わたしのマチオモイ帖、10年の活動記念の展示に行ってきた。
私たちは今、家族や友だち、地域とのつながりなど、自分を育んできた大切なものをあらためて見つめ直しています。それは震災をきっかけに、日本に暮らすひとりひとりの心の中に生まれた素直な気持ちです。
「わたしのマチオモイ帖」は、日本全国のデザイナー、写真家、イラストレーター、映像作家、コピーライター、編集者などプロのクリエイターが、自分にとって大切な町、ふるさとの町、学生時代を過ごした町や、今暮らす町など、各地の町で育まれた「わたしだけの思い」を小冊子や映像作品にして紹介する展覧会活動です。
この活動は2011年の震災の年に生まれました。故郷を思う一冊からはじまり、都市での大きな展覧会から、地域に根ざしたギャラリーや図書館、町の小さな本屋さんまで、大小さまざまな場所で、多くの人たちが語り、笑い、時には涙しながら共感の輪をひろげ、今では1600帖を超える作品が集まっています。
世の中は変化していても、人のいとなみや、繋がりのよろこびは変わりません。「わたしのマチオモイ帖」を通じて、ガイドブックにも載っていない町や、知らなかった町に息づくさまざまな思いを見つけ伝えていくことで、今まで見たこともない景色や、新しい日本が見えてくるはずです。
インスタグラムにも書いたが、このプロジェクトのことは、2014年に東京ミッドタウン・デザインハブの特別展で見て知り、とても好きになった。
自分の故郷でなくてもよいし、今住んでいるまちでもいい、たまたま訪ねて好きになったまちでもいいし、なんの縁でもいい。好きという気持ちでなくてもよいし、「想う」のような温かい思いでなくてもいい。嫌い、苦手、好きになれないなどでもよい。それぞれの人にとっての、どこかのまちのことが帖面の形になって並んでいる。
綴じた冊子に限らず形態がいろいろなのがおもしろい。
形にすることで、作り手の中で変化が起きる、その感覚が物を通して伝わってくる。
それは愛の確認だったり、後悔の念の成仏だったり、混沌に輪郭が与えられたようだったりと、様々。
KITTEの展示に行ったときに近くにいた人が、「一人ひとりの人生が凝縮されているから一点一点見ているとすごく疲れるんですよね」と言っていて、ああ、それわかるーと思った。マチオモイ帖が並ぶ様は、ユニークで、エネルギーが一挙集中していて、おもしろいけど疲れる。多様ってこういうことかなと思う。
ZINEを作る企画が2つほどあるので、今回はブックデザインにも注目した。
うん、インスピレーションが湧いた!
2014年のときの写真が出てきたので、記録として貼っておく。
http://machiomoi.net/exhibition_2014/
2022年2月から3月にかけて、10年記念展が開催されるそう。
<東京展> 2022年2月22日(火)~3月13日(日) 11:00〜19:00 東京ミッドタウン・デザインハブ (東京都港区赤坂9丁目7−1 ミッドタウン・タワー5F)
<大阪展> 3月21日(月・祝)~3月29日(日) 11:00〜20:00 大阪デザイン振興プラザ(ODP) (大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビル ITM棟10F)
展示に向けた作品も募集中とのこと。挑戦してみたい方、ぜひ!
わたしのマチオモイ帖 2022作品募集 | わたしのマチオモイ帖