ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

映画『エイブのキッチンストーリー』鑑賞記録

めちゃくちゃ良いので観てくれ!!頼む!!後悔はさせない!!

子どもの人もぜったいいい映画。

一緒に観にいって、帰りにあれこれ語ったらぜったい良い。

 

youtu.be

 

abe-movie.jp

 

ブルックリン生まれのエイブは、イスラエル系の母とパレスチナ系の父を持つ。文化や宗教の違いから対立する家族に悩まされるなか、料理を作ることが唯一の心の拠りどころだった。

誰からも理解されないと感じていたある日、世界各地の味を掛け合わせて「フュージョン料理」を作るブラジル人シェフのチコと出会う。フュージョン料理を自身の複雑な背景と重ね合わせたエイブは、自分にしか作れない料理で家族を一つにしようと決意する。

果たしてエイブは、家族の絆を取り戻すことができるのかー?

2019年製作/85分/アメリカ・ブラジル合作
(公式HPより)

 

全く前情報なく、トレイラーも観ず、鵠沼海岸のシネコヤさんに直前予約で飛び込んだのですが、、すんごい良かったんですよ!

12歳の男の子が料理という好きと得意を手がかりに、自分のルーツを見つめ、アイデンティティとキャリアを拓いていく物語。

わたし10代に贈る本を出したから、特に10代にガンガンおすすめしたい。
もちろん10代の周りにいる大人にも。

 

今自分が持っている範囲の中でも、なんとか遠くに行ける年頃、時代。
インターネットを使いこなして、お金が使える範囲、電車の乗り継ぎ方のわかる範囲でも、こんなに出会いとチャンスに満ちている。
思わず行動してしまうことから、何か素敵なことがはじまる。

 

愛と心配でつい干渉してしまう親や、年をとるほど頑固になる祖父母はあるあるだし、対等に接してくれて好きや能力でつながれる、ナナメの関係の大人の存在もうらやましい。

何より食べ物がとってもきれいで美味しそうでわくわくする!

そして、宗教や民族の対立という難しいテーマ。「イスラエル系の母とパレスチナ系の父」という設定に、「えっそんなカップルほんとにいるの?」という粗探しは意味がなくて。それよりも「もしもそうだったら?」を自分もエイブになったつもりで一緒に成長していく。

「わたしのせいにする」というその場しのぎの対応ではなく、もがいて悩んだ末にあるタイミングが来たら責任を引き受ける。それを教えてもらえる。

 

監督はブラジル人のフェルナンド・グロスタイン・アンドラーデ

プロフィールを見ると、映画監督としてもユニークだし、それ以外のアクティビズム的な活動も興味深い。ひと口に映画監督といっても、いろんな人がいる。

 

2021年3月20日からデジタル配信も始まるらしい。

https://movie-product.ponycanyon.co.jp/item106/

ヨロシク!!!!!

 

 

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