横浜そごうにて『ショーン・タンの世界』展。珍しく息子と鑑賞。
何箇所か巡回していて、今は北九州の美術館で開催を待っているところ。
うちから横浜は少し遠いのだけれど、がんばって行った甲斐があった。
息子もいつになく熱心に見ていた。
かわいい者たちがたくさん出てくるので、見飽きないのだよね。
『アライバル』の鉛筆の原画もよかったし、油彩もとてもよかった。
ミヒャエル・ゾーヴァを思い出した。どこかにありそうな世界。
まちの風景を小さなサイズに切り取ったシリーズも好き。
製作過程を知ることによって、作品の味わいがより増すような構成になっている。
移民、内戦、テロ、食糧危機、気候変動など、さまざまな問題を作品に投影して考えて本を読んでいたが、やはりそういう背景と、丁寧なリサーチやプラクティスがあったのだとわかる。
写真に撮ったのは、ショーン・タンさんのデスク周りの再現。
映像で流れていたインタビューもとても心地よく。
そう、全体的になんだか心地よくて、安心した。
美術展をひらく百貨店も今どき珍しい。
いや、それどころか、百貨店自体が、厳しい時代か。
それでもどんなときも、人の心や想像力は自由。
分断があることは知っている。
けれど、なんとか出会えるところがあるのではないか。
芸術が可能にするのではないか。