NTLiveのアンコール上映『フリーバッグ』が今年の劇場初め。
もともと舞台が大きな話題になって、そこからアマゾンでドラマ化され、シーズン2まで放映された。今回のNTライブで映っている公演はそのドラマ化も終わってからの、凱旋公演のようなもの。
前日までにアマゾンプライムでドラマ版を一気に観て、あれこれ記事やレビューも漁って楽しみにしていた。ドラマがとにかくすごく良かった。「女の話」のイメージが強いけれど、「男の話」でもあって。すごく「今」なお話。
そのドラマの基になった舞台版はどんなだろう?基本は1stシーズンのプロットに沿っているけれど、ドラマにはない登場人物もいるらしい。
わくわくしながら、劇場へ向かった。
観終わって、もーう、めちゃくちゃよかった!
フィービー・ウォーラー=ブリッジの才能に乾杯!
ドラマを観ていなくても楽しめる。観たあとドラマを観てもすごく楽しめる。
フリーバッグは、可哀想、逞しい、嗤ってもいい奴、いやそのどれでもない。
名前も出てこない、でも、ただその人として生きて、語っている姿。
好き!大好き!
表面的な説明(性に奔放、下品でクズ等々)ではちょっと収まらない奥深さがある。
「これってわたしの話じゃない?」と思う人がいるの、わかる。
彼女は自分がどう観られているか知ってる。
いつも少し行き過ぎるだけ。
期待には応えられないだけ。
頭の中のことを口に出しちゃうとか、空気が読めないとか、"親切"すぎるとか。
それで怒られたり、距離を置かれたり、軽く扱われたり。
でも悪気は1ミリもない。
なにより、自分に嘘をつかない人。
清々しい。チャーミング!
欲望されることで自分の価値を確認するのは、深く傷ついているから。
口に出さないだけで、多かれ少なかれ、誰にでもそんな面があるんじゃないの?
フリーバッグの周りの人も、みんなどこかヤバい。
一見完璧に見える人も、そう大して変わらない。
みんなろくでもなくて愛おしい人間(わたしもまた)。
近くにいたら勘弁してよってなることもあるかも?
でもこうやって演劇を通すと、理解も共感もできるし、謎の慈愛も湧く。
そんな話を、一緒に行った友達2人とあーだこーだとしまくった。
何かを観て話題が尽きないのって、ほんと幸せ。
これからも、わたしの内なるフリーバッグと仲良くしたい。
この記事がおもしろかった。
舞台の公演スタイルについて。勉強になる。どちらも連続ツイート。
NT Live(UK)のアンコールでフィービー・ウォーラー=ブリッジの「Fleabag(フリーバッグ)」鑑賞。舞台上には椅子が一脚。ウォーラー=ブリッジが録音音声の力を借りつつ一人で複数の人物を演じる。小さな空間で始まった一人芝居から、世界中で大ヒットしたTVシリーズが生まれたことが鮮明に分かる。
— katsuki (@katsuki_london) 2019年12月2日
NTlive Fleabag 中身の感想より先に。これ、今までのNTliveのラインナップにはなかったタイプの作品で、ウェストエンド公演含めドラマ人気の後押しがあるにせよ、儲けを勘案したとしても、わりと英断なプログラムだと思います。今までのお客さんの層の好みとは外れているので。
— Navi :) I. (@navyblue85) 2019年9月12日
次作が楽しみ。
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