6月初旬の金曜日。夜間開館の日にクリムト展に行ってきた。
ハッと気づいたらも19時近くになっていて、観られたのはほぼ1時間だったけれど、それでもかなり満足した。
予想に反してめっちゃ混んでいた。
めっちゃ混んでたのに友だちに会っちゃうという。こういうのはほんと不思議だな。
展覧会はできれば、会期の前半に行くのがいいですね。
特にこういうビッグネームの展覧会は。
ウィーン・モダン展を観ておいてやっぱりよかった。
ウィーン・モダン展とクリムト展の2つの展覧会で1セット、みたいな感じかも。
わたしはクリムトはあんまり好きじゃないと思ってたんだけど、きょうはなぜかわからないけどめっちゃ惹き付けられてしまって、TASCHENのこんなごつい画集まで買ってしまった。さすが撮影も印刷もめっちゃきれいです。(展覧会図録ではないです)
こちらパイ・インターナショナルのも買ってしまった。クリムト自身とその周辺で影響を与えていた人たちについても、解説が詳しい。図版もTASCHENのにはない、展覧会でも観ていないものもある。
金工師の父。7人きょうだいの長男。
生い立ちの中で、どういう男性観、女性観、家族観、恋愛観、死生観、が育まれていったんだろうか。
クリムトにとって、自分を描かないこと、女性を描くこと、人と関係を作ることとは。。
感情的には「なんだこいつ」もある一方で、人間としても、アーティストとしても、とても気になる。
人間解放運動をやっていたのかも。
モロー展を観て、ウィーン・モダン展を観て、エミーリエ・フレーゲを題材にした一人芝居を観て、ラファエル前派展を観て…、
今、じゅうぶんな知識と同時代性をめいっぱい背負っての、クリムト展は圧巻だった。
なぜかわからないんだけど、「一時的にこのへんのムーブメントに詳しくなっておきたいぞ!」という気持ちが強くあって、ただそれに沿ってきた。
ひとつの仮説としては、世紀末芸術のムーブメントと現代社会はちょっと似てるところがあるのかも。
閉塞感、伝統と革新、主題への関心と解放、ジェンダー、生と死、性、象徴主義。
見えないものを見えるように。
だとしたら、この機会にのっかって対話しながら探っていくのはおもしろいはず。
クリムト展でグランドフィナーレかな、と思ったら、映画「クリムト」がまだあった!
音楽も鍵らしい。
きっとまた新しい方向から光を当てるクリムトに会える。
どんなグランドフィナーレになるか?!
来週のお楽しみの一つ。
雨の夜の美術館も好き。