ジュンパ・ラヒリの『わたしのいるところ』。
ラヒリの母語ではない、イタリア語で書かれた本の第2弾。
今のところこれが日本語に翻訳されているラヒリの最新作だ。
一年かかって読んだ。
一気に読んでしまう本ではないと思って、ほんとうに気が向いたときだけ、しかも寝る前に一編だけ。
ゆっくりゆっくり蓄積されていく言葉。
読み終わって、とても満たされている。
他人のような気がしなかった。
主人公がわたしと年齢の近い女性ということもあると思う。
読んでいるあいだじゅうずっと、日本語として美しく感じているこの世界をわたしは原文でも味わうことができるんだ、という喜びに包まれていた。
日本語で読み終えたところで、イタリア語のペーパーバックを注文した。
『ニュー・シネマ・パラダイス』の冒頭に出てくるとサルヴァトーレの妹の話し方を思い出しながら読むとすごく良さそう。
読み終えるのはまた一年後だろうか。
そんな読書もいい。