ひととび〜人と美の表現活動研究室

観ることの記録。作品が社会に与える影響、観ることが個人の人生に与える影響について考えています。

〈レポート〉3/24 『香川1区』でゆるっと話そう w/ シネマ・チュプキ・タバタ

2022年3月24日、シネマ・チュプキ・タバタさんと、映画感想シェアの会〈ゆるっと話そう〉を開催しました。(ゆるっと話そうとは?こちら

 

第28回 ゆるっと話そう: 『香川1区』

2021年の衆議院選挙において、全国的にも注目された選挙区、香川1区の候補者や支援者、有権者の姿を追ったドキュメンタリー映画です。

 

▼ オフィシャルサイト

 

▼ イベント告知ページ

chupki.jpn.org

 

▼当日の参加者

満席での開催となりました。9人中7人が「ゆるっと話そう」に初めて参加される方でした。今回のイベントで初めてシネマ・チュプキ・タバタを知ったという方もおられました。

石川県からご参加の方は、「『香川1区』を観たあとに石川知事選挙と金沢市長選挙があった。今まであまり関わって来なかったが、映画を観て大事なことだと気づき、今回の選挙ではちゃんと話を聞いてみようと自分なりに動いてみた。きょうも皆さんと話をするのを楽しみしている」と申し込み動機を話してくださいました。

また、「封切りで観に行ったがシェアできる友達がいなかったので、今日話せるのはうれしい」と期待を話してくださる方もいました。

この日はスペシャル企画で、大島新監督と、前田亜紀プロデューサーも同席し、皆さんの感想を一緒に聞いたり、ところどころで補足をしてくださいました。

 

▼進め方

まずはブレイクアウトルーム(小部屋)で参加者だけで少人数で10分話しました。

各部屋は私かチュプキのスタッフさんがゆるやかに進行し、「きょう楽しみにしていること」や「今浮かんでる感想」を一人ずつ話していただきました。

その後メインルーム(大部屋)で全員でシェアしました。

小部屋で出た興味深かった話、思い出した他のトピックなどをシェアしていただきながら進めました。

 

みなさんの感想(一部紹介)

・『なぜ君』と『香川1区』
車から手を振る人、道路工事の人、高校生など、前回よりも候補者・小川さんに近づいている。ああいう雰囲気はどうして生まれたのか?

・他のドキュメンタリーとの違い
大島監督が自分の存在もぐいぐい出していく感じがする。両陣営描くといいつつ、やはり大島さんは小川さん寄りなのかなと思った。

・陣営の雰囲気の違い
推薦状が天井一面に貼られているけれど、事務所は閑散としている平井陣営と、窓に鳥の切り紙が貼られたり、人々が和気あいあいとしている小川陣営。

・マスマーケティングとファンマーケティング
前者は平井さん、後者は小川さん。まさにこの構図を感じた。PR映画ではないが、あながち間違いではなく、『なぜ君』はファンマーケティングを支える部分になっていたのでは。

・選挙っておもしろい
利権によってつながっている陣営と人間性に惹かれて集まった陣営との対比が描かれていて興味深かった。直近の石川は、利権×利権、保守×保守の選挙だったので残念。

・家族が出馬した経験
家族総出で選挙を戦う様子に、立派だなと思いつつ、巻き込まれている部分も感じる。実は自分の親が出馬したときには自分は協力せず、親戚から顰蹙(ひんしゅく)を買った。

・暴くことによる傷つき
これまで見ることなかった選挙のリアルな現場を暴いて白日の元に晒している。それは正すために必要なことかもしれないが、自分にもある醜いところを醜いままに描かれるのは、観ていて傷つきもした。

自民党支持者への気がかり
自民党支持の人が見たらどう感じるのか。インタビューに答えた人などは自分の撮影シーンが善悪構造のように描かれていることについて、観たらどう思うのかなと考えてしまう。→「今のところ写っていたご本人たちからのご意見は入ってきていない」と大島さんよりお答えあり。

・前田プロデューサーの撮影時に詰められる」シーン
見ていて怖かったがご本人はどう感じられたのか?→「怖いより憤慨していた」と前田さんよりお答えあり。

 

監督とプロデューサーよりご感想

最後に、皆さんが感想を話されるのを聴いていてどう思われたかと、きょうのご感想をうかがいました。

大島さん:「作品の感想を話してもらえるのは制作側として喜びだが、さらに選挙や政治に関心を持ったというお声も聞けるのは本当にうれしい。他にもいろんな感想が出たが、どれも伺えてとても嬉しかった」

前田さん:「劇場のトークイベントやティーチインで質疑応答の形で皆さんの感想を聞けるのもうれしいが、こういう少人数の感想を語る場で聞ける話もまた貴重で、参加できてよかった」

お二方、お忙しい中、ご参加ありがとうございました。

 

写真左上から時計回りに:大島監督、舟之川、前田プロデューサー、チュプキスタッフ・俵さん、チュプキスタッフ・宮城さん

 

▼ファシリテーターのふりかえり

1時間ちょっとの短い時間でしたが、一人ひとりの感想が持ち寄られ、いろいろな観点や思いにふれ、ファシリテーターの私自身は、『香川1区』を観た直後と同じぐらい感情が揺さぶられました。

今回は出てきたテーマの中から掘り下げていくというよりも、多様さをとりあえずテーブルの上に出してみる時間だったように思います。それでいて、実際に出てきた率直な言葉や感情を味わうための沈黙もあり、皆さんが映画と深くつながろうとしていた感覚も私にはありました。

逆に、ポンポンと話が弾んでいかないことに緊張を覚えた方や、次に何を出すべきか迷ったり、制作のお二人がおられることでもしかしたら遠慮した方もいらっしゃるかもしれません。

終了後にいただいたアンケートを元にチュプキさんとふりかえりをして、次回以降、もっと皆さんが話しやすくなる工夫を取り入れていこうと話しました。ご意見お寄せくださった皆様、ありがとうございました。

ご参加の皆さんには、今回をきっかけに、感想シェアの楽しさをご自身の周りにもぜひ広げていただければと思います。『香川1区』をおすすめして、「あとで感想を話そうね」と約束する……なんていうのもアリです!

ご参加くださった皆様、ご関心をお寄せくださった皆様、チュプキさん、ありがとうございました。

 

次回の〈ゆるっと話そう〉は、4月13日(水)20:00〜『夢みる小学校』です。
https://chupki.jpn.org/archives/9166

ご参加お待ちしております。

 

 

チュプキさんで栽培中の大根。なぜかは映画を観た方にはわかります!



▼チュプキさんでの舞台挨拶
(スレッドを展開すると続きのツイートがあります)

Facebookでのまとめはこちら)
https://www.facebook.com/cinema.chupki.tabata/posts/3194593510784306

 

▼資料

www.nhk.or.jp

www.asahi.com

toyokeizai.net

news.ksb.co.jp

 

youtu.be

 

 

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共著書『きみがつくる きみがみつける 社会のトリセツ』(三恵社, 2020年