2020年10月。
待望の大津絵展に行ってきた。
"欲しい!欲しい!欲しい!"
のキャッチコピーは、大津絵コレクターたちの魂の叫びを表している。
大津絵自体は、ある程度、認知されている前提で、美術館ならではの企画として、コレクターの紹介をしている。
大津絵が展示されているのは博物館であることが多く、美術館(Art Museum)の企画は珍しい。
日本民藝館からの出品が多く、表装もセンスがよくて、さすが!という感じ。
宿場町の土産物として、小銭で買えるような額で売られていたものなので、無銘。フォーマットはあるものの、個性が滲むところがおもしろい。この個性は作った人だけでなく、コレクターによって好みがあるのがモロに出ているのがおもしろい。この人は端正なのが好きなのだなとか、わりと豪胆な筆致のものがいいのか、希少さに惹かれているのか、などさまざま。
コレクションっていかにも旦那衆の趣味っぽいなァ、と思っていたが、わたしも大津絵と聞くと放っておけないので、似たようなことをやっているのかもしれない。
一緒に観に行った友だちと、最近土産物屋ってのぞかないけど、自分たちのこどもの頃の記憶でいえば、大津絵ってどういうものに当たるんだろうね、と話した。また、当時絵を描く習慣もなかったであろう一般庶民や、伊勢参りの帰りに立ち寄った旅人の気持ちになって、眺めてみたりした。
昨年、noteで『大津絵を愛でる』というおしゃべりを配信した。ご興味ある方に聞いてもらえたらうれしい。