国立科学博物館で、特別展『植物 地球を支える仲間たち」を見てきた。
ショクダイオオコンニャク、最近どこかで開花の報せを見たなと思い出した。京都府立植物園だ。栽培をはじめて30年で初めての開花とのこと。貴重。
我が家の植物。ラブリー!
帰ってきたときは、「楽しかったねー!」と思っていたのだが、次第に「何かが違う」という感じがしてきた。
ふと思い出したのは、この光景。
これらの写真をパッと見て、どこか田舎の風景なのかなと思うだろうか。
実は、ここは東京湾の最終処分場だ。一昨年の夏、子と見学に行ったときにこの写真を撮った。
植物の下にあるのは、燃やせないゴミ、燃やした後に残った灰が、固めて置かれていく。その上にビニールシートがかけられ、さらに土が載っている。そこに植物が植えられたか、どこからかタネが飛んできたのか、土に混ざって上陸しているのか、繁茂している。
3枚目の棒のようなものは、ゴミから出たガスを放出ための煙突だ。
もう海の上に埋め立てていくしかもう方法がない。
人間が資源を使って使って、作って作って作りまくったあとの姿がこれだ。
植物があれば、虫がくる。セミがわんわん鳴いていた。鳥の声もする。
ちょっと目眩がするような光景だった。
原発被害を受けて、立ち入り禁止区域に指定されていた頃の町や村のことも思い出す。
植物が茂り、虫が育ち、鳥がやってくる。
かれらは「地球を支える仲間たち」で、人間であるわたしはたぶんここに含まれていない。人間が汚した後を、「仲間たち」が浄化している。
『風の谷のナウシカ』の世界だろうか。
植物展をきっかけに思い出した。
※追記(2021.8.2)
展示の中でよくわからなかったこと2つについて。
●胎生種子とは?
・マングローブの展示のところで出てきた。「胎生」って、胎生と卵生の胎生?パネル解説を見てもいまいち飲み込めず、帰ってから調べた。
・一般の植物の種子は、樹から落ちたり飛んでいたりして、土などの上で種から芽が出て育っていく。
・マングローブの場合は、樹に生った果実の中で種が発芽して、樹から栄養をもらいながらある程度の大きさまで育ってから、離脱して増える。人間みたい!ということで、胎生種子と呼んでいるらしい。ただし、水辺の泥にうまく着地して、さらに育つものは少ないそう。
・どうして胎生種子という道を選んだのか?と考えてみた。マングローブは水のあるところだから、そのまま種が落ちたのでは、全部流れて行ってしまう。だから少しでも生存の可能性が高くなる状態まで待ってから「産む」ということにしたのかな。人間の場合は、産まれてからもかなり無防備だけれど。
マングローブの繁殖 | マングローブワールド | 東京海上日動火災保険
●共通祖先(LUCA:Last Universal Common Ancestor)
あらゆる生物の祖先にあたるもの。「生命の樹」の一番根っこにあるもの。あるとしたら、細菌のような原核生物のこと(かもしれない)で、これと特定できるものではない、概念として使われることもある?と一旦理解してみた。ちょっと違うかも?一旦考えたので、また別のところで出会ったときに、もっとわかるかも。
科学って厳密に定義したり、用語を使わないと不正確になっちゃうから、どうしても説明が難しくなっちゃうんだな。口語的な「ざっくり」で言えることと、テキストにしたときの正しさと。
そういったことを踏まえて、これからの展示を見てみようと思う。