

 

うーん、でも今読むと、というか精読して読書会で対話すると新鮮!

自分には合わないと決め込んでしまうのは、わかったつもりになってしまうのは、勿体無いなぁ。

 

 1ヵ月に1度ひらいて、だいたい1章〜2章ぐらいずつ、丁寧に丁寧に読んでいくスタイルは、まさにわたしが最初に出会った、ジェイン・オースティンの読書会に近い。

あれをやりたくてこのブッククラブをはじめたんだっけ。

hakusan-yoru.jimdo.com

 

 

話したことのほんの一部だけメモ。

それぞれの経験や視点や感性からの解釈が、読書会の醍醐味よのー!

このメンバー、この日この時間でしか起こらなかった対話。

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わたしは手元にあるドイツ語版と照らし合わせながら追っていて、それもまた特別な体験でした。

「日本語でのニュアンスはこうだけど、原文ではどうなんだろう」というときに、その言葉がわずかでもわかるというのは、やはりありがたいことだなぁ。

自分の過去の学びについて、今は全然しゃべれないし、と自虐的に扱ってしまうときもあるけれど、こんなふうにちょっと楽しい、ちょっと貢献できた喜びを味わい続けるのもいい。もちろん、そこを再スタート地点に、またがっつり学んでもいいし。

 

 

 

そういえば去年の秋に、長野の黒姫童話館でひらかれた「モモ」をめぐる対話のイベントに行ったことを思い出しました。

黒姫童話館は、ミヒャエル・エンデの遺品が世界で一番多く所蔵されているところと聞いて、いつか行ってみたいと思っていた場所。ふいに叶って行ってきました。

 

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そこでは、まぁいろんなことがあったのだけれど、今すごくおもしろいな〜と思っているのは、Mnemosyneのこと。

 

会場内のところどころに、言葉が書かれたカードが置いてあって、わたしがそのとき写真に収めていたのが、この上のカード。

 

Mnemosyne

ムネーモシュネー、ニーモシュネー、ムネモシュネ...

ギリシャ神話における、記憶の女神。

ja.wikipedia.org

 

 

へーと思って見ていたら、このロセッティの絵、こないだの「ラファエル前派の軌跡展」でほんものを見たんでした!!!

 

そして、ギリシャ神話といえば、2週間後には「そういえばギリシャ神話ってなんだっけ?」という勉強会をひらく!!!

 

なにやら、なにやらつながっている。

おもしろい、好き、楽しい、なんか気になる、、を探っていくと、あれやこれや出てくる。

生きてるって感じがする。

「灰色の男たち」に時間を奪われない術でもある。

 

 

 

 

 

このブログを書いてもまだ9時か〜

ただただ爽快で、時間の感覚が不思議で、一日のはじまりがこんなわくわく。

実に「モモ」らしい。

 

 

 

このきょうの感じを持ったまま、1ヵ月過ごす。

その間に起こることを、「モモ」的に解釈していく、、そういうことかぁ。

1冊の本を時間をかけながら旅をしていく。このフレームもすばらしい!

こういう方法でしか見えてこないことの探求。

 

次のまでの1ヵ月が楽しみだなぁ。

 

 

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