2020年12月19日。
彩の国さいたま芸術劇場で、『不確かなロマンス〜もう一人のオーランドー』という舞踏を観てきた。
スペイン音楽・舞踊の伝統をジェンダーを超えた
独舞、独唱でたどる旅
この特設サイトが美しいので、できるだけ長く置いておいてほしい......お願いします。
12月に入って、何かのきっかけで予告編を観て、「あれ、これはなんだかすごそうだぞ」とピンときて、友人とその話をしたら、やっぱりすごく行きたくなってしまって、すぐにチケットを取った。
その後こんな記事も見つけて、やっぱりこれ凄そう......わたしの好きな世界が詰め込まれていそう......と感じた。
"ときに激しく体を動かしながら歌うから、呼吸がどうしても乱れる。 ハアハアいう呼気の乱れが、会場にこだまする" " 17世紀に起源をもつ竹馬の踊り"
予告でこれだけすごいのであれば、本物はもっとすごいに違いない。
わたしは一体何を見るんだろう?!
そして当日。
直後の感想。
物凄い体験にわたしはまだ言葉にならない。
もう我慢できないという感じで皆さんスタンディングオベーションで、カーテンコールは熱かった。
このような時期に日本に来てくださったことに、感謝が尽きない。涙が出た。
とってもチャーミングな方々!
人間はほんとうはもっと何にでもなれるのではないか。もっと可能性があるのではないか。世界にあんな挑戦をしている人たちがいて、あんなに研ぎ澄まされた美意識を如何なく発揮して完璧な舞台を作り上げている。芸術のジャンルなんか軽々と超えている。すごい。一体わたしは何を観たんだろう。
いろんなことが漠然と過ぎていく中にあって、目の前で確かに動いている筋肉、骨、身体。神経に細胞に入り込んでくる音。
転生を繰り返すオーランドーにヴァージニア・ウルフが降臨していた!と感じる瞬間がいくつかあって鳥肌。でも解釈できない。何も考えられない。
あの舞台、あの人。瞬間的に性を変えているように見える。でも、超えているのは観ているわたしのほうで、演っている人は超えようなどとしていないのかも。自然で。全部をはじめから持っている生き物、存在。でもああいうものが自分の中にもあると知っているだけで、もっと自由になれるのでは。
舞台としても、一つひとつの芸術の垣根を超えようとしたわけではなくて、「元からこうなっているものをそのまま出しているだけ」という感じがあって、こちらとしては新しいけれど、これまた演っているほうは超えてなんかない。むしろ「なぜわざわざ物事を定義づけ、区切る必要があるのか?」と問うてくるような。(これは美化なのだろうか)
この世のすべてを70分に閉じ込めた奇跡の舞台。
一緒に観た友人が、ギリギリまで今観るべきかどうかを悩んでいた。最終的には、30枚しか出ない当日券を目指して劇場まで来て、席が確保できて、良い鑑賞ができたようだった。よかった。
お金だけじゃなくて、何に時間やエネルギーを注ぐかということに真摯。美学があって尊敬する。作ること観ることの価値を知っているからこそ。美意識の結晶を観たあとだからこそ、彼女の選択や行動が心に深く響いた。
東京と京都と北九州。日本で3日、3箇所だけの公演。
なんと貴重な機会だったか。忘れない。一生忘れない。
Twitterに投稿してくださった、あの時間を共にした方々の熱を再び。
昨晩彩の国で舞台、フランソワ・シェニョー&ニノ・レネ『不確かなロマンス―もう一人のオーランド』。圧倒的な体、存在、動き、演奏される生音のテクスチャと呼吸、歌の艶やかさと哀しみ。生身のパフォーマンスを生身で受け取ることの圧巻の生々しさ。最近小さな画面に慣れていた。今年観られてよかった
— Tatski.S (@tatzki_muli) 2020年12月20日
「不確かなロマンス もう一人のオーランド」@さいたま芸術劇場-フランソワ・シェニョーはまさに狂乱&惑乱の身体。3種類の声で歌いながら、性を超えた3人のスペインの伝説中の人物を踊る。
— さわやか革命 (@katy_lied246) 2020年12月19日
あまりの激しさに見る側も絶えず緊張を感じざるをえない。
フランソワ・シェニョー&ニノ・レネ『不確かなロマンスーもう一人のオーランド―』。鮮やかな黄色をまとう戦士の華やかな雄姿、その歌声は「女/男らしさ」の線引きを一蹴。竹馬や高ヒールで絶妙なバランスで踊り続けるのは、安定した「性」の区分に抗い続ける身振りだろうか。https://t.co/pqK35zrcxe
— Miho Morioka 森岡実穂 (@MoriokaM) 2020年12月20日
彩の国さいたま芸術劇場「フランソワ・シェニョー&ニノ・レネ
— Naomi Mori (@ladolcevita416) 2020年12月19日
不確かなロマンス―もう一人のオーランドー」このコロナ禍で久々の招聘公演だったことを抜きにしても、圧倒的!これは伝説になるほどの鮮烈でクラクラする世界だった!フランソワ・シェニョーは世界にこんなとんでもない人がいたの?と驚き pic.twitter.com/bbzgGIaDWA
「不確かなロマンス」の余韻が残っている。やっぱり、生で観ないとダメだ。ステージの中でシェニョーの動きが止まり、音楽家達の音が止まり、空気も止まり、凪が来たその直後、パーンと全てが開いて、こちら側に伝わってきた。直撃だった。
— みっち。 (@mitchon381009rt) 2020年12月20日
あのテオルボの音、好きだったなぁ…深い部分を刺激された。
「不確かなロマンス」@彩の国さいたま芸術劇場。いや~濃厚な舞台で心揺さぶられましたわ。ステップ1つ1つが強烈に訴えかけてくる。突き刺すような竹馬!そこから続けて超絶ポワント!!そして驚愕ピンヒール!なんて脚力。しかも歌いながらって。それから肩!!関節どうなってるんだ?
— 榊原律子 R. Sakakibara (@ritsuko_sakakib) 2020年12月19日
特製のプログラムと小冊子。宝物。
圧倒的な体験をありがとうございました。
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