ウェブ記事を読んで感想を話すイベント、『パンデミックを生きる指針』を語ろうをひらきました。
当日の準備として
いろんな記事を読みました。
ウェブ上で観ただけのもの、映像で観たものも合わせると、数えきれません。
3月に買って手元に置いていたものの、なかなか読むことができなかった記事と手記も読みました。
折しも、日本全国で緊急事態宣言が解除になった翌日。
写真はわたしの愛読紙・毎日小学生新聞より。
なぜこの場をひらこうと思ったのか
告知文に込めましたが、当日も冒頭でお話しました。
・このタイミングで立ち止まり、5ヶ月をふりかえって、今とこれからの生き方を考えたい
・流れていく記事を読んでも読んでも自分に関係あること、理解可能なことだけを見るので、視野が狭くなりがち。他の人と対話することで広げたい。
・一本の記事を読み合うというディスカッションの方法があるという提案。これは「学生さん」に限らず、だれでも思い立ったらできるやり方。
みなさんの参加動機もうかがいました。
・自分と違う立場の人や考え方の人と話したい
・一本の記事を通して、違いを感じたい
・あふれる情報の中でも、いろんな視点で物事をみていきたい
・何をよりどころにして生きていくか考えたい
・トップの決めることに翻弄され続けてきたが、一市民として何ができるか考えたい
進め方
記事は3本読んできてもらいましたが、
1. 藤原辰史『パンデミックを生きる指針ー歴史研究のアプローチ』
https://www.iwanamishinsho80.com/post/pandemic
をメインに、パラグラフや章ごとに区切って追いながら、
2. 根本美作子『近さと遠さと新型コロナウイルス』
https://www.iwanamishinsho80.com/post/pandemic2
3. 内田樹『コロナ後の世界』
http://blog.tatsuru.com/2020/04/22_1114.html
にもふれていくという方法で進めました。
話していく中で
考えや思いや信念と共に、たくさんの感情も交わされました。
驚き、戸惑い、混乱、怒り、悲しみ、悔しさ、不信、危機、嫌悪、不安、失望......。
関心を向けてきたのは、多岐にわたるトピック。
政治、経済、外交、産業、食糧、仕事、組織、人間関係、歴史、教育、メディア、暴力、家族制度、医療、健康など。
出る話はどれも共感できることばかりで、この5ヶ月が誰にとってもタフな期間であったことが想像されました。
ほんとうにたくさんのことを考えて、心を動かし続け、調整し、挑戦してこられたのだと想像しました。言葉の端々に、モニター越しではあっても話しぶりから受け取るものは多かったです。
またこれからに向けては、変化に対して揺れる気持ちがあったり、そういう中でも持っていたい希望についても話しました。
わたしの時間配分がイマイチだったこともあり、もっと時間があればと思うところでタイムアップでしたが、それぞれにお持ち帰りいただけたことがあったようで、よかったです。
ふりかえり
対話の中でも出ましたが、情報収集も、選択や判断や実行も、いろんなことが個別になりがちであり、また行動の結果責任も個々人にのみ帰されるように思われます。知っているか知らないかで格差や分断が生まれてしまう。
もちろん生きていく上で、選択と行動の結果は、一人ひとりが引き受けていくわけですが、個人が負いきれない責任、個人として負うべきでない責任まで負わされてはいないだろうか、という問いも持っていたい。
このように場をつくることで、個々人が収集してきた情報、体験や知見を対話しながら共有し、共に生きているという実感を持ち合えたらと思いました。
また、上で書いたことと矛盾するようですが、ほぼ一斉に降りかかった今回のような災禍の場合、困っていることや、関心を寄せていることは人それぞれなので、普段の雑談でやっていたような同意を求めづらい状況でした。
でも、違いがあっても、同意はできなくても、共感はできるし、つながりを感じることはできます。
タフだけれど、これをやっていくしかない。
そのようなルートを何度も小さく引いていく。
引き続きこつこつと取り組んでいきます。
ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
Information
5月29日(金)今回取り上げた記事の筆者・藤原辰史さんが登壇されるイベントがあります。https://www.parcfs.org/?fbclid=IwAR1P2Aw7dfnkqkXKhHzj5EQSep4qssIttNHCFzuM737PK5P5HqwnsBIaCy
このイベントの感想シェアの場を翌30日に予定しています。(PARCや登壇者と関係のない、有志の場です)
詳細>https://www.facebook.com/events/3190412270979979/
2020年5月31日(日)『プリズン・サークル』感想シェア
鑑賞対話イベントをひらいて、作品、施設、コミュニティのファンやサポーターづくりをすすめませんか?ファシリテーターのお仕事依頼はこちらへ。