ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する鑑賞の場づくりを通して考えることなど。

《レポート》最終回・爽やかな集中感 百人一首と競技かるた体験会、ひらきました

3月23日、横浜の"Umiのいえ"での百人一首と競技かるた体験会でした。

coubic.com

 

初回が2018年11月。だいたい2〜3ヶ月ごとにひらいて、ちょうど7回目。

今回で一旦最終回とすることにしました。

 

女将の麻紀子さんがこんなメッセージを出してくださいました。

秋は秋の、冬は冬の歌を解説してくれる講師 聖子さん。
彼女の解説がやわらかいから、ノリやすい。
参加者も、その歌を眺め、あーだこーだと、思い思いにイメージした情景や心情を語り合ってみる。
どれが正解かなんてわかりませんが、昔の人の目線や皮膚感、そこにいる人影を、思い浮かべてみるのはなんて楽しいの!
そして、いくつかの歌に馴染めたところで、いざ本番!!
たった一枚取れただけでも、興奮!!
パソコン仕事では使わない脳みそを、フル活用してるみたいで、
めちゃくちゃ爽快です。
この競技かるた体験会は、この3月で一旦終了です。
最終回にぜひお越しください。
初心者さん、学生のとき以来の方でも大丈夫ですよー。
ご一緒しましょうね!(まきこ)

 

 

桜が咲き誇る時期。いつもよりも1週間から10日早い。


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常連さんとUmiのいえのスタッフさんたちが集ってくださいました。
 
 
前半は、テーマを決めてのレクチャーの時間。
 
疫病と令和版百人一首リレーの話をし、歌を鑑賞しました。

・疫病
平安時代に疫病が流行っていたときに、人々はどうしていたのか。千年前も希望をつないでくれたから、今わたしたちがここにいるのだろう。
折しもツイッターで、「アマビエ」が流行。いつの世もやれることはやったら最後は「祈る」になるのかな、など。
 
・令和版百人一首リレー
1歌人1首のフォーマットがユニークで人の心をワクワクさせる。折しも、これまたツイッターで展開していたリレー。ある家庭教師が発案したもの。
 
 
・観賞  部立の説明をしつつ、今の気分でこの三首をご紹介しました。
 
花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり
 
春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなく立たむ名こそ惜しけれ
 
世の中は常にもがもな渚漕ぐ 海士の小舟の綱でかなしも

 


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何冊かテキストを使いながら、それぞれの歌の意味や背景などを解説し、皆さんで鑑賞しました。

思いがけない視点もあって、やはりこの時間もとても楽しい。

ある程度コンセンサスのとれた史実も、それはそれで知識として持ちつつ、ほんとうのところは想像するしかない、ということも大事にしたい。

今のわたしたちの感覚をもって想像したり、「自分にとってのその歌」を味わいたい、関係をつくりたい。

 

 

対応する下の句(取り札)。きょうはこれをがんばって取ってみましょう。


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後半は、競技かるたの時間。

取るという行為を通じて、身体ごと歌を味わってみる。


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読み上げが好きになって、自ら手を挙げてくださる方も。上達してらっしゃる!

 

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この体験会は、百人一首や競技かるたが持つ本質に触れることで、参加者一人ひとりの内で起こる変化を大切にしています。

これは、教育普及講座とは違うものを目的にしています。

競技かるたの選手になってほしいわけではない。
百人一首だけにどっぷりハマってほしいわけではない。

ただ、この体験にふれて、自分自身の前後での変化を感じてほしい。
世界の豊かさを発見してほしい。

 

そういう思いが、なんだか届いているなぁ、と感じました。

 

 

 

おまけの散らし取り。

ワーキャー盛り上がりました。


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集合写真とふりかえり。


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感想をいただきました。

・決まり字はわからないけれど、上の句を読まれたときに、なんとなく下の句はこの歌じゃないかなってわかるようになってきた。

・好きな歌が取れてうれしい。もっと覚えたい。

・時代をトリップできる貴重な時間だった。

・競技かるたの時間の読みが楽しかった。

百人一首の楽しさを思い出した。これからも味わう時間を持ちたい。

・勝ち負けがはっきりつくようなことを大人になってからやっていないなと気づいた。 

などなど。

皆さんと2時間たっぷりいい時間が過ごせました。

 

 

一首の歌に込められた情景や感情に浸る。

一枚の札を取りながら千年前とつながる。

百人一首も競技かるたも、ずっとそこにあったもの。でも馴染みのなかった方や、忘れていた方には少し隔たりがあったかもしれない。この体験講座を通じて、その隔たりに橋を架けられたことがうれしいです。いいお仕事ができました。


思い出したときにまた橋を渡ってみてくださいね。

きっとまた新しい景色が見えると思います。

 

ご参加くださった方、ご関心をお寄せくださった方、ご紹介くださった方、Umiのいえの皆さん、ありがとうございました!

 

 

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鑑賞対話ファシリテーター、場づくりコンサルタント、感想パフォーマー

seikofunanokawa.com