お手伝いしているクラウドファンディングのゲストに、リヴオン代表・尾角光美さんをお招きしたので、事前に著書を読み返した。
尾角さん……いつもはてるみんと呼んでいる……の言葉、ひと言ひと言がそっと置かれた手のように温かい。
死別、離別、いろんな別れ、いろんな喪失。
(よく観たら離別って、離れる・別れるなんだな)
人が亡くなった話、痛みの話がたくさん出てくるけれど、安心する、落ち着く、温まる。同じ状況ではなかったけれど、わかる、この感情、この状態、と思いながら読み進める。
グリーフという言葉の定義を言えなくても、「なくしたものとつながる」という言葉がするりと入ってくる。唱えているうちに、手がかりになったり、何もできなくてもお守りになったり、してきたと思う。
私も離別を経験して、のたうち回るように苦しかったときに、この本にもてるみんにも助けられた。てるみんは、当時たくさんのいた、助けてくれたうちの一人。
てるみんのうちにかるたしに行ったこともあったわ、そういえば。
2015年11月、リヴオン主催の講座に参加したときのメモが出てきたので、少し手を入れてここに載せておきます。
当時の私のグリーフケアの話。
リヴオン主催の、キャパシター講座に行ってきました。キャパシターは、トラウマ感情をリリースするためのこころとからだのセルフケア法で、簡単な体操やボディタッチが中心です。講師のPat先生、リヴオンのてるみん、キャパシタージャパンの方々、その場にいる参加者の皆さんのエネルギーがあたたかくて、何度も泣いてしまいました。ずっと心にストップがかかっていて、泣くことも難しかったから、一旦涙が出るとどうにも止まらず大変でした。メモしたこと。-----どの感情もあるのがhealthy。必要だからある。だけどそれに呑まれすぎて辛くなるとき、身体からアプローチしてみることで、またそれを自分自身が行うことで、心を落ち着かせ、本来の「賢く素晴らしい存在」である自分を取り戻し、自分らしい決断をすることができる。キャパシターではトラウマや辛い出来事、それ自体と向き合ったり、原因究明したり、なぜその感情が生まれたのか理解しようとしなくていい。ただ落ち着く。そして悲しみや不安や怒りの感情をリリースする。キャパシターのワークをしても辛い現実が変わるわけじゃない。でも落ち着くことができる。その先に進むために何を選べばいいのか、道が見える。I'm OKと思える。人の感情、人の抱えている課題をスポンジのように吸収してしまっていないか?抱えきれない以上の荷物をもっていないか?あなたはあなたのエネルギーを守り、他者に対しては単にwitnessであればいい。閉ざすのではなく、大切な自分のエネルギーを自分のために溜める。-----この一年は、微かな光の元で、なんとか拠り所を見つけることしか考えていませんでした。浮き草につかまりながら、とにかく生きていることが大事でした。今振り返ると、ところどころ記憶が飛んでいるところもあります。いつも油断できない感じがあって、すべてが自分の両肩にかかっている感じで、いつも緊張していて身体中が痛い。いつもいろんな感情が渦巻いていて、疲弊する。自分だけがすっかり変わってしまったような気がして、世界から分離しているような感覚がありました。それが、息子や周りで支えてくれる人たちのおかげで、秋口あたりから少しずつ安心が増えてきて、心にspaceが出てきました。これから、一年を区切りに自分のグリーフケアにも時間を割いていこうと思います。明日を迎えるためには、「こんなことなんでもないんだからね」と自分に強く言い聞かせる必要があった。でもやっぱり自分に起こったことは、誰と比べる必要もなく、自分にとってとてつもなく大きい出来事だったことを認め、身体も心も癒してあげる。そういうことが、そろそろちゃんと必要になってきたのかと感じています。もう泣いていいよと、自分に言ってあげればいいんじゃないかと。きょうは感情がいっぱい動いてものすごく疲れました。いろいろやらなきゃいけないことはおいといて、温かいお茶を飲んで早く寝ます。おやすみなさい。
当日の、てるみん、えんじゅ代表・高橋亜美さん、ハンドブック編集長・矢嶋桃子さんの3人の対談。配信の裏方をやりながらじっと聴いていた。何度も聴きたい話。
グリーフについて
https://www.live-on.me/grief/
コロナ下で死別を経験したあなたへ
https://liveon-corona.studio.site/
えんじゅのクラウドファンディングは2022年3月27日(日)まで
「社会的養護のアフターケア」のハンドブックを作り、全国の支援者と分かち合いたい!