ひととび 〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

展示『国宝 鳥獣戯画のすべて』展 観賞記録

6月上旬、東京国立博物館鳥獣戯画展に行ってきた記録。

chojugiga2020.exhibit.jp

 

▼メモいろいろ

・「鳥獣戯画 甲乙丙丁」を英語で言うと、"Frolicking Animals Volume 1, 2, 3, 4"になるらしい。 

・いつも思うけれど、平安時代(12世紀)の紙がこれだけきれいに残っているのがすごい。

・これ間違えられないよね?一気に描いたのかな?と思ってみたら、「ホワイト」使ってた!実物を見たからこその発見。

・巻ごとの特徴を展示物や解説でくりかえしくりかえし体験したので、ようやく身体に入った感じ。今後「鳥獣戯画」と聞いたらパッと特徴が説明できるぐらいになっている!そのくらい丁寧な解説だったし、じっくり観ていくと、確かに個性が巻ごとに全然違うのだ。まとめて見られたからこそわかったこと。

・作者は誰かはわからないが、素人が戯れに描いたわけではなく、確かな腕を持つ人が描いたもの、ということはきっちりと記憶に刻まれた。

・丙巻に出てくる「首引き」という遊び、「何それ?」と思っていたのだけれど、「親の時代は首引きって普通の遊びだった」というツイートを見かけてから来たので、平安や鎌倉の頃からの遊びを昭和の子も普通にやっていたのがすごい!と思った。なかなか凄い遊びだ。狂言で「首引き」という曲もあるらしい。(首引き:輪にしたひもを向き合って座った二人の首に掛け、互いに引っ張り合って引き寄せられたほうを負けとする遊び/デジタル大辞泉

・絵巻の世界に入って遊ぶのは楽しい。絵巻を発明したのがすごい。閉じた冊子の前に絵巻という表現があったのがおもしろいな、もっと知りたいなと思っていたら、こんな本を見つけた。これいいです。「どう見たら(楽しんだら)いいかわからん」という人にもぴったり。

・日本のゆるかわ絵、そぼく絵の世界、やっぱりいい。特に丁巻のゆるさ、たまらない。

・動物を擬人化して描いた美術作品、世界ではどんなものがあるんだろう?お話では「ラ・フォンテーヌ寓話」とかかな? と思って調べたら、ブーテ・ド・モンベル挿絵の本が出てきた!これは見てみたい!

高山寺にまつわる人として、明恵上人のことも取り上げられていたのがよかった。

夢日記をつけていた方として有名。

河合隼雄明恵 夢を生きる』(講談社, 1995年)

『別冊NHK100分de名著 集中講義 河合隼雄: こころの深層を探る』(NHK出版, 2021年)で『明恵 夢を生きる』の解説があるので、ちょうどよいかも!

 

 

 

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ほんとうは去年の夏、2020年7月14日〜8月30日に開催予定だった企画展なのだ。

感染症流行の影響で延期となってしまった。

こんな本を買って楽しみにしていたので、わたしもとても残念だった。

鳥獣戯画なぞり書き』(リンケージワークス, 2020年)

 

東京藝大では、美術のなんの学科だったか忘れたが、入学するとまずは鳥獣戯画の模写をする授業があると聞いた。そのくらい優れたお手本でもあるということか。

わたしがなぞり書きをしていたのも、何かのいい練習になっていたのかも?!

 

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たまたまこの日に観にきていたから、今日マチ子さんの#StayHome シリーズで見かけてうれしかった。

 

そうだ、東京国立博物館は、森鷗外のゆかりの地でもあったのでした。

ちょうどこの池のあるあたりに、帝国博物館総長室があったそうです。

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この方の書き込みすごい!そうか、あの出品目録の最後のページは、こんなふうに使うんだったのですね!