シネマ・チュプキ・タバタに「世界一と言われた映画館」を観に行きました。
実はこの映画にはそれほど興味はなくて(ごめんなさい!)
館長の平塚さんの著書「夢のユニバーサルシアター」の出版記念トークイベントがあって、そちらに参加しようと思って行ったんです。
...が、いい意味で裏切られました。映画、とてもよかった!!
「西の堺、東の酒田」と呼ばれたほど賑わっていた、港町の文化の中心的存在だったそう。
わたしが生まれたのと同じ年(昭和51年)に大火事で消失し、火の元だった責任をとって、再オープンすることはなかったとのこと。
40年以上になくなってしまった映画館の記憶が、人と人をつないで、素晴らしいドキュメンタリー映画に仕上がっています。
モノクロフィルムで撮影された当時の館内の様子にグッとくる。
人々が生き生きと映画や音楽やダンスを楽しんでいた時代。
ゆかりのある人たち一人ひとりの丁寧なインタビューは、インタビュアーとの関係が良いのだろうなぁと自然に思える、聞き入ってしまうインタビュー。
グリーンハウスというテーマを通してその人の人生、存在が見えてくるし、
その人の語りを通してグリーンハウスを味わえます。
とはいえ、グリーンハウスが火元だったわけだから、まちが立ち直る過程には、辛い部分もきっとたくさんあっただろうなとも想像します。
グリーンハウスを「世界一」と呼んだのは淀川長治さん。久しぶりにお名前を拝見しました。
大杉漣さんのナレーションは、昨年亡くなったばかりでまだ実感がなく、もういらっしゃらないんだと思えて切ない。
そういえば、この映画、封切りが(この言い方も時代を感じるか...)2019年1月、有楽町スバル座。
そして、スバル座は2019年10年で閉館。わぁああ......この流れ...。
▼暗闇で絵を描くのがうまくなってきた。なんとなく雰囲気伝わりますかね。。
上映後のトークイベントではシネマ・チュプキ・タバタの平塚さん、和田さんと、藤沢でシネコヤを営む竹中さんが、お互いの映画館づくりの歩みを惜しみなくシェアしてくれて、終始笑顔の時間でした。
映画を愛する人たちが共有するスピリットが感じられて、温かい気持ちになりました。
わたしも映画館で3年弱働いていたことがあり、そのうちの半年ぐらいは映写もしていたので、グリーンハウスの映画中も、他人事じゃない感じで聴いていました。
今気づいたけれども、シネコヤは「映画と本とパンの店」......「お店」なんですね!!
先日配信したラジオで、チュプキさんがどんな映画館なのかの話をしましたが、
その中でもやはり、「お店みたいな映画館」という話をしました。
席数が少ないからというのもあるけれど、人とのつながり、まちとのつながり感じさせる映画館は、やっぱりお店なんだと思うなぁ。
そして「商い」のお話もたくさん聞きました。
映画館をつくりたい人にとっては貴重な話ばかり。
物件との出会い、作品の選定、配給会社との関係、「らしさ」「大切にしているもの」とは、料金システム、
こういうのが聞けるのがライブのいいところ。
「開店したら3年は我慢だよ」からの話題は、開業して2年目のわたしには響きまくりでした。2年目、いろんな意味できついですよね、やっぱり.......^^;
人がそのまちで日々楽しく暮らしていくことの中に、まちに文化施設があることも、やはり外せないのだと思う。まちの人が一緒に育んでいく。それが、「やらなくちゃ」より「うちもやりたい、やってみたい」っていうふうに、自然にできていくのが幸せなことなんだなぁ...という話だった。
竹中さん、平塚さんの「見切り発車」や「ないならつくっちゃえ」感がすてきだった。その豪胆さが、わたしにも少し上陸してくれているといいなぁ。
そういえば、最後に客席から感想を伝えられていた方の話に鳥肌が立った。
どうしてこの映画を観に来たのか、どんな人生の物語がこの映画とリンクしてあるのか、の話。
聴かせていただけてありがたかった。
「おっさんずラブは二度観るべし」でも書いたけど、やっぱり映画って人の人生を豊かにするし、映画館があることで日々が楽しくなったり、救われたりする。
こうして交流の場があることも、やっぱりいいし。
映画館はまちに必要!社会のインフラ!
いい時間を、ありがとうございました!
今後のイベント
▼2019年9月23日(月•祝) 秋分のコラージュの会 残席1
https://collageshubun2019.peatix.com/ (国分寺)▼2019年9月28日(土) あのころの《いじめ》と《わたし》に会いに行く読書会 満席
https://coubic.com/uminoie/979560▼2019年10月1日(火) 爽やかな集中感 競技かるた体験会
https://coubic.com/uminoie/174356
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