京橋に行く用事があり、そういえばLIXILギャラリーで建築部材に関する展示をやってたっけ、と思い出して寄ってみた。
ものいう仕口
「仕口」とは、柱と梁のような方向の異なる部材をつなぎあわせる工法とその部分のことで、日本の伝統木造建築において世界に誇る技術です。大工技術の粋として発展し、風土によって異なる民の住まいにも用いられてきました。 本展では、福井県白山麓にあった築200年以上の古民家で使われた江戸時代の仕口16点を、個々の木組みの図解説と併せ紹介します。一軒の家を支えてきた木片の素朴な美しさに触れながら、先人の優れた大工仕事をひも解きます。(展覧会HPより)
昔の民家やお寺などで、木材に凹凸の部分をつくり、それをはめ込むだけで頑強な骨組みができる伝統的な工法があり、大工が備えるべき基本的且つ非常に重要な技術......と曖昧な知識はあった。
そうか、仕口とはあれのこと、これのことだったのか。
しぐち
しくち
呼び方が二通りあるらしい。
接合部の凸凹のことを「臍(ほぞ)」というらしい。
あー、臍を噬む(ほぞをかむ)の臍だ!
おへそ。
臍帯血の臍の字。
ここには民家を解体したときに出る古材のうち、再利用の過程で不要になった柱や梁の部分が展示されている。
建築や建設の世界の人にとっては不要なものだろうけれど、形態に魅了された人にとっては、もうお宝とも言うべきもの。
それがこうして陽の目を見る。
わたしの目の前にある。
家の部材のはずだけれど、まるで彫刻作品か、太古の文明の忘れ形見のような、不思議な静けさと温かみをもって、まだ生きてそこにある。
木目が、波紋のような、さざ波のような美しさを見せてくれる。
しばし見とれた。
もちろん、構造物としての解説もついています。
やっぱりここのギャラリーはいいなぁ。
昨年『台所見聞録』という展示に来て、こんな感想を配信しました。
よかったら聴いてみてください。
毎回無料でいい展示を見せていただいています。
ありがとうございます。
こちらのギャラリールームは2Fにあり、出たところの休憩スペースでは椅子に腰掛けてLIXIL出版の本を閲覧することができる。
1Fでは書籍や企画商品を販売している。
書棚を見ながら思いついた!
たぶんこのシリーズが好きな人、いっぱいいると思うのよね。
マニアックなテーマばっかりだから、何かを偏愛していたり、人が見逃していることにわざわざ目を留めてじっと見ているような習慣の人が好きなんじゃないかなぁ。
みんながそれぞれ持っているLIXIL出版の本を持ち寄って、紹介しあう読書会をやったらぜったい楽しいと思う。
LIXIL出版さん、書店さん、図書館さん、読書会をひらいてみませんか?
鑑賞対話ファシリテーターへのオファー、お待ちしてます^^
▼うちの子たち。ほんとはぜんぶ集めたいぐらい好き!
▼目録。眺めているだけでわくわくする。