映画『香川1区』をポレポレ東中野で鑑賞した記録。
昨年の『なぜ君は総理大臣になれないのか』から約1年半。
小川淳也さんの活動を見てきた。ツイッターやYoutubeや記事も読んだし、著書や、取材協力した和田さんの著書『時給はいつも最低賃金〜』や、『本当に君は総理大臣になれないのか』なども読んできた。
『なぜ君』で語る会もやらせてもらった。
映画の続編を撮っていることは知っていたので、とにかく楽しみにしていた。
ここまででもう全然他人事とは思っていない感覚がある。
タイトルが出た日。
映画『香川1区』の公開が正式決定しました。そしてまさかの!平井卓也大臣が取材に応じてくれました。嫌な質問も投げかけましたが、平井氏の度量の広さには敬意を抱きました。総選挙の投開票日まで、小川・平井両陣営の選挙戦を、しっかりと見つめたいと思います。 https://t.co/gqpTZL0yZP
— 大島新 (ドキュメンタリー監督) (@oshimaarata) 2021年9月1日
今回は、小川さんだけを撮っているわけではなく、「香川1区という選挙区に密着することで日本の政治を映していく」という監督の目指しているものが伝わってきて、より楽しみになった。
衆議院選挙が始まってからも毎日チェックしていた。小川さんの陣営以外もいろいろチェックしては、『なぜ君』のときに熱く感想を話た友達と情報交換をした。今起こっていることがあとで全部映画に回収されていくんだよな〜と思いながら。
その後立憲民主党の代表選もあり、12月24日の先行公開がますます楽しみになった。
ついついぜんぶ見てしまった。これが出陣式か〜 これも後で映画『香川1区』に出てくるんだなぁ。 https://t.co/qqR0VBUsc0
— 舟之川聖子|Seiko Funanokawa (@seikofunanok) 2021年10月19日
そうかー、「映画の結末は有権者に託された」のエンディングは今はまだわからないんだ。でも映画が公開されるときにはわかっている......これはすごいな。政治に近くなる、なり方が健全な上に、映画の楽しみ方としても新しい。 https://t.co/SVw5MXlsFA
— 舟之川聖子|Seiko Funanokawa (@seikofunanok) 2021年11月5日
私は恥ずかしながら #なぜ君 で初めて「小選挙区比例代表並立制」ってどういうことなのか知りました。「比例復活」とか。民主党→希望の党→立憲民主党の流れも。野党って名前とか代表とかすぐ変わるよね、ぐらいの認識だった。システムを知るよき実例としても大変おすすめです。
— 舟之川聖子|Seiko Funanokawa (@seikofunanok) 2021年11月5日
この大島さんによる記事の最後にある、当確直後の小川さんから支援者への挨拶。ずっとずっとこのことに真摯に向き合ってきた人の言葉。
— 舟之川聖子|Seiko Funanokawa (@seikofunanok) 2021年11月5日
他の国のよい実践もたくさん知り、学んだうえで、日本だからこその民主主義を私も見たいし、その確かな片鱗を今回の香川1区で見たと思う。
映画『香川1区』ようやく完成し、本日1度きりのスタッフ&関係者試写会でお披露目。公開1週間前、綱渡りの作業でした。私も初めてスクリーンで観ました。口々に熱い感想を頂き、万感の思いです。おおげさですが、命がけで作った作品です。12月24日から公開、ぜひご覧ください!
— 大島新 (ドキュメンタリー監督) (@oshimaarata) 2021年12月17日
そして公開当日。興奮しすぎな私。
#香川1区 張り切って初日初回、今さっき観た!この立ち会った感!
— 舟之川聖子|Seiko Funanokawa (@seikofunanok) 2021年12月24日
ひたすら感情が揺さぶられ続けた時間。
複雑さを抱えて生きる人間たちの姿、社会の写し絵、これぞドキュメンタリー!
新たな時代の民主主義はすでに始まっている!!
刮目せよ!!https://t.co/g7fDrznsoO pic.twitter.com/PTISUQFtBx
ハンカチ必携です!
パンフレット入魂です!すごい読み応え。
当確のシーンでカメラのフラッシュが眩しいシーンがあります。
手ブレ画面苦手な人は注意。後ろめの席で、無理なところは目を伏せつつどうぞ。
初日初回、しかもポレポレ東中野という聖地。もちろん満席。
ちょっと特殊な熱気が雰囲気が会場に渦巻いていた。
翌日12/25
映画 #香川1区 画は当然いいが音もいい!奇跡的な音がいろいろ入ってる。あとから入れたんかと思うぐらい。もちろん作って入れた音もよかった。前作の #なぜ君 と比べるとコアは変わらないけど、複雑でもっとズンとくる。
#香川1区 リアルタイムで多くの人が目撃していたことを、単に中から撮って並べただけじゃなくて、その場で生成されるもの、持ち込まれる"ネタ"もあって、考察もあって……混沌に秩序を与える編集すごい。ラストの始末にしびれた。
初日初回は満席、久しぶりの劇場の熱気。予告はなく本編からはじまるのも良く。みんなで笑ったり泣いたりを共にした。その中に大島さん、前田さん、小川さんや明子さん、和田さんもいらして。エンドロールに入ってもう拍手が。熱い時間でした。映画いろいろ観てきたけど、こういう体験はじめてかも。
12/28
映画『香川1区』の感想を2時間しゃべり倒した!あー楽しかった!しかも私と同じくポレポレの初日初回を観てた方となので、余計に熱い!印象に残るシーン、最近観た作品との関連、自分の人生経験から思い出したこと、少し時間をおいて考えたこと。今日の有楽町の青空対話集会に行った話もシェアできた。
感想シェアの中で「身内が選挙に立候補するって言ったらどうします?」という問うてみた。国会議員を想定。「その身内との関係と、どの政党に所属するかによかって違うかも」とのこと。確かにパートナーか、親か(さすがにもうないけど)、きょうだいか、いとこかによって違うし、政党もでかいなーー
今あらためて映画をふりかえって
まずは映画の感想というよりも、この一年半考え続けてきたことになるが、並べるとこのようなことになる。
日常や人生に起こる目の前にある困り事に対して、それ自体を取り扱うことはとても重要だ。個人の努力や成長、人との出会い、支援する・されるの関係の中で解決されていくこともある。発展、進歩、学びもある。
けれど、個別の運、不運だけではないことも起きる。あるいは不運に見舞われたとしても、そのあとどう展開していくかは、その事象を引き起こしている大元の構造がどのようなものであるかで変わってくる。
本当は無関係の立場をとって、意識しなくても幸せに暮らせればいい。しかし、社会に生きているという現実に際しては、何らかのシステムに自分が組み込まれているということだ。自分が関わっている物事は、どんなシステムに組み込まれているのか、具体的に言えば、何の法制度の枠組みの中にあるかを知る。あるいはそれが生まれ続いてきた経緯を知ること。
社会に生きている人はいくつものシステムに取り巻かれて生きている。
それらのシステムにつながる根っこ、大元がある。
それがいかに巨大で強大であっても、それから目を離さないでいること。それに対して参加したり、意思表明したり、批判したりしていくことをしていかなくてはならない。
社会という大きな場づくりに、小さな力のない無名の個人として、どう関わっていくのかを意識しながら日々生活し、仕事をしていくこと。
映画『香川1区』は今の日本の姿だ。私を取り巻いているシステムだ。私に影響を与えているものだ。これを観てどう思うのだ、そうするのだ、と問うている。
何かが少しずつ変わっていっていることを様々な場面で感じている。自分も渦中にいる一人だと感じる。でもそれが何かは明確には言葉にならない。もっとずっと後になってわかるような類のことだと思う。
ここで自分がどのような向き合い方をするかで、後年「わかった」ときの感情が変わってくるだろうと思う。喜びか安堵か、悔しさか虚しさか。
できるだけ良いものであることを願って、きょうも砂粒を拾い集める。
混沌から救い上げたものに言葉を与えていく。
また、それを地道にやっている人たちと、時間や距離を超えて、つながってゆけたらと思う。
きょうから全国公開が始まる。多くの人とこのことを共有できるのがうれしい。
(追記:もうちょっと言うと、私は「意見の前にまず感想を。感想をフラットに言いあえる体験がないと意見も出てこない」ということで鑑賞対話の場を作っているけれど、感想だけに留まっていることも違うのではないかと思っている。感想の積み重ねによって自分の軸ができていき、それを意見として表明していく機会(場、関係)、行動にもつながっていってほしいし、そのための場もつくっている)
▼充実のウェブサイト。事前知識なくても大丈夫。
映画を観てから観るとおもしろさ倍増。
▼関連記事
▼『選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記』和田靜香/著(左右社, 2021年)
映画とはまた違う景色。
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2020年12月著書(共著)を出版しました。
『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』(三恵社)