ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する鑑賞の場づくりを通して考えることなど。

解釈され、求められるヴァージニア・ウルフ〜映画「オルランド」を観る会

今月のはじめにこの記事をシェアした。

 

 

NYだけど、ウルフだから気になる。映画「めぐりあう時間たち」(2002)からウルフの存在が気になりだした。語る会にも参加したし、直近の文フリでも「かわいいウルフ」を買っちゃったし。

なぜヴァージニア・ウルフの作品は、時を超えて人々に様々なインスピレーションを与えるのだろうか。

 

***

美術手帖のFacebookより: 

ティルダ・スウィントンがキュレーション!】

アカデミー助演女優賞を受賞したイギリスの女優、ティルダ・スウィントンが初めてキュレーションした展覧会「Orlando」が、5月24日からニューヨークのアパーチャー・ギャラリーで開催中! ヴァージニア・ウルフの小説『オーランドー』からインスピレーションを受けた本展で見せるものとは?

bijutsutecho.com

 

 

そうしたらヴァージニア・ウルフが好きな友人が、「オーランド」が原点なんだと言って、勢いでDVDを購入してくれて、さらにみんなで観て語る場をセットしてくれて、別の友人がまた素敵な自宅を会場として提供してくれた。

「話題」にしてひと月も経たないうちの本日、観て語る会がひらかれることになった。

 

この機動力の高さよ!

最近仲間内では、興味のあることにはサッと場がひらかれるようになって、楽しくてうれしくてありがたくてしょうがない。

 

しかも、予習シートも用意してもらえる!!

 

 

f:id:hitotobi:20190627213008j:plain

 

 

映画「オルランド」を観て、みんなで話してみて。

 

とても多彩な魅力のある作品。ただただ、美しい。美しい画面をずーーーっと見ていられるのは至福。

 

監督サリー・ポッターとチームの妥協なきアートワークと、ウルフの残した、どこか時間軸を超越したファンタジーのような、同時代性を感じるような不思議な世界観に、俳優ティルダ・スウィントンの唯一無二の存在感が加わり、絶妙な形で成立している。

とはいえ、シリアスなのかと思いきや、ユーモアにもあふれていて、ところどころみんなでくすくす笑ってしまった。

もともとは男性であったオルランドが、眠っている間に女性に変化するのが一番大きな軸。オルランドは男性として女性も愛し、女性として男性も愛し、子を宿し、400年以上も生きる、両性具有的な、究極の存在になる。

お能の構造にも似ている。ちょうど「船弁慶」を見たときに、成人の男性が女性の静御前を演じ、子どもの男性が若き義経を演じる、というズラし方が非常に興味深いという話をしていた。あるいは、男性であった時代のオルランドを「前場」とすると、女性に変化してからのオルランドを「後場」とすることもできる。

 

1992年の作品だが、まったく古さを感じない。

サリー・ポッターのカメラワークのアイディアが斬新なのだろう。メイキングでもしきりとカメラのことを言っている。

メイキングには、資金不足でお金のことがたびたび話されている。それから、当時はまだ労働時間についてシビアでなかったのか、ひたすらスタッフがその辛さを口にしている...。全員がローテンションという...こういうメイキングもあまり見たことがない。ちょっとここでも笑ってしまった。

 

お屋敷の庭のシーンでは、YUKIのこのPVを思い出した。これ途中で切れているけど、この先がもうちょっと似ていたような気がしたのだ。気のせいかな。。今見ると、庭だけやん!て気もする。今度カラオケ行ったら歌って続きを見てみよう。。

youtu.be

 

まだちょっと消化するところまで行かないのだけれど、みんなで観て語ったことによって、特別な作品になったことは確か。感謝。 

 

読もう読もうと思いながら、結局ウルフの書いたものを一冊も読むことができないでいる。翻訳でさえ、取り組んではみるものの、なんだか歯が立たない。
わたしはそこまでストイックではないので、読めなかったらしょうがないと思っている。

それより、こうしてさまざまな人が、さまざまに解釈したウルフ作品を鑑賞することで、元の作品がもっていたエッセンスやテーマに、少しでも触れられるのがありがたい。

 

時代としても、未だかつてなく、ウルフが注目されているように感じる。

引き続き追っていきたい。

 

映画を見て絵メモをとって、色までつけてみたのは今回がはじめて。楽しかった。

 

f:id:hitotobi:20190627212926j:plain

f:id:hitotobi:20190627215018j:plain

f:id:hitotobi:20190627213040j:plain