友達が観ておすすめしていたけれど、長尺だからなぁと腰が引けていた。
でも、映画『MINAMATA -ミナマタ-』を観て、やっぱり『水俣曼荼羅』も観ることにした。わからないこと、知らないことがいっぱいあることを知った。だから知りたい。今知りたくなった。そして機会があるなら乗りたい。そんな気持ちが湧いた。
友達が「愛に溢れてる。もう一回観たい」と言っていたのは本当だった。
ほんとうに観てよかった。もう一回観たい。全人類に観てほしい。
『水俣曼荼羅』に出てくる省庁、行政、司法の人たちの態度や言動には唖然とした。『ボストン市庁舎』を観ていたからつい、「ボストンなら違うんじゃないか?」と考えてしまった。解決する意思を感じない。自分の言葉を持たない、自らシステムの歯車となる。苦しそうな人も。長年にわたる根深いものがある。
つくづく「人間って......」と思う。
戦後急速に近代化、工業化していく中で、どれだけ切り捨てたものがあったのかと思う。これもあれもそれも、といくらでも浮かぶ。
一度起こると取り返しがつかない。そしていかにいろんな人の人生に影響しているのかと思う。陰で苦しんでいる人々、新たな犠牲を出しながら暴走してきた社会。その延長上に今の自分がいる。何も終わっていないし、繰り返されている。
後日、映画を紹介してくれた友達と、集中して感想を語る時間を持った。90分話したけれど、話題は尽きなかった。
これからも折にふれ学んでいきたいと思った。
情報過多な映像に脳が処理しきれなくて寝てしまいそうな人は、メモを取りながら観るとペン先と紙に思考を逃せるので楽です。
覚えとこう、何が起こっているか捉えようとすると脳は疲れる。暗闇で手元を見ずにメモするのは、最初は難しいけど、いつもやってると慣れて、けっこういいです。おすすめ。
▼迷っている方は町山さんの解説がおすすめ。
『水俣曼荼羅 製作ノート』原一男+疾走プロダクション/著(皓星社, 2021年)
劇場でも販売してます。シナリオ採録、論考、監督インタビュー。充実。
熊本の言葉で聞き取れない部分や、音だけ聞こえて変換できない固有名詞や専門用語、法律や裁判経緯などもメモ取りきれなかったので、ありがたい。必携。
▼こちらのインタビューは『製作ノート』にも掲載されている。
▼2022年3月に判決。まだ終わっていない。
環境省 国立水俣病総合研究センター
http://nimd.env.go.jp/index.html
水俣市立水俣病資料館
https://minamata195651.jp/
朝日小学生新聞:今も傷あと残す水俣病(2016年5月1日)
https://www.asagaku.com/shougaku/topnews/6422.html
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