ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する鑑賞の場づくりを通して考えることなど。

ソフィアシンポジウム「性暴力をなくすために男性ができること」参加記録

昨年11月、上智大学でひらかれた「ソフィアシンポジウム」に参加した。

ソフィアシンポジウム「性暴力をなくすために男性ができること:男性の立場と心理を日米の心理学研究・臨床現場から考える」(上智大学) |国立女性教育会館

 

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「男性ができること」というタイトルで催されることの意義の大きさと、日米・各分野の専門家の、最前線の現場感覚に触れられる。

この内容、このボリュームで無料、学外からの一般参加OK、というありがたい機会だった。
しかも同時通訳付き。機器も貸してもらえる。

 

3時間半の場が終わったときの体感としては、「とても励まされた」に尽きる。


伝える、知る、気づく、問う、応える、対話するが行われる場で起こるEmpowerment。学び。

取り組んでいる人たちがこんなにもいる、という希望。
自分にも日常のささやかな場面でできることがある、という勇気。

 

全体を通して4人ほど質疑応答で発言された方がいたが、どなたの質問も、登壇者との対話も、とても胸に残るものだった。あの場に立ち会えてほんとうによかった。

励まされたことの大きな部分。

 

今もお守りとして持っている、メインスピーカーのキルマーティンさんの言葉がある。

・時間はかかるし、すぐに目に見える成果が出ないことはあるが、因子やプロセスはもうわかっているから必ず減らせます。

大切なのは減らすことができる、ということです。

 

・もしもその場で何も言えなかった・できなかったとしても、そのことをポケットに入れておいてください。それはあとでかならず使えるから。


・あなたが声をあげることは、あなたが思っているよりずっと大きな影響力があります。

 

シェアするつもりだったので、いつも以上に細かくメモをとった。

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後日、「シンポジウムに関心はあるけれど、時間的、距離的などの問題で参加できなかった」という方々のために、学びの体験をシェアする会を友人のまゆみさんとひらいた。

 

まゆみさんは、カウンセラーでセラピスト。

レジリエンスのSAFERなどいろんな被害女性の支援者研修などに行くことが多い彼女は、「こういう場って女性がほとんどだけれど、登壇者も参加者も男性が多くて新鮮だった」と言っていた。

 

そうかも。

年齢も性の別も職業も、学内外も混ざって、このテーマについて真剣に向き合う場は、とても居心地がよかった。

 

 

当日参加しただけでもすごい体験だったが、その体験をさらにシェアをして、参加してくださった方と質問や感想のやり取りをしているうちに、自分たちの中で定着した学びもあり、新たに伸びたツリーの枝があったことも感じた。

これはまた次の何かにつながっていくはずだ。必ずや。

 

まゆみさんと二人でシェアすることで、違う関心、違う視点が入り、誤りも正されて、ありがたかった。自分だけだと、どうしても自分の関心が強い部分だけが拾われたり、見逃しが起こりがち。

 

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今後も、このようなよい場(機会、ムーブメント、集まり)を見つけたら、変化を望んでいる「当事者」(なんらかの)がアクセスできるよう、シェアしていきたい。

 

このシンポジウムに参加した後も、性暴力をなくすためのムーブメントはますます広がっていると感じる。

今まで「ないことにされていた」「だれかが我慢していた」ことに対して、もう黙らない、声を上げる、行動として示す、が続いている。
わたし自身も我慢していたことに気づかされる。
そういうものだと諦めていたことに、だれかが声を上げてくれていることに励まされる。

変えていける。より良くしていくことができる。

たとえ一部の領域、一部のクラスタの話であっても、そこからまず熱くなっていくことが大切。熱が移っていくための次の場もどんどんできていくはずだ。

 

 

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まゆみさんのブログ。見聞きしたこと・感想と共に、当日の現場の景色がリアルに立ち上がってくる。

mayuminaba.hatenablog.com

 

 

同じく当日参加していた友人・桃子さんが丁寧なメモを残してくれている。ありがたい。

note.com

 

 

 

このような場に参加するのは、わたし自身のためでもあるし、わたしの職業のためでもある。

わたしの仕事は、さまざまな人に会う。どんな背景を持った人が来るかわからない。

誰が来ても、その場の一番のマイノリティに配慮できるように、人間について知ること、社会の動向や変化について知ることが重要だ。

また表現作品のミスリードを防ぐためや、今の時代の解釈を加えていくために、今の社会がどのようであるか、どんな課題があり、どんな取り組みがあるかを知り、咀嚼し、血肉にしておく作業は、鑑賞対話の場に欠かせない。

よい動きをしている現場にはこれからも足を運び、視点を増やし語彙を増やし、感度を上げる鍛錬をこれからも続けていく。

 

 

_Information____________

2月11日に田端のシネマ・チュプキ・タバタで映画『トークバック 沈黙を破る女たち』の感想シェア会をひらきます。

MeTooを経験したわたしたちとして、あらためて見て、語って(トークバック)みたい。

chupki.jpn.org