ひととび〜人と美の表現活動研究室

他者の表現にふれることから、自分の中にある美の感覚にもふれてみる、自分の美を表現してみる。みんなで探究する鑑賞の場づくりを通して考えることなど。

『翁 大名細川家の能の世界』展、鑑賞記録

2020年8月の終わり。

 

永青文庫に『翁 大名細川家の能の世界』展を観に行ってきた。

http://www.eiseibunko.com/exhibition.html#2020natsu

 


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お能の大好きな肥後の殿様のコレクション。
江戸時代に式楽に指定される前から代々大好きで、殿様方も自ら舞台に上がって演じたとか。

だから鑑賞用の収集ではなく、すべて実際に使っていたもの。

能面、能装束、楽器、小道具。
各藩でお能の文化はあったらしいけれど、火事や戦災で消失して、900点もの規模で一揃いが残っているのは珍しいのだそう。捨てたり、盗まれたり、売られたりとかもあったのかもなぁ、と勝手に想像。

今回の最大の発見は、能面は左右対称ではないということ。微妙な歪みや傾き、パーツの大きさ、くぼみの深さなどがあって、意図的という感じを受ける。能面、面打ちのこと、もっと知りたい。

細川家の第18代は細川護熙さん。元首相。
この人がまだ政治家やってたら、もっと芸術文化振興してくれてただろうか……。

 

その他メモ。
・45万石 肥後熊本藩

能楽コレクション900点のうち、能装束が500点。今回の展示はほーんの一部。

・烏帽子。絹製もあるが、紙を折って皺をつけ、漆を塗って固めたものもある。黒くて光っている、あれは漆だったのか

桃山時代までは普段着の小袖(kimono展でやってた!)で演じていたものが、江戸時代に式楽になってからは、日常から遊離した舞台演出の一部として装束となり、独自の進化を遂げた。豪華になるにつれ技術革新も。

・槌車の文様。中心に車、周りに8つの槌。槌は大地の霊を鎮め、回転は永久の継続を表す。細川家の家紋はここから?

・勝修羅能3曲に対し、負修羅能は30曲。能は鎮魂の芸能。

・般若の本面は貴重!「現在見られるほとんどの般若面はこれの写し」

・放映中の「麒麟がくる」の関連で、明智と細川の関係について解説したパネルボードもよかった。(細川ガラシャ!) 織田信長の自筆の文の写し(字がでかくて豪胆、イメージどおり)、光秀が本能寺の変のあと細川藤孝に支援を求めた文の写し(泣ける…)、羽柴秀吉から藤孝に忠義を称える文の写しなど。


いやぁ、行ってよかった!!

別館で上映中の『翁』の特別上演の10分編集版や、肥後細川庭園も大満足。

 

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後日、東京国立博物館で、面打ちの展示を観た。

気をつけてみていると、能面、能装束の展示は東京都内のいろんなところでやってくれる。

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