公開を楽しみにしていた『ホモ・サピエンスの涙』観てきた。
第76回(2019年)ヴェネツィア国際映画祭 銀獅子賞(最優秀監督賞)受賞作品。
不思議で美しい映画。
写真集や画集を一枚一枚めくっているみたい。
グレーのフィルターがかかったような、ペールトーンな画面。
曇天の日に観るのにぴったりだった。
76分と短いので、隙間時間に観れちゃう。
淡々と一定の距離にカメラを置いて、ただ人びとを見つめるだけ。
暗転はゆっくりとした瞬きのよう。
目を瞑り、開けるとまた違う場所、違う人たちがいる。
ナレーションのような、モノローグのような声。
これは天使の視点?
人類の誰かに起こるある瞬間。
その中にはわたしもいる。
何かに問題を抱えている人、救いを求めている人、迷う人、絶望する人、感情を無くした人、33の物語。
物哀しい瞬間と、ときどきの希望のようなものと。
まるで2020年の世界的な感染症流行を予見していたかのようにも思える。
雪の降る日のバーの物語がとても印象深い。季節柄、時節柄。
同監督の『散歩する惑星』『さよなら人類』がアマゾンプライムにあったので、近々観る。
ヒューマントラストシネマ、良いラインナップですね。『ウルフウォーカー』は、まだ感想書けてないけど、めちゃくちゃよかったです。ぜひ観てほしい。