ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する鑑賞の場づくりを通して考えることなど。

〈レポート〉5/8 おうちで映画を観にいこう#2 『ラ・チャナ』

おうちで映画を観にいこう〉第2弾、ひらきました。

おうちで映画を観にいこうとは、

Zoomで待ち合わせ→各自オンライン配信購入&鑑賞→Zoomで感想を話す

をして、会えなくても、映画館に行けなくても、一緒におうちで映画を楽しもうぜ!という集いです。

オンライン配信されている作品からピックアップすることで、ミニシアターも応援しよう!という企画でもあります。

第1弾は、『ホドロフスキーのDUNE』でした。レポートはこちら

 

 

さて、今回はこちらの作品『ラ・チャナ』!

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https://www.uplink.co.jp/lachana/

ptix.at  

ラ・チャナ』は、一人のフラメンコダンサーの人生を追ったドキュメンタリー映画

若くして才能を開花させたラ・チャナでしたが、ある日突然、表舞台から姿を消します。

今だから語れる、その背景と、30年のブランクを経ても消えぬ踊りへの情熱。

なぜ踊るのか?
なぜ生きるのか?
なぜわたしなのか?
モニターを超えて迫りくる肉体の存在感が、見る者の魂を震わせます。

一人のアーティストの生き様にあなたは何を見ますか?

 

当日のこと

当日は、わたしがいる東京から3名、偶然にも秋田から2名いらっしゃるという、おもしろい顔ぶれとなりました。音楽が気になる、フラメンコを習っていた、サンバをやっていた、ミニシアター映画を観たくて、など、動機もさまざま。

今回はじめて参加してくださる方も、「待ち合わせて、わくわくしながら映画を観に行く感じがいいー!」とさっそく気に入っていただけた様子。うれしい。

 

わたしは、この映画の予告編を観たときに、とてもイメージがつきやすくて、なんとなく観たような気になっちゃいそうな映画だなと思いました。

でも実際観てみると、感じることや受けとるものは全然違いました。

さらに、この日観終わってから、Zoomで再び集まって感想を話してみたら、それぞれの方が注目していたところが全然違っていたり、同じところでも違うふうに観ていて、おかげで何重にも映画を楽しみました。

 

ほんといつもこればっかり言っているんですけど。

やっぱり感想を話すっておもしろい!!

人間の個別性ってすごい!!

特にわたしが印象深く残ったのが、ご自身も踊りをやっていらっしゃる方の、
「踊りの基礎訓練がないために、情熱だけで踊って身体を傷めてしまうことの怖さと、それを良し悪しで測れないことの深遠さ」の話でした。

ラ・チャナが膝や腰を傷めていたのは、指導者についていなかったこと、基礎訓練が積まれていなかったのでは?」との見立て。

観る人が観れば、そのあたりの危うさが感じとれるのですね。去年観た『わたしは、マリア・カラス』を思い出します。

 

ラ・チャナが才能や情熱に殺されてしまわず、温和なパートナーと共に、穏やかな日々を過ごしていてよかった。

だからこそ、なぜまた舞台に?という話にもなりました。そのあたり、わたしは後年のラ・チャナの踊りから、ギリヤーク尼ヶ崎やフジ子ヘミングを思い出しました。

アーティストというものはやはり、最後の最後まで舞台に立ち続けることを願うものなのでしょうか。

 

皆さんが場をとても楽しんでくださっていたので、話題はどんどん生まれ、新鮮な発見がたくさんありました。メモもみっちり。

 

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ひらいてみて思ったこと

感染症流行に伴って、映画も舞台もオンライン配信の機会がたくさんあるのはうれしい。

でも、ただでさえ人とリアルに会う機会が少ない中でデジタルコンテンツを観ていると、なんだか鑑賞体験がますます個別に閉じていってしまうのではと、少し危機感も持っています。

人と語り合う場で、体験がひらかれて、化学反応が起きることは、単に楽しいだけではなく、自分の存在の確認としても、今のような時期には大切になってくる。

このことをより意図的にもって、場をひらいていきたいと思いました。

 

それから、異文化を知ることができるのも、映画のおかげだったなと思い出しました。

わたしは10代の頃からたくさん映画を観てきましたが、言葉、感情表現、コミュニケーション、美術、ロケーションなど、映画に映る様々なものからその国の知識を得、憧れを胸に抱き、自分のルーツとの違いを思い、、ということをしてきたのでした。

映画のおかげです。

 

まぁなんだか小難しいことを並べましたが、発端は友人の、「聖子さんと映画を観に行きたいんだけど」とか、「一人で選べるし楽しめる年齢になったのに、あえて友だちを誘って、観る映画をすり合わせるとか、イイ♡」と出してくれた、楽しい思いつきでした。

今後もそんな感じで楽しくひらき、皆さんにも楽しんでいただき、そして映画業界にも小さく貢献できたらと思います!



参加者さんの記事をご紹介
note.com 

"映画って観ないとわからない不安要素がけっこうある。わたしは作品から大きく影響を受ける方なので、ちょっとでも疲れ気味の時は冒険したくないのです"
......すごくわかります。わたしもです!わりと念入りに調べて行きます。

"けれど、この場なら、作品のセレクトからよく練られているのできっと大丈夫です笑"
......というご信頼いただいていて、大変ありがたいです!作品の目利きもわたしの大事な仕事です^^


 
映画を語る場・今後の予定 
▼5月19日(火)映画 『ホドロフスキーのサイコマジック』を語ろう(要事前鑑賞)
ptix.at

▼5月22日(金)おうちで映画を観にいこう#3 『サーミの血』

ラ・チャナ』のキーワードであった、才能・民族・血がこちらにもつながります^^
ptix.at 

 

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