ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

METLV『セビーリャの理髪師』鑑賞記録

2020年夏、METライブビューイングのアンコール上映で、ロッシーニの『セビーリャの理髪師』を観てきた。明るいのが観たくて。


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誰も死なない、傷つかない、損しない!

なんなら、不道徳でゲスい。

ツッコミどころ満載。

恋の喜びとユーモアと平和が、超絶技巧でサラリと歌い上げられ、ただただ楽しい!

ギター一本の弾き語りで伯爵が恋する気持ちを歌うところは、光源氏か!というくらいウットリしちゃった。

アグリッピーナで凄みを利かせていたジョイス・ディドナートの14年前。

可憐で野心的なお嬢さんも素敵であった。



2006-2007シーズンは、メトがライブビューイングを始めた年。

今に比べると全然こなれていないし、カメラの動きも切り替えもガタガタ、音のバランスも??というところがあるけれど、新しいことをやってみよう!という気概に溢れていて、そこからも元気をもらう。

2006-07シーズン | 演目紹介 | METライブビューイング:オペラ | 松竹




客席は、年代が上の方々がほとんど。
古典作品を何度も味わいにきてらっしゃるのかもね、と友人。
なるほど。わたしの後半生もそんなふうになっていけたら素敵。

兄弟的作品の『フィガロの結婚』も、これのあとで観たらより楽しめそう。