『校正のこころ 増補改訂第二版: 積極的受け身のすすめ』大西寿男/著(創元社, 2021年)
去年共著で本を出したのもあるし、今文章をチェックするお仕事もしているし、日々何かしらインターネット上で発信しているので、自分に関係のあることがたくさん書いてあるだろうと思って、読んだ。
すごくおもしろい。
逆に言えば、校正の実作業をしたことがない人には、想像しづらいところもあるかな。でもこれを機に興味がわきそうな文体。静かに一つひとつ目を見ながら、言葉を渡してくれる。
鑑賞対話ファシリテーターの仕事にも通じるところがある。
言葉との関わり方、言葉を通した人との関わり方。
書かれた言葉、語られた言葉、さまざまな人の言葉と言葉に込められた心にふれて、自分も時代を泳ぎながら、橋を架ける者として立つ。
「37度ぐらいの熱量で集中」やチームワークの話などもうなずくことばかり。
「こんな仕事ですよ」という紹介だけではなく、問題提起も多い。
今作業の軸が揺らぎかけていたので、背筋がしゃんと伸びた。
言葉を扱う仕事として大切な校正のこころ。胸にもって仕事に向かう。