2020年9月の終わり。
森鷗外記念館。
開館してからずっと来たいと思いながら月日が流れて、ようやくタイミングが訪れた。
わたしは森鴎外という人をずいぶんと誤解していたのかもしれない。
初めてちゃんと出会えた気がする。
国語の教科書に載っていた『舞姫』が衝撃的すぎたんだと思う。
つまり、印象が悪い。
でもあれは、初期の代表作であって、ほんの一部だったことを知った。
あの時代に、家柄もよく、才能にあふれ、恵まれていた一握りの人間。
軍医と作家の両方で出世して、何不自由なく生きていた。
......と思っていたのだけれど、どうもそうとも言いきれないようす。
AVルームで流れていた映像もよかった。
加賀乙彦、安野光雅、平野啓一郎、森まゆみ、
著名な方々が語る鴎外作品の魅力もよかった。
紹介されていた作品から読み直してみようかな。
四季折々、森家の愛ある暮らしを見せてもらえて、ほくほくしながら家路についた。
ちょうど今、明治、大正、昭和の家族や暮らしについて調べはじめたところだったので、資料としても貴重だった。
記念館の図録は毎回つくりが凝っていて、コラージュブックのように楽しい。
テーマもいい。バックナンバーを2冊購入。去年から追っている樋口一葉にも言及してある。
モリキネカフェは、静かで落ちつけるのでおすすめ。
読書やインタビュー収録にぴったり。カフェのみの利用もOK。
徒歩2分の文京区立本郷図書館には、地下一階に森鴎外関連本コーナーがある。