『えほんのせかい こどものせかい』松岡亨子/著(文藝春秋)
松岡享子さんが亡くなられたと知り、本棚から出してきてパラパラ見ている。
小学校の読み聞かせボランティアをしていたときに、とてもよい研修をしてもらえたことで、それまであまり深く考えたことのなかった子どもと本の橋渡しをすることについても知りたいと思うようになった。
正直、松岡さんの著書を読んでいて堅苦しく感じるところもあるし、「おかあさん」と連呼されるとしんどくなるところもある。子どもを育てるのは母親だけではないという思いがあるし、「おかあさん」に対する批判を聞くのはいまだに苦しい。
けれど、やはり学びは多い。
大人と子どもの違い、子どもをための時間、場を子どもを性質を中心に考える姿勢や思い、本の選び方、読み方などはとても参考になる。
よい物語を手渡すには知恵が要る。
「子どもと本との関係は個別」という前提で、しかし「大切なことはこれだと考える」としっかり手渡してもらえる。
一つの時代、一つの運動、一つの文化を打ち立てた方。
2020年に東京こども図書館を訪問した。隅々まで松岡さんのDNA、という感じがした。
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2020年12月著書(共著)を出版しました。
『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』(三恵社)